Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

TOKIO松岡主演『ダニーと紺碧の海』蜷川に捧げる世界一の芝居

2017/5/13 11:24

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

512日(金)、東京・紀伊國屋ホールで『ダニーと紺碧の海』のゲネプロが行われ、松岡昌宏、土井ケイト、そして演出の藤田俊太郎氏が囲み取材に応じた。

9J9A1960-2a

左から 土井ケイト  藤田俊太郎

『ダニーと紺碧の海』の原題には「アパッシュダンス」の副題がついている。アパッシュダンス…男性が女性を引き倒し、張り手を食らわせる、フランスで生まれた荒々しいダンスだ。この物語は、アパッシュダンスのように、激しく生々しい言葉の殴り合いから始まる。殴り合いではぎ取られた鎧の中から見えてくる男と女の本来の姿。やがて男女は魅かれ合う。これは一風変わった現代版のおとぎ話なのだ。今回この手負いの獣のようなダニー役に挑むのは、TOKIOの松岡昌宏。そして同じく心に深手を負った女性ロバータを演じるのは、土井ケイトだ。

9J9A1966-2a9J9A1967-2a

舞台はニューヨーク・ブロンクスの深夜のバー。登場人物はダニーとロバータのたった二人きり。お互いに自分の話したいことだけを話し、ギラギラとナイフのように鋭利な感情を生のまま相手にぶつける。それでも、同じ匂いを本能で嗅ぎ取るように、徐々にお互いの傷の核心へと二人は近づいていく。お互い心をさらけ出せる唯一の相手。傷を癒し、やがてそこに隠されていたお互いの優しさや魅力を見出していく。

2、3歳の子供の喧嘩のようで、そこに隠し事もなく駆け引きもない。驚くほどのもの凄いエネルギーの中に観客も巻き込まれていく。「体に結構くるんですよ。そんなに動く芝居じゃない気がするんですけど」と松岡。

客席からも松岡や土井が感情を昂らせて体を震わせているのを感じる場面が何度もあった。まさに全身全霊で役にぶつかる二人。そのエネルギーに圧倒され最初は戸惑いながら、しかし徐々にキャラクターの魅力的な面が見えてくる。松岡演じるダニーについて「松岡さんが演じるから、(ダニーは)本当に愛すべきキャラクターになっていて、板の上(舞台)にのっているのに、心から『えっ?なにこの人』って思わせる。感動的です」と土井が語る通り、鎧を外したダニーは子供のように無邪気で母性本能をくすぐる一面を覗かせる。松岡自身「経験したことのない扉を開けたい」と挑んだこの舞台。ファンは松岡の新たな魅力を発見することができるだろう。

9J9A1529-2a

演出は、故蜷川幸雄氏の下で演出助手を務めてきた藤田氏。この作品は、若かりし頃俳優を目指していた藤田が蜷川氏に稽古をつけてほしいと持ち込んだ最初の作品だったという。奇しくも12日は、蜷川幸雄氏の命日。「蜷川さんに観てほしいという気持ちで作っていますし、(蜷川さんは)観てくれているんだと思います。松岡さんと土井さんと一緒に世界一の作品を作ったという想いを込めています」と作品への自信と共に、蜷川氏への尊敬と感謝の気持ちを語った。

9J9A1562-a

稽古場では様々なアイデアを出し、一つのシーンを何度も変化させていく演出スタイルだったと松岡。蜷川イズムを継承する藤田氏。蜷川氏の演出のトレードマークともいえる伝統の‟灰皿投げ“について聞かれると、「蜷川さんのように灰皿や怒号は飛ばさないで、僕は愛情だけ飛ばしました」と穏やかな口調で笑った。本番になっても面白いと感じたことは変えていくということで、この芝居は初日、2日目、3日目とまだまだ進化していきそうだ。

9J9A1711-2a

「ロバータのような女性がいたら?」という記者の質問に、松岡は「速攻シカトしますよ」と記者たちを笑わせた後、「こういう風に題材になるってことは、大変なんですだけど、大変な女性って好きでしょ?ね?」と手に負えない女性に魅かれる男性の気持ちに共感を示していた。劇中、ロバータにプロポーズをするシーンも演じる松岡。

「毎日ロバータに死ぬ気でプロポーズします。」と言いつつ、プライベートについては「結婚してくれないかなんてことは、僕は言わないです。そういうこと言えるタイプじゃない。」と照れ屋な松岡らしい回答が返ってきた。

9J9A1802-2a

コミュニケーションが苦手で心の痛みを暴力で吐き出す孤独な男を演じている松岡。舞台の幕が下りると、カーテンコールで何度も何度も深々と頭を下げていた。先輩からは可愛がられ、後輩からは慕われるコミュニケーション能力の高い松岡だからこそ、この真逆の役どころを楽しみながらも見事に演じきれるのだろう。ピアノの音色と月と水のゆらめきの中で、憎しみ合い、愛し合い、いたわり合う男女の心の変化と、二人の心からの叫び・エネルギーを感じるこの舞台。この舞台を観ることは心に何かを抱えて生きる現代人のカタルシスとなるかもしれない。

9J9A1879-2a

舞台は13日~21日、東京・紀伊國屋ホールで、2728日、兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演する。

公式サイト http://www.parco-play.com/web/program/danny/

 

 

関連記事


Page Up