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2022年5月6日 16:03

井之脇海主演『エレファント・ソング』フォトコール&初日会見開催!「濃密なひと言ひと言のキャッチボールにすべてがかかっている」

取材:撮影/RanRanEntertainment

PARCO PRODUCE 2022『エレファント・ソング』のフォトコール&初日会見が5月4日(水・祝)にPARCO劇場で行われ、井之脇海、寺脇康文、ほりすみこ、演出の宮田優子が出席した。

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左から)ほりすみこ 井之脇海 寺脇康文 宮田優子


本作は、突然失踪したローレンス医師、その謎を探るために彼が最後に診た患者マイケルとの対話を試みる病院長・グリーンバーグ。真偽の分からない会話や、象についての意味のない無駄話に拘る患者・マイケルと、彼の言葉に翻弄され続けるグリーンバーグ院長との診察室を舞台に繰り広げられる心理スリラーである。

2002年にカナダの作家ニコラス・ビヨンによって書かれモントリオールのインフィニシアターで朗読された。2003年から2010年にかけて舞台上演され、2014年には映画監督で俳優のサヴィエ・ドランが主演を務めて映画化もされた。

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フォトコールが行われたのは、本舞台の冒頭部分。
診察室に病院長グリンバーグ(寺脇康文)が入ってくる。しばらくしてピーターソン(ほりすみこ)が現れる。ローレンス医師が最後に診た患者マイケルについて、看護師のピーターソンは、「見くびらない方がいいですよ。弄ばれます。」とグリンバーグに忠告する。ほどなくして、マイケル(井之脇海)が診察室に連れてこられる。登場からただ者ではない様子。グリンバーグがローレンスのことを聞こうとするが、マイケルはなぜか象の話を持ち出してくる。「象は愛する家族を悼むことができる動物です。ダーウィンによれば象は涙を流す唯一の動物です。」グリンバーグはイライラして大きな声で「ドクターローレンスが行方不明なんです。」と話すと、被せるようにマイケルは象の話を続ける。

会話が続いたと思うと、また突拍子もない話を持ち出し、グリンバーグを翻弄するマイケル。ローレンス医師はどこにいるのか?なぜ失踪したのか?謎は深まるばかりである。冒頭シーンから様々な伏線が散りばめられているこの心理スリラーはいったいどこに向かうのか?

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フォトコールを終え、演出の宮田慶子も登壇し、井之脇、寺脇、ほりの4人で会見が行われた。
マイケルを演じる井之脇海は、「今まで映像の仕事が多く、舞台に立つ機会があまりなかったのですが、お芝居を追求する上で舞台に深く関わりたい、チャレンジしたいと思っていた時にこのお話をいただきました。しかも初主演で、三人芝居で、本当にお芝居と向き合える、僕が成長する過程においても絶対に必要な作品です。全力でぶつかっていきたいと思って、稽古を1ヶ月近くやってきて今日初日を迎えられることを嬉しく思います。昨日までドキドキしていたのですが、今日ここに来てみるとワクワクがすごく大きくて、マイケルとして精一杯生きていきたいなと思います。」と率直な気持ちを語った。

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病院長グリンバーグを演じる寺脇康文は「三人しか出ません。アクションシーンがあるわけでもなく、女優さんをバックハグすることもなく、キスシーンがあるわけでもない作品です(笑)。この作品を読んだ時にはほんとに面白くて「やりたい」と思ったのですが、稽古に入ってみると、もちろん面白いし、怖いし、深い作品であると感じています。我々が舞台上で嘘をつくとすぐにバレてしまうという恐ろしい作品に手を出してしまったとい気持ちでおります。日々皆さんに嘘のない気持ちを届けたいという思いで演出の宮田さんと共に作り上げてきました。これから壁にぶち当たるかもしれませんが、みんなで乗り越えてやっていきたいと思っています。」とコメント。

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看護師のミス・ピーターソン役のほりすみこは「小劇場でずっとお芝居をやっておりまして、このような作品に参加できてとても楽しんでおります。お二人ずっと出ずっぱりなので、そこに私が出たり入ったりしていろいろな話が展開していくお手伝いができたらなと思っています」と挨拶した。

