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2015年10月28日 23:33

中島らも作品、舞台『ベイビーさん ~あるいは笑う曲馬団について~』出演者にインタビュー!<後編>

2015.10.28 取材:記事・写真/RanRan Entertainmen

 

11月7日(土)から14日(土)まで東京・六本木にあるZeepブルーシアター六本木において開催される作・中島らも、舞台『ベイビーさん ~あるいは笑う曲馬団について~』の演出を手がけるG2さんと中島らもさんの作品には欠かせない松尾貴史さんと人気若手俳優、池田純矢さん、鈴木勝吾さん、井澤勇貴さんに稽古でお忙しい中、作品についての思いや意気込みをお伺いしました。<後編>

 

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Q:池田さん、鈴木さん、井澤さんにお伺いします。憧れのG2さんの演出を受けられていかがですか?

池田:いつかご一緒したい方だったので今回ご一緒できてとても嬉しいです。稽古に入って、自分なりに演技を考えてこういうセリフだからこういう思いでこう演じましたと提示するじゃないですか、そうするとG2さんにここはこういうほうがいいんじゃないと言われると「なんだろうそれ?分かんない?」と一瞬思うんですけど、言われたように演じて見るとしっくりくるんですね。こういう感覚というのが今までなかったので不思議な感じです。

G2さんがおっしゃったことを直ぐに受け入れるのではなく自分の中の純粋な気持ち「なにそれ?!」と思いながらも「何が分からないか考えてみるとわかってくる」という事が最近分かって、一昨日くらいから稽古が楽しくなってきました(笑)。

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Q:G2さんは怖くはないですか?

池田:はじめガチガチに緊張していたんですが。先輩の横山敬さんとお話してて「俺分かんないんですよんね。」とお話ししたら横山さんが「それでいいんじゃない。G2さんは分かんないと言われた方が面白いと思うよ。」とおっしゃられて。ガチガチに緊張して「はい!はい!これも分かりました、やります。」というよりも自分の中で疑問をもってどうすれば解決できるのかを練っていった方がよいのかなと思ってからはガチガチに緊張しなくなりました。

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鈴木:とても丁寧に稽古をしてくださる方です。でも丁寧を装わないで飄々としたように見せたいのかな~と(笑)と思ってます。

松尾:演出家だからね(笑)。

鈴木:よく思うのはG2さんが家に帰ったらめっちゃ切れてんじゃないかな~って凄く思っているんですけど(笑)。

Q:では稽古場では怒られたことはないのですか?

鈴木:全然怒らないです。ものを作るために集まった人に対して一人ずつ丁寧に言葉をくださるのでとても楽しいです。

ただ、G2さんのおっしゃることは分かって理解できるんですが、自分というフィルターを通すと出てこなくてまったくもって分からなくなるんですよ。いままでこんな事初めてで。頭でイメージができていることが全然出てこなくなっちゃって。G2さんのおっしゃることをよく聞いて理解しようと思っています。

今一番思っているのはG2さんがご自宅で「はぁ~(溜息)」なんかついているのかなと思うと「ちょっとしっかりしよう!」と思っています。

G2:お家でもニコニコしてますよ(笑)。

鈴木:ほんとですか~?(笑) 信じよう!

新しいものとか人に会えることが宝なので充実したいい時間を過ごせたらいいなと思っています。

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井澤:ダメ出しの内容の指摘が的確なんですね。台本を読み直してそのシーンのことを考えると「ほんとだ!」と分かるんです。言われて府に落としてやったつもりが自分のやりたいことができてないというのが分かるんですね。

稽古に入る前のホームページの写真撮影時にこの3人が集まって撮影した後にG2さんと対談させて頂き、食事会があったんですね。その時にG2さんが「見たこと無いものを作るのが好き」とおっしゃってて。『ベイビーさん』の表し方とか台本を読んだ中で「これどうやって表現するんだろう?」と、台本読んで自分のセリフ読んでそのシーンを考えて探っても探っても考えつかない事を稽古場でG2さんが演出したのをみて面白いし凄いと感じますね。

