取材:記事・写真/RanRanEntertainment
10月6日(火)より幕を開ける舞台『獣道一直線!!!』の公開ゲネプロが、開幕前日の5日(月)にPARCO劇場で行われた。
本作は、PARCO劇場オープニング・シリーズの一作品で生瀬勝久、池田成志、古田新太による“ねずみの三銃士”の4作目の公演となる。今作も前3作同様に、ねずみの三銃士発案のネタをベースに、宮藤官九郎が新作を書き下ろし、河原雅彦の演出、お楽しみのゲスト俳優として山本美月、池谷のぶえを迎え、宮藤官九郎も初出演している。
独身男性3人が殺され、殺害方法も三者三様、皆同じメーカーのED治療薬を飲んでいた。事件に関心を持ったドキュメンタリー作家(宮藤)が取材を続ける中、浮かび上がってきた女性『苗田松子』。なぜこんな女に騙される、男たちは耄碌したとしか思えない・・・という謎めいたストーリー。
生瀬、池田、古田は売れない俳優役を演じる一方で、苗田松子に騙され殺された3人を演じ、さらに、「宮藤くんのホンは、表は愉快だけれど裏は忙しく、ずっと着替えてます」と古田がこぼしているように、女子高生やら看護士やら殺害された男性の母親やら複数の配役をこなしている。
また、ED治療薬を飲むと苗田(池谷)が別人に見えてくるところは、ドキュメンタリー作家の妻役を演じる山本美月が二役で苗田を演じている。池谷、山本が入れ替わりに着替えて出てくるところも含め、短時間で複数の配役がこなしているところが大きな見どころだ。
脚本・出演:宮藤官九郎 コメント
6年ぶり4回目、俳優としては初出場の宮藤です。関という、ドキュメンタリー作家の役で出演しています。自分が書いたストーリーを、全く知らないテイで取材するという演技が、こんなに難しいとは思っていませんでした。
「お前が書いたんちゃうんけ」と一瞬でも思われたら負けですので。なおかつ、三銃士と池谷のぶえさんが全力でふざけ倒す中、全く面白いことを言わずに笑いを取らなきゃいけない。難しい。
でも、山本美月さんの夫という、自分以外の作家は絶対に書いてくれない役なので楽しんで演れるよう、とにかく免疫力を高めていきたいです。
演出:河原雅彦 コメント
僕はいつだってこんな芝居を観たいと思っていて、今回もただただそんな気の違った芝居になりました。ねずみの三銃士が結成されて16年…いまだに自分たちで作るしかないですよね。他に誰も作ってくれませんから。注意事項としては、替えのマスクをご持参されるといいかも。
きっと幕間で交換したくなるので。演出してる僕が何度もそうなりましたもの。
思わず笑っちゃうとこ多くて。
生瀬勝久 コメント
私事ですが、この春、実現出来なかった舞台があり、忸怩たる思いで過ごしていました。
今回の芝居も、どうなるのかとても心配な毎日でしたが、ようやく初日を迎えられそうです。
出演者、スタッフ一同、お客様に「ああ、やっぱり生の舞台がいいね!」と言っていただけるよう、精一杯創りました。劇場でお待ちしております。
池田成志 コメント
いよいよ「獣道一直線!!!」初日です。このコロナ禍の中、演劇というものの価値が各人各位で変容したり、向上したり、下降している中、我々は敢えてというか、寧ろ必要以上にいつもの、スタイルでお送りします。PARCO劇場はじめ各地でやります劇場の感染対策等は、しっかりやっておりますゆえ、ご心配は重々承知ごもっともでございますが、2、3時間の間、やな事忘れに来ませんか?……でもどうしよう、もっとやな気持ちにさせちゃったら?ヨロシクです。
古田新太 コメント
開幕直前を迎えて、鋭意努力中でございます。宮藤くんのホンは、表は愉快だけれど裏は忙しく、ずっと着替えてます。短いコントの目白押しです。
全体的には少し怖いお話になると思うのですが、それまでにはお客様には下品なお笑いを楽しんでいただくべく、工夫しております。おいらは工夫という言葉が大嫌いなのです。工夫をして良くなった試しがありません。ですからなるべく思い付きでやろうと思っていますが、工夫をせざるを得ません。なぜならば、工夫をしないと上手くいかない構造になっているからです。
頼んだ人間としては、よくもまあ、こんな面倒くさいホンを書きやがるものだと。それを演出のリーダーがきっちりやろうとするから、我々アクターは大変です。今回の裏のテーマは、「俳優って大変ね」です。それを少しでも感じていただけましたら幸いです。
山本美月 コメント
何事もなく皆で無事に初日を迎えられそうで安心しています。
稽古が始まったばかりの時は、6年ぶり人生2度目の舞台、久しぶり過ぎて右も左も分らない状態だったので、毎日緊張ばかりしていましたが、皆さん優しく丁寧に、色んな事を教えていただけました。日々勉強の毎日です。本番も精一杯頑張ります。
たくさん笑えて面白いけど、ちょっとこわい素敵な舞台を是非多くの方に楽しんでいただけたらと思います。
池谷のぶえ コメント
1作品にお1人出演してたら充分の、演劇魔人が集うねずみの三銃士・・・に加え、演出の河原さん、脚本・初共演の宮藤さん、舞台で初共演の美月ちゃんと、刺激的な作品づくりの毎日でした。このような時期に舞台ができること、それもこんなにぶっ飛んだ作品ができることに感謝です。実際のとある事件が元になっているのでそうした見方もできますが、全く違う見方もできると思います。個人的にはなぜだか泣けてきます。ぜひ皆さまの楽しみ方でご覧ください。
PARCO劇場オープニング・シリーズ “ねずみの三銃士”第 4 回企画公演「獣道一直線!!!」
【東京公演】 10月6日(火)~11月1日(日) PARCO劇場(渋谷PARCO 8F)
【長野公演】 11月5日(木)~8日(火) まつもと市民芸術館
【北海道公演】 11月13日(金)~15日(日・祝) カナモトホール(札幌市民ホール)
【京都公演】 11月19日(木)~23日(月・祝) ロームシアター京都 メインホール
【福岡公演】 11月27日(金)~29日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【高知公演】 12月3日(木)~6日(日) 高知県立県民文化ホール オレンジホール
【沖縄公演】 12月11日(金)~13日(日) アイム・ユニバース てだこホール