取材・撮影/RanRanEntertainment
寂れた元炭鉱町「筑沢町」にある理髪店の親子の葛藤を軸に、過疎化、少子高齢化、介護、結婚難など、どの地方も抱える深刻な問題に直面しながらも懸命に生きる人々の姿を描いた映画『向田理髪店』が10月7日から福岡+熊本先行公開、10月14日から全国公開される。奥田英朗の原作小説を映画化した本作は、現在の日本で忘れられてしまった家族の絆や人との繋がりの大切さを描いた心温まる物語。向田家の息子・和昌を演じた白洲迅に、撮影の思い出や“夢”への思いを聞いた。
――オファーを受けた時の心境を教えてください。
僕が演じる和昌の両親役を高橋克実さんと富田靖子さんが演じるとお伺いし、すぐにやらせていただきたいとお返事しました。その後に台本を読ませていただいて、素敵な家族愛の話でもあり、クスリと笑えるシーンも多く、田舎ならではの事件も起きて、観ていて飽きない作品だと感じました。ハラハラしたり、感動したりと、良い作品だなと思いました。
――高橋さんと富田さんとは初共演だそうですが、実際に共演されてみて、どんな印象を持ちましたか?
(高橋)克実さんは「明るいおっちゃん」というイメージを勝手に持っていたのですが、言葉数も多くなく、繊細な方という印象でした。今回の役柄のためにそうしていたのかもしれませんが、僕が想像していた印象と違ったので意外でした。もちろん、色々なお話もさせていただきましたが、本当に劇中に出てくる向田親子のように、父親と息子の微妙な距離感を保ちながら撮影に臨めたので良かったです。
富田さんも役と同様に、包み込んでくれるような優しさがあって、本当の母親のように何でも話をさせていただきました。父親に対しては微妙な距離感があるために話せないこともあるけれど、母親には何でも話せてしまうということはよくあるじゃないですか。僕も母親とはフランクに話せていますが、父親とはなんだか距離を感じてしまうことがあります。富田さんともそうした関係性が作れたと思うので、とてもありがたかったです。
それから、今回は物語の舞台が福岡なので、セリフも福岡の方言なのですが、福岡出身の富田さんにも撮影の合間に指導していただきました。そこから芝居や役者についてなどの深いお話もさせていただき、色々とお話しできて嬉しかったです。
――今、お話にも出ましたが、福岡弁でのセリフはいかがでしたか?
方言って素敵ですよね。その地方にしかない言葉や表現もありますし、それぞれ独特の響きがあって楽しいと思います。もちろん、そこに感情を乗せて話さなければいけないので、セリフとして話すのはすごく難しいのですが。ただ、今回の福岡弁は、イントネーションが標準語とそれほど変わらなかったので、僕としては関西弁よりも話しやすくはありました。
――今作の撮影は、福岡県大牟田市で行われたそうですが、街の印象は?
大牟田市は、炭鉱の街なんです。なので、炭鉱の街独特の雰囲気は感じられました。そうした歴史があったからか、すごく活気のある街で、当時の熱がまだじんわりと残っているような空気を感じました。もちろん、自然も豊かで美しかったです。
――劇中では、街の人たちが映画の撮影に協力して、映画が出来上がりますが、実際に今作の撮影でも街の方々との交流はあったのですか?
今回は、大牟田市の皆さんが全面協力してくださいました! たくさん出演していただきましたし、撮影現場に豚汁やもつ鍋やおにぎりを作って持ってきてくださったり、「あの作品観たよ」とお声かけていただいたり、とても温かく迎え入れていただいきました。平和で幸せな撮影現場でした。きっと監督もそうした街の人たちの温かさを映像にしたいと思っていたんだろうなというのを感じました。協力していただいた皆さんもしっかりと映像に映っていますよ。
――本作とリンクするようなシーンも多かったんですね。では、実際に演じてみて、白洲さんが一番印象に残っているシーンは?
やはりラストシーンはすごく心動かされました。ですが、ネタバレになってしまうので、詳しくお話しするのは避けます(笑)。
――地域振興に関する会議で、和昌が自分たちの想い宣言するシーンも、若者らしさが表れていて印象に残っています。
そうですね。あのシーンを演じてより和昌のことが理解できた気がします。ポンと仕事を辞めて地元に帰ってくるそのアクティブさが、ああした場でも熱量高く「俺はこれがやりたいんや」と言うことに繋がる。ある種のバイタリティに溢れているところが、和昌の良いところでもあり、悪いところでもあるのかなと感じました。
――和昌に共感できるところは多かったですか?
ものすごく多かったです。和昌は27歳という設定ですが、やっぱりそれくらいの年齢の時は色々なことに悩みがちだと思います。ある程度、経験を積んできて、少し余裕が出てきて、「俺ってこのままでいいのかな」と考えるのがその年代だと思うんです。和昌もまさにそうだったんだと思います。僕もやっぱり20代後半は苦しい時期で、色々と悩んで、葛藤していたので、和昌の思いはよく分かります。その頃、先輩方は皆さん「30代は、楽しいぞ」とおっしゃっていたんですが、僕もまだ30歳になる前ですけど、かなり楽になってきて、何事も面白がれるようになってきたという手応えを感じられるようになってきました。なので、その時期はきっと多かれ少なかれ、みんなが悩む時期なのかなと思います。和昌はある意味、若者代表のキャラクターなのかなと感じました。
後編に続く。
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