なおかつ他の役者さんの対応力が凄くて、とても学ばせて頂いてます。一から作品というのはこういう風に作っていくんだな~と実感させて頂いてます。

G2:一番最初に4人で対談したんですけど、彼ら優等生でつまんないって言ったんですよ。で、その後二次会で飲みに行ったんですけど皆弾けて面白い奴らだったから、だったらやれるなと思ったんですよ(笑)。

特にあの時はまだはじまってなかったからね。

井澤:初対面だったので(笑)

池田:その時は飲みながら取材させて頂いて。取材終わって飲み足りないから僕がもう一軒と言って2次会に行ったんですね。後半は僕は何をしゃべったか覚えてないですけど(笑)。

G2:この3人に共通して見所があるなと思う所が、こういう風にやったほうがいいと説明すると誰も即座に「イエス」という奴がいないの。

松尾:あ~それは僕と違うとこやね(笑)。

G2:この人はおちょくっているんだけどね(笑)。

僕は軽はずみに「はい」という人はあんまり信用してないの。

松尾:えっ!(笑)

G2:面白いな~。

みんな言われたことを頭の中で考えているから「イエス」と言うことを忘れている感じがするですよ。だからこの人達と遊ぶのは楽しいですね。

Q:皆さん、お酒がお強いんですね。

鈴木:みんな飲みますね。

池田:7日で7升(笑)。

Q:ちなみにお酒は何がお好きなんですか?

池田:なんでも!テキーラ以外だったら何でも(笑)。

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Q:G2さんからみてお稽古の様子はいかがですか?

G2:この子達よりもこっちのベテラン勢の扱いが大変なんで、この子たちはとても素直で家帰って君たちの事を怒ることは何もないですよ。

さっきも言ったけど、本当に分かっているかどうか分からないけど、なんか僕の言葉を頭で考えているより浴びてくれている感じがするのでこちらも言いがいががあるし、「はい!やります」と言わないのがいい!「はい、やります!」と言われるとこちらが萎えちゃう。えっ?やれる筈ないじゃん、こっちは今凄い難しいこと言ったんだけどと思うことがある。非常に僕は抽象的なことを言ってるんだけど着実に彼らなりに解決している現場で、楽しいですよ。

若い人達が集まってくると休憩中に遊んだりしてうるさいんだけど。いちいちサーカスの大きな玉が出るたびに遊び出すから(笑)。

昔、キッチュ(松尾貴史)がまだ若い頃に次女が産まれた時にお祝いに来てくれて、長女と二人で風船を飛ばしてキャッキャキャッキャして走り回っていたこともこの人にもあったんだけどね。そんな事思い出したね(笑)。ですから楽しくてね。

らもさんのテキストの部分がよく出来ているので、それをどう受け取るか各自よく考えて頂ければ成立しますが、歌があって踊りがあって手品があってサーカスがあってと一言しか書いてないところがいっぱいあって、そこのところをそろそろ現実的な線にもっていかなきゃいけないから、そことらもさんの戯曲的な部分とがどういう風に絡んでいくかという事が今自分がやりたいことで、そういう意味でもゾウさんはちょっとだけ殺陣に参加するとか内海少尉はカーテンコールできっと凄いことするよね(笑)。

天井から落ちてくるとかね(笑)。

鈴木:いま、決めて練習したらできるよ!

池田:でも天井から落ちてくるのは…。

G2:天井から落ちてくるのは楽日でいいよ(笑)。

池田:わかりました(笑)。

G2:このベテランチームの方たちはみんなやった事がある人が多くて、気心知れてるからどこをつつけば何が出てくるか分かる人たちとやった事のない若い人達の組み合わせが面白くて楽しんでいます。

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Q:松尾さんお伺いします。お稽古されていて感じることがありますか?