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演出の宮田慶子は「三人だけの芝居で、精神科の先生の診療室という設定です。二人のシーンが長いですが、濃密な濃密な、ひと言ひと言のキャッチボールにすべてがかかっているようなお芝居です。ちょっと種明かしをすると最後には思いがけない展開が起こったりします。現代の中で、多くの人たちが心の中に抱いている悩みとかフラストレーションとかいろいろなものが徐々に解き明かされていくようにお話は進んでいきます。濃密な三人の芝居の中でその一つ一つの解き明かしを見ていただければと思います。」と話した。「稽古場、静かでしたね。誰もしゃべらないような、三人とも台本とにらめっこしているような状態でした。もちろん仲が良くて和気あいあいとしているのですが、それぞれが台本に書かれていないバックグラウンドをいっぱい抱えているので、それが面白いところで、それをどうやって自分の体の中に取り込んでいくのか、みなさん集中の時間を作って稽古に臨んでくださるそんな1ヶ月を過ごしました」と振り返った。

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三年ぶりに舞台出演となる井之脇は「稽古場では役のことを考える時間がたくさんありました。個人で考える時間にプラスして、マイケルについてみんなで考えてくださいました。

稽古場に行くたびに、皆さんがアドバイスをくださって、一人で抱え込まなくていいのだなと思わせてくれるカンパニーで、僕にとって幸せな稽古場でした。」と、主演で頑張らなくてはと思って入った稽古場だったが心境が変化していった様子を語った。「マイケルという青年は自分って何なのだろうということを探している青年だと思います。それを演じながら初主演でがむしゃらに頑張る中、僕自身が自分って何なのだろう?演じるって何なのだろう?とたくさん考えた1ヶ月でした。明確に答は出ていませんが、マイケルが抱えているものと自分の求めているものがリンクする瞬間があって、そういった瞬間をこの本番中にもっと見つけていけたらいいなと思います。」と本番への期待を寄せた。

寺脇もグリーンバーグという役を演じるにあたり、何度も壁にぶち当たって来たという。「今まで演じてきた役とは間違いなく違う形式です。地球ゴージャス、ミュージカルには面白い動きがありますが、今回は原点に戻って、気持ちが役者にとって大事ということを再確認させていただきました。この作品は、舞台ですがリアルな映像芝居でもあるような感覚でした。自分の中で、これだなと掴むまでに1ヶ月かかりました。まだ掴みきれていませんが、今日は初日ですからやるしかありません(笑)。お客さまと共有していきたいと思っています。」と、コメントからこの1ヶ月間の葛藤が垣間見れた。

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『エレファント・ソング』はパルコ劇場がリニューアルされてからの舞台として最小人数だと聞かされて、演出の宮田は「旧パルコ劇場では何回もやらせていただいていて、個人的には一番好きな劇場だったんです。お客さまに届いているという実感ができるすごくいい劇場でした」と、当時を振り返り、新パルコ劇場は、かつてのパルコ劇場の良さを残していて、更に素晴らしく使いやすくなったそうで、「ここでレジェンドの舞台があった、そこに新しい歴史の一ページに参加させていただけるのをほんとに嬉しく思います。」と話し、「そうですか。(三人は)最小ですか。ちょっと心配していましたが、みんなで濃密な空気を作ってそのことが吸引力をとなってお客さまの目を引き寄せていければと思っています。」と自信も覗かせた。

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PARCO PRODUCE 2022『エレファント・ソング』

日程:東京公演:2022年5月4日(水・祝)〜5月22日(日) PARCO劇場
愛知公演:2022年5月25日(水) 刈谷市総合文化センターアイリス 大ホール
大阪公演:2022年5月28日(土) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール

作:ニコラス・ビヨン
翻訳:吉原豊司
演出:宮田慶子
出演:井之脇海 寺脇康文 ほりすみこ
企画・製作 株式会社 パルコ
公式サイト https://stage.parco.jp/program/elephant/

 【あらすじ】
精神科医のドクター・ジェームス・ローレンスが失踪した。病院院長のグリーンバーグは、ローレンスが失踪前最後に診た患者マイケルに事情を聞くためにローレンスの診察室を訪れる。病院の看護師ピーターソンは言う「マイケルは普通とはちょっと違います。見くびらない方がいいですよ。弄ばれますよ」。マイケルは初めから普通ではなかった。まるで関係のない「象」についての話から始まり、つかみどころのない話でグリーンバーグを翻弄する。しかし、ローレンスが姿を消した事情は知っているらしく、その真実を教える取引を持ちかけてくる。
条件1、ミス・ピーターソンには、この件に一切介入させないこと。
条件2、自分の患者カルテを読まないこと。
条件3、真実を話したご褒美にチョコレートをくれること。
 そうして始まったマイケルとの対話。それはマイケルの仕掛けた巧妙なゲームだった。マイケルはローレンスの失踪の真実を知っているのか。度々脱線する象にまつわる話は何を意味するのか。ゲームには悲しく衝撃的な結末が用意されていた。

 

 

 

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