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2018年1月8日 15:36

A.B.C-Z橋本良亮・家入レオらがフルオーケストラをバックに『蜜蜂と遠雷』の「光の音」を実現

取材:記事・写真/RanEntertainment

音が光に包まれて天から降り注ぐ―人気グループA.B.C-Zの橋本良亮、実力派シンガーソングライターの家入レオ、奇跡のソプラニスタ・木村優一らが東京フィルハーモニー交響楽団、ピアニストの川田健太郎、西本夏生とコラボする『「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート~コトダマの音楽会~』の公開ゲネプロが5日初日開演前に東京・Bunkamuraオーチャードホールで行われ、終了後の囲み取材にメインキャストの3人の他ビッケブランカ、湖月わたる、朴璐美、音楽監督の千住明氏が登壇した。

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ビッケブランカ 木村優一 家入レオ 湖月わたる 朴 璐美 千住 明

分野の違う才能のぶつかり合い。それが絶妙に絡まり合い調和して音を紡ぎだしていく。「耳福」――日本語には適当な言葉がないので中国語から借りてみたい。それ程に五感の中の聴覚が満たされた一夜だった。コンサートの原作となっているのは「直木賞」と「本屋大賞」のW受賞で話題となった恩田陸氏の小説『蜜蜂と遠雷』だが、原作の言葉を借りれば「世界を祝福する」音がこのホールの中に確かにあった。

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このコンサートでは、メインキャストはピアノに触れず、本物のピアニスト・オーケストラが音楽を奏でる。よくあるキャストが弾くふりをするというごまかしが一切ないのが潔い。その代わり、メインキャストが身体という楽器を使って音を奏でるのだ。マサル・カルロス・ レヴィ・アナトールを演じる木村が歌うグノーのアヴェマリア。まさに天から与えられたギフトともいえるその声が、完全無比なジュリアードの王子そのものとなって観客の魂を清めていく。

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栄伝亜夜を演じる家入レオの透明感と力強さを併せ持つ真っすぐに心の琴線に響いてくる歌声。ドビュッシーの「月の光」に原作者の恩田氏がつけた詞がまた美しい。心に葛藤を抱えた消えた天才少女がマサルとは違ったタイプの才能として音楽の世界に戻ってくる過程を描くのに家入の歌声は観客を納得させることだろう。そして主人公の風間塵を演じる橋本の甘く心地よい情感豊かな歌声。「狭いところに閉じこめられている音楽を広いところに連れ出」したいという塵のピアノのように自由な翼を持っているようだ。

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フルオーケストラとピアノをバックに橋本、家入、木村、ビッケブランカ、湖月、朴の6人でのアンサンブル「ひかりを聴け」は、いつまでも心に余韻が残る。恩田氏が小説の一番の核の部分をテーマに作詞し、千住氏が作曲したこの曲。いいメロディーがあって、いい歌詞があって、いい演奏があって、素晴らしいステージが出来上がった。

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2部では、コンクール本選としてマサル、亜夜、塵が渾身の演奏を繰り広げる。プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番 第一楽章、2番 第4楽章、バルトークのピアノ協奏曲第3番第一楽章とオーケストラとピアノの見事な演奏をコンクールさながらに楽しめる。

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ゲネプロ終了後の囲み取材では、橋本が風間塵さながらに自由なトークで記者を沸かせていた。
「僕以外はパーフェクトなんですよ。そこはしっかり伝えていきたい「メンバーの五関くんがリーディングコンサートやっているんですよ。どういうつもりで挑んだのか聞けばよかったですね。今日誰かしらメンバー来られると思うんで、一幕と二幕の間にちょっと聞きます」と開口一番謙虚な発言の橋本。
「新しいエンターテイメントだなと思いますね。フルのオーケストラが入って。でもちょっとやっぱりドキドキしますね(家入)」
「そんなことない。レオちゃん冷静過ぎて怖い。俺だけなんか一人舞い上がっちゃって(橋本)」
「そんなことないです。舞台袖でカッコよくタキシード着て(家入)」
「いや、これもう、ほぼカズレーザーじゃないですか。お客さん一人は絶対ツッコんできますよ。次の日のツイッターで『カズレーザーいた』みたいな(橋本)」
家入と橋本のこの一連のやり取りには思わず会場が大爆笑となった。
また「ひかりを聴け」をお風呂場の中で練習していた橋本。「聞けば聞くほど涙がぽろぽろ落ちてきちゃって」と感受性の鋭い一面も告白。
「オーチャードで歌ったのは坂本くん(V6)と亀梨くん、その三番手が僕ということで」とジャニーズ三番目の快挙への喜びを語っていると元宝塚トップスター・湖月は「フルオーケストラの前で歌っていらっしゃる姿を見て親御さんやファンも本当に感動すると思います。私も一番初めの練習から見てるので、さきほどなんか感動しちゃって」と親になったような心境を語り記者の笑いを誘った。
アイドルという枠を超えて活動を続けるジャニーズ事務所の先輩たちのように、橋本にも大きな可能性を感じたコンサートとなった。
また木村は「マサルがあまりにも完璧な役で、私身長が20cmぐらい足りないんですけど、身長の高さを声の高さでカバーします」と答えると、他の出演者から「上手い。コメントが出来上がっている」と称賛され、役柄同様コメントも完璧に決めてみせた。
圧倒的なその筆力から音の出るはずのない本の中から音楽が聞こえると言われた原作「蜜蜂と遠雷」だが、このリーディングコンサートでは、小説の光の音の世界を現実の世界でより立体的に味わうことができる。

キャストのファン、原作のファン、ピアニストのファン、オーケストラのファンと百人百様の楽しみ方ができのが、『「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート~コトダマの音楽会~』の魅力の一つだろう。

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『「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート~コトダマの音楽会~』は5日と6日に京・Bunkamuraオーチャードホールでの公演を終えた後、27日と28日に大阪・森ノ宮ピロティホールで公演が行われる。

公式HP http://www.reading-mitsubachitoenrai.com/

 

 

 

 

 

 

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