松尾:いやもう、周りの皆さんを見ていると頭がさがるというか、あ~だめだな~俺はと自己嫌悪に陥る毎日です。(せき込む)

G2:笑ってあげなさい!(笑)

全員:大爆笑!

池田:笑ってよろしいんでしょうか?(笑)

松尾:歯抜けで入っていることが多かったので、これから加速しなきゃと思っている今日この頃です。

Q:この話は年代は昭和16年という時代背景で皆さんの知らない時代だと思いますが、どのようにして理解をしようと思っているのですか?

池田:本を読んだり資料を調べたりしています。僕は軍人の役なので日本軍の動きとか敬礼の仕方とか歩き方とか、いわゆる外側の部分も勉強していますが、外側の部分だけではなく共演者の皆さんと芝居を合わせた時はどうかという事を考えるようにしています。その時の空気感が合って来れば時代感も出てくるのかなと思っています。

Q:サーカスというイメージは?

井澤:サーカスは何度か見たことありますし、シルクドソレイユも見たことはあります。雑技団とかYouTubeで見たりしてます。一輪車、玉、槍とか小道具が揃ってきているのであのクォリティーは難しいとは思いますが何か一つできないかなと、今お手玉を練習しています。

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Q:雑技団というよりもフリークショー「ベイビーさん」というイメージがありますが。

松尾:イメージの中にらもさんの頭の中にはあったと思うんですよね。それは皆それぞれ違うのもが集まって皆それぞれが認められるという全ての存在に対してこれで良いのだという中でのフリークショー的サーカス団というムードとしてあったんじゃないかと思います。

Q:皆さん休憩中、とても楽しそうに会なさっていましたが、休憩中はどんな様子ですか?

池田:休憩中は楽しいですよ!稽古中も楽しいですけど(笑)。いつも気難しくしていても一回落とさないと入らないので休憩はしっかり休憩します。

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Q:ファンの皆さんへ見どころとお勧めを教えて下さい。

池田:エンターテインメント性ある見どころに溢れた作品です。舞台デビューのお客さんには優しい作品です。何が面白くて何が良くて舞台を見ているのかがよく分かる作品だと思います。テーマパークに行くような感覚でいらして頂ければ思いもよらなかったものがお土産として持って帰れるのではないかと思います。是非、宜しくお願いいたします。

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鈴木:タイトル『ベイビーさん あるいは笑う曲馬団について』。ベイビーさんという得体のしれないもの出てくるんですが、それは見る人によって形や姿が違う、どう見えても正解で物事は百人百色があり、このベイビーさんが皆さんにどう映るのか劇場で体感して頂けたら嬉しいですね。是非劇場に観にきてください。

井澤:ベイビーさんて何ぞや?そのベイビーさんを舞台でどう表すかということ。

見どころは一から10まで全てが見どころです。素敵な作品と演出家のG2さんはじめ素晴らしい役者の方々とご一緒でき僕自凄く身気合が入っています。舞台だからこそ感じられる役者からでる汗とか涙とか時代感などを直に感じとって頂けてこの世界観を共有できたら嬉しいです。劇場でお待ちしています!

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公演概要 

【タイトル】 ベイビーさん ~あるいは笑う曲馬団について~ 

作】 中島らも

【演出】 G2

【出演】 池田純矢  鈴木勝吾  井澤勇貴  入来茉里   小須田康人   松尾貴史  他

【公式サイト】 http://baby-san.com/

【お問合せ】 セガ・ライブクリエイション 03-6871-7680 (平日 10:00~18:00) 

【公演日程】 2015 年 11 月 7 日(土)~14 日(土)

【会場】 Zeppブルーシアター六本木

【チケット】 好評発売中!

【チケット料金】 8,500 円 (全席指定・税込)

※3 歳未満入場不可 ※営利目的の転売禁止

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