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済州島(チェジュ)において、「2014 島・詩・楽」開催!<後編>

2014/12/19 11:47

2014.12.13,14 取材:記事・写真/RanRan Entertainment

 

 

2014年12月13日、14日の2日間にわたり、韓国・済州島(チェジュ)において、日本、韓国、中国の詩人が集まり、「2014 島・詩・楽」と題した会が開催された。<後編>

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当日、小池昌代氏が朗読された詩は次のとおりです。

済州島への道

   ―詩人・金時鐘に

            小池昌代

 

済州島への道は遠い

遠いと思っていたのに

ある日一匹の蛾となって

私は海を渡っていた

蛾だって海を渡る

びらびらと

(決して優雅にひらひらとではなく)

眠りながらも飛び続け

飛ぶうちに

わたしは自分の名や

生れてからの記憶のあれこれを

朝鮮海峡の深海へ

復讐のように落とし続けた

それでもまだ

黒かびのように残り続ける「わたし」の根に

こびりついている饐えた匂いのする日本語

こればっかりはどうすることもできない

おかあさん

おとうさん

おじさん

おばさん

見知らぬ彼らを呼ぶことを知らないので

おかあさん

おとうさん

おじさん

おばさん

と酢のようにすっぱい日本語で呼びかけながら

彼らの眠る墓地の上を

夢の班となってぼろの翅で漂流する

済州島の海岸にある

岩にそっくりな顔の詩人

のかみしめすぎてぼろぼろになった奥歯

の痛みに似た日本語

彼の書く日本語の傷傷だらけの日本語を思い

蛾は岩陰にとまって沈黙する

美しい母国語

なんて虚妄だ

☆☆☆☆☆

小池昌代 オフィシャルサイト http://koikemasayo.com/

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