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2023年3月13日 15:40

ウエンツ瑛士「時代は違っても、起きている事柄やその時に思うことは現代にも通じるものがある」 ミュージカル『太平洋序曲』開幕直前会見

取材/RanRanEntertainment

ミュージカル『太平洋序曲』の開幕直前会見が3月7日(火)に日生劇場で行われ、海宝直人、廣瀬友佑、ウエンツ瑛士、立石俊樹、脚本のジョン・ワイドマンが登壇した。

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左から) ジョン・ワイドマン 廣瀬友佑 海宝直人 ウエンツ瑛士 立石俊樹


本作は、梅田芸術劇場と英国メニエールチョコレートファクトリー劇場が共同制作したミュージカル。江戸時代末期、日本が鎖国を解き、開国し、西洋化へ向かう激動の過程を、スティーヴン・ソンドハイムの音楽と、マシュー・ホワイトの演出で描き出す。

物語全体を俯瞰しながら進行する狂言回し役を山本耕史と松下優也、ペリーとの交渉に臨んだことから次第に西洋文化に傾倒していく香山弥左衛門役を海宝と廣瀬、流れ着いた米国から帰国し武士道に目覚めるジョン万次郎役をウエンツと立石がそれぞれダブルキャストで演じる。

海宝は「新しい『太平洋序曲』を作ってきたので、ようやくお届けできることにワクワクしていますし、楽しんでいただけたらと思います」と挨拶。自身が演じる香山という役どころについては、「日本が歩んできた動乱の時代をまさに象徴している人物だと感じています。とてもニュートラルで、普通の人間として描かれていると(演出の)マシューさんもお話されていたので、お客さまが感情移入できるキャラクターにすることを大事に作ってきました」と語った。

一方、廣瀬は「いよいよ始まるんだなというワクワクとドキドキ、色々な感情が渦巻いていますが、劇場に足を運んでくださるお客さまのために誠実に向き合って、日々舞台に立ちたいと思います」と意気込み、「海宝くんが言ったように、香山はこの物語におけるお客さまが感情移入しやすいポジションを任されていると思っているので、そこを大切に演じていきます。ダブルキャストで日替わりで(役者が)変わっていくというのも舞台の醍醐味です。日々、舞台上で対峙する役者との間に生まれるやりとりを一番大切に演じたいなと思っています」と思いを話した。

また、ウエンツは「明治時代や江戸時代の物語なので、時代は違いますが、起きている事柄やその時に思うことは現代にも通じるものがあります。この時代にこの作品を観ることでヒントになるものもあると改めて感じておりますので、ぜひ楽しみにしていて欲しいなと思います」とコメント。ジョン万次郎役については、「史実に基づいている部分と、狂言回しが作っている部分のバランスが非常に難しかったです。国外に出たり国外から帰ってくることが死罪になる状況で、彼はすごく恐れられた存在だったのか。それとも日本色が残っている人物なのか。帰国子女の人のちょっとした発言や所作で感じる違和感はどこまであったほうがいいのか、演じる上での幅が広かったので、どこをピックアップするのか難しかったですし、最後の通し稽古で180度違うと言われたくらい迷いながら演じてきました。チャレンジしながら、全く違う側面を見せるということをやっていました」と演じる上での難しさにも言及した。

立石は「1ヶ月半の稽古を経て、“いよいよ開幕”という気持ちです。積み重ねてきたことを信じて、最後までブラッシュアップを重ねて本番を迎えたいと思います」と力を込めた。演じる上では「役割を掴むまでにすごく時間がかかりました。史実に基づいて謙虚なところやエネルギッシュなところ、人懐っこいところを前面に出せるよう心がけて作ってきました」と話した。

そして、本作の上演のために来日したというワイドマンは「昨日、稽古の様子を少し見てとても素晴らしかったです。なので、この後、どういうふうに仕上がっていくのかとても楽しみにしています」と開幕を喜びながらも、「私の唯一残念に思っていることは、スティーヴン・ソンドハイムさんが一緒に来られなかったことです。スティーヴンさんは、『あなたの作品の中で一番お気に入りはなんですか?』と尋ねられることが多いのですが、『一つではなくて、それぞれ違う理由でそれぞれの作品が好きなんだ』と答えていたそうです。ですが、『では、今まで書いた曲の中で一番のお気に入りはなんですか?』と聞かれると、いつも答えるのはこの『太平洋序曲』の中の一曲でした」とエピソードを明かした。ちなみに、ワイドマンは、「もし、スティーヴンが本作の中でお気に入りをひとつ挙げるとしたら?」という質問に対し、『Someone in Tree』であるとも語っていた。

ミュージカル『太平洋序曲』は、3月29日(水)まで東京・日生劇場、4月8日(土)~16日(日)に梅田芸術劇場メインホールで上演。

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