永作博美、蒔田彩珠ほか、河瀨直美監督の“役積み”について大いに語る! 映画『朝が来る』公開初日舞台挨拶

2020/10/24 06:00

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

映画『朝が来る』の公開初日舞台挨拶が10月23日(金)にTOHOシネマズ 六本木にて行われ、永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子、そして河瀨直美監督が登壇した。

 

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本作は、実の子を持てなかった栗原夫婦(永作、井浦)と、望まぬ妊娠をして、実の子を育てることができなかった14歳の少女・ひかり(蒔田)を繋ぐ「特別養子縁組」によって、新たに芽生える家族の美しい絆と胸を揺さぶる葛藤が描かれる。浅田は栗原夫婦とひかりを引き合わせる人物・浅見静恵役を浅田美代子が演じている。

 

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映画は、河瀨監督の手法である“役積み”(登場人物たちが実際に経験したであろうことを、役者にも実体験)によって製作された。永作は「(栗原夫婦が赤ちゃんを引き取るシーンについて、監督から)全て赤ちゃんの用具を自分たちで揃えてくれと。おくるみ、肌着、よだれ懸け、おむつ、ミルクなど全部、自分たちで(井浦と一緒に)用意して、現場(撮影地の広島)まで時間をかけて、持って行った」と具体的に説明。さらに、朝斗君(子役の佐藤令旺)とも「一緒に住んでいました。誕生会したり、ママ友やマンションに住んでいる友達と一緒に遊んだり・・・」と一緒に生活したことを明かす。

 

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奈良在住の中学生役で、撮影前は奈良で生活したという蒔田は「河瀨さんの母校・明日香中学で、(撮影の)2、3週間前から通い始めて、家族役の方たちと一緒に住んで、自転車ですごい坂を登って、5時間くらいの授業を受けて、友達と遊んで帰宅です」。

さらに、ひかりは妊娠するので当然彼氏がいる。蒔田は「告白のシーンまでは、(彼氏役とは)カメラの前ではじめましてっていう感じ。そこからデートで、監督から『二人で行ってきて』と言われ、二人で奈良を歩いて・・・。でも、後ろに誰かいるみたいな(笑)」と撮影シーンを明らかに。永作が「(彼氏を)好きになっちゃう?」とツッコむと、蒔田は「そうですね。好きになっていましたね」と告白した。

 

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そして、浅田は育てられなくなった赤ちゃんと子供を育てたいという家族を引き合わせる団体の代表役。浅田は「撮影の前にも、本当に産まざるをえない方に何人もお会いしましたし、縁組みで子供をもらった方に何人もお会いしました。講演のシーンでは全部理解していなければいけなかったので、受験勉強のようでした」と辛いシーンを振り返った。監督は「浅田さんのシーンは、ほぼ台本がなかった」ことを明らかにした。

講演のシーンには栗原夫婦も参加していて、井浦が質問したそう。永作は「監督から質問しろって指示が来るんです」、そして井浦は「(浅田が答えられるような質問をするほど余裕がなく)いっぱいいっぱいでした」と苦笑した。

 

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役積みを体験して、井浦は「覚えた台詞とは別に、その場で感じたことに重きを置いてくださるのはありがたいです」、蒔田は「4、5ヶ月という贅沢に役積みさせてもらえたのは、(役者人生で)大事な時間となったと思いました。感情移入の仕方が全然違うので、もっといいお芝居ができると思います」と充分な手応えを感じているようだった。

監督は、役積みをしようと思ったきっかけについて「『萌の朱雀(1997)』ですかね。奈良県の西吉野村で尾野真千子を見つけたとき。(当時は)全く演技力のない中学生だったけど、純撮りの時間の中で、(演技力が)宿ってくるのを見て取れた」ことを明らかにした。

 

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そして、最後に永作は「最初、朝が来ないと思っている人は、自分が思っているよりもたくさんいるんじゃないかという思いが強くなったんですけど、これを撮り終えて、試写をみたとき、間違いなく、皆に光が差し込んでくるのがはっきり分りました」と語り、監督は「皆さんの元で、ひとつの命が生まれる瞬間、『朝が来る』を待っていてくれた方がこんなにいるということを、そしてフィジカルに皆さんと同じ空気の中に存在していることが幸せです。こうして舞台挨拶をさせていただくことが、このあと俳優人生、監督人生に間違いなく力になっていくと思います」と締めくくった。

映画『朝が来る』は10月23日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中

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