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2018年12月18日 15:05

ミュージカル『サムシング・ロッテン』開幕!西川貴教が夢に見た福田雄一の無茶振りとは!?

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

コメディ・ミュージカルの鬼才・福田雄一が日本語台本・演出を務めるミュージカル『サムシング・ロッテン!』が、1217日(月)東京国際フォーラム ホールCにて、初日を迎えた。本作は『コーラスライン』『アニー』『レ・ミゼラブル』などの人気ミュージカルやシェイクスピア作品を彷彿とさせるシーンが満載のミュージカル。2015年に初演されるとあっという間に話題作になり、同年の「トニー賞」では9部門10ノミネート、うち1部門を受賞した。

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日本初上陸となる今回、中川晃教、西川貴教、瀬奈じゅん、平方元基、清水くるみ、橋本さとしという実力派俳優と、あらゆるダンス、パフォーマンスを最高のレベルで表現するアンサンブルキャストが集結して作り出された。

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初日前に同劇場にて行われたゲネプロの模様をお伝えする。

ルネサンス時代のイギリス。売れない劇作家ニック(中川)は弟のナイジェル(平方)と共に自身の劇団を運営していた。この時代の寵児でありスーパースターの劇作家シェイクスピア(西川)に嫉妬するニックは、劇団運営に行き詰まり、妻ビー(瀬奈)の目を盗んで予言者ノストラダムス(橋本)のもとを訪ね、彼のお告げに従い世界初の歌って踊る「ミュージカル」を書こうと決意する。

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ノストラダムスの無茶苦茶なお告げを盲信する兄ニックに疑問を感じつつ、自分の感情に正直な作品を書きたいと願うナイジェルは、清教徒の娘ポーシャ(清水)と許されない恋に落ちる。

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 一方、『ロミオとジュリエット』が大ヒットしたシェイクスピアも「ロミジュリ」に負けない新作を作るべく思い悩んでいた。以前からナイジェルの才能に目をつけていたこともあり、彼から次作のアイデアを得ようと画策するシェイクスピア。「トービー・ベルチ」と名乗る少年に化け、ニックの劇団に潜入し、あの名作『ハムレット』のベースとなるアイデアをどんどん盗んでいくが……

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登場するキャラクターはいずれもどこか個性が強く、つい目で追ってしまう「愛らしさ」を振りまいていた。

いかなる時でも「芝居ファースト」のニック。シェイクスピアに猛烈に嫉妬し、どんな手を使ってでももっといい作品を作ろうとつっぱしる。どこかほおっておけない愛すべきキャラクターを中川がそれこそ熱く微笑ましく演じていた。

もう一人の「芝居ファースト」シェイクスピアを演じる西川は、カッコいい表の顔と、ちょっとずる賢い顔を上手く演じ分け、トービー・ベルチに化けている時は「これが西川か?」と思ってしまうくらいの別人振りに驚かされた。

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才能はあるものの、兄やシェイクスピアと比べれば個性薄めの普通人ナイジェルと、そんなナイジェルと恋に落ちるポーシャ。ポーシャのほうがどこか個性的で、現代でいう「おたく」度の濃さを感じさせる。平方と清水のコンビで恋に浮かれ踊る様はまるで空に浮かび上がるような軽やかさを見せていた。

すべてが芝居中心のニックを支える妻ビーも、かなり個性的な女性。当時の女性としてはかなりぶっとんでおり、そして非常に現代的ともいえる彼女が見せる様々な姿と心意気にいつしか共感を寄せてしまう。凛とした二枚目ヴィジュアルの瀬名が三の線の役を次々と演じる様がたまらない。

そしてノストラダムス。うさんくささの塊のような謎の男を橋本が演じると、うさんくささは倍増し、一方で吸い寄せられるような人間の魅力を感じさせる。占い師というキャラクターにピッタリだった。

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お笑いとミュージカルをこよなく愛する福田が本作を手掛けた事で、日本で人気を博す様々なミュージカルネタが台詞に歌、ダンス、芝居にこれでもか、と言わんばかりに盛り込まれていた本作。中には今回の出演者が関わったあの作品、この作品も……。さらには出演者が関わる番組やCMまでも遠慮なく、しかも自然な流れ(?)で取り入れられており、観る者、特にミュージカルファンを何度もニヤニヤさせていた。

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ゲネプロ終了後には、中川、西川、福田による囲み会見が行われた。中川は「1週間くらい舞台に立って稽古をしているが、昨日今日とドキドキやワクワクが止まらない。でも仲間と、福田さんの『絶対に大丈夫だよ、お客さんハッピーになるから』というマジックを終始感じる事が出来た」と胸を張る。

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西川はちらっと福田に目をやりつつ「直前までいろんなリクエストが多いもんですから」逆ダメ出し(笑)。というのも「夢の中に福田さんが出てきて『シェイクスピアの引用の台詞、7ページくらい増えるから』と言ってきたので、あまりにリアルでうなされて起き、台本を読んで『よかった!増えてない』って安心したんですから、昨夜」と本音を口にする。すると間髪入れずに福田は「この後台詞増やすから。今日のゲネプロを見て思うところがあって……」と言うと「嘘でしょ?最悪だ!」と落ちていく西川だった。

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その流れで福田からのリクエストで大変だった点は?と聴かれた西川は「わかるでしょ!皆、思いつく事あるでしょ!」とそのネタを暗に匂わせる。だが、うっかり福田が具体的に語ってしまったので、はぐらかすように中川が「タップもあったね」と話を変え、「タップをやるかどうかはグレーゾーンだったんですけど、稽古場に入る一週間前にね。僕たち頑張りました」と二人でうなずいていた。

中川と西川は本作で初共演だが、中川としては、「大先輩だし、TVで観ていた憧れの存在でもあるんです。ついこの間もFNS(歌謡祭)で『ミュージカル特集』が組まれるくらい、お茶の間にミュージカルが顔を出してきた。西川さんは割と初期のころからミュージカルもやっていましたよね?音楽とミュージカル、そしてエンターテインメント。ミュージカルを観たことある人もない人も、楽しんでもらえるような作品を今回志してますので、そんな作品で西川さんとタッグを組めている事に運命を感じています」と尊敬の念を示すと西川が思わず中川をハグしていた。

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ミュージカル『サムシング・ロッテン!』は1217日(月)~30(日)東京国際フォーラム ホールCにて、2019111日(金)~14日(月)大阪・オリックス劇場にて上演。

 

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