2015.08.03 取材:記事・写真/RanRan Entertainment
2015年8月3日、英国版来日公演ミュージカル『TOP HAT』の公開記者会見が行われ、主演のアラン・バーキット、シャーロット・グーチに加えてスペシャルゲストとして今年の4月まで宝塚歌劇団にて上演された『TOP HAT』にて主演を務めた宝塚歌劇団宙組トップコンビ、朝夏まなと、実咲凜音が登壇した。
本作は1936年のミュージカル映画黄金期のハリウッドを代表する同名映画の舞台版。また、今年の3月から4月にかけては宝塚歌劇団宙組にて上演され、華やかなタップダンスと、ロマンティックな中にコメディも盛り込まれたエンターテインメント性の高いステージが大好評を博した。
作品のテーマであるダンスはもちろんのこと、アーヴィング・バーリンによる音楽も魅力の1つ。今回の舞台挨拶のために来日したアラン、シャーロットの2人が作中の楽曲の中から、2人の心が惹かれ合う様子が印象的な「Isn’t This A Lovely Day?」と、華やかな振り付けと息のあったリフトを見ることのできる「Cheek to Cheek」に合わせてパフォーマンスを披露し会場をミュージカルの世界へと誘った。
続いて行われた対談コーナーでは、宙組トップコンビの2人も加わり作品の魅力や、朝夏・実咲はブロードウェイにて英国版『TOP HAT』を、そしてアラン・シャーロットは昨日、東京宝塚劇場にて上演中の舞台『王家に捧ぐ歌ーオペラ「アイーダ」よりー』を観劇済みとのことでお互いの舞台姿についても語った。
英国版を観劇して以来本作の虜となり、本日もパフォーマンスを舞台袖から見ていたという朝夏と実咲は実際に演じた際の感想、作品の魅力を聞かれ、
朝夏:「タップダンスがジェリーという役の一部なので、いかに自然にできるかを大切に頑張りました。作品全体がハッピーオーラに包まれて、笑顔が絶えない公演です。」
実咲:「見所はもう、全てですね。お2人(アラン、シャーロット)の空気感が舞台にそのまま出ていらっしゃって脚が、もう物凄く上がっていて(朝夏と頷き合う)、コンビ間の空気が素晴らしいと思いました。」
宝塚版キャストの2人から絶賛を受けた英国版キャストの2人は今回が初来日。「今回は僕ら2人だけの来日で、イギリスに残してきたキャストの皆に羨ましがられました」とアランが言うと、「周りの人に日本食を食べるといいよ!と言われたのですが、今回は時間がなくて。」と、多忙な中の来日であることを明かした。
そんな多忙なスケジュールの中、昨日は上演中の宝塚歌劇団の公演を観劇したとのこと。
感想を訪ねられると
アラン:「存在やスケール感、あれだけの人数が出演する舞台がすごく素敵でした。あと、フィナーレのショーの時階段で踊っていたのですが、それがすごく不思議でした。(アランは大階段でのパフォーマンスが似合うと言われ)あーでも、高いところが苦手なんです(笑)」
シャーロット:「お2人が素晴らしくて感銘を受けました。言葉はわからなかったのですが出演者の方の役者としての表現がすばらしく楽しめました。衣装も美しくて、エジプトの王女(アムネリス)が出てくるたびにその煌びやかさに騒いでしまいました。」と大絶賛を受け、主演を務める朝夏は「明日からも頑張ります!」と決意を新たにした。
続く質疑応答では舞台『TOP HAT』には欠かせない”デュエットダンス”においてのこだわりを訪ねられ、
アラン:「つながりが大切だと思います。リフトが上手くいかなかったりしても、2人の間の信頼関係さえあれば大丈夫だと思います。絆やつながりがあればしっかりと物語を描くことができるんです。」
朝夏:「今仰っていた通り、信頼することだと思います。ね?(実咲のほうを見る)音楽のとり方が2人同じになるようにしています。」
実咲:「いつでも気持ちをひとつにすることだなと思います。アクシデントはやはりつきもので、この間の作品中、私がリフトのタイミングを合わせられなくなってしまったときも、朝夏さんはどんなときでもガッ!と持ち上げてくださるので、本当に繋がりだなと思いました。」と、舞台上に2人しかいないからこその固い信頼関係が垣間見えるエピソードと共に息を合わせるコツを明かした。
自然と相手役の腰に手を回す、舞台からはける際には自然と手を取る。短い時間の中でもそれぞれの信頼関係が充分すぎるほど伝わる会見となった。
宝塚版の『TOP HAT』は朝夏・実咲トップコンビのプレお披露目に、英国版キャストの2人はロングラン公演のため1年以上も本作を上演しているとのことで、それぞれに違った作品の表現方法で、どちらのファンも楽しめる内容となっている。
出演者も太鼓判を押す「タップダンスを踊りたくなるような気分」を経験しにぜひ劇場へ!
ミュージカル「TOP HAT」(英語上演、日本語字幕付き)
《東京公演》
2015年9月30日〜10月12日
《大阪公演》
2015年10月16日〜25日