映画『ブルーピリオド』の初日舞台挨拶が8月9日(金)に丸の内ピカデリーで行われ、主演の眞栄田郷敦、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひより、そして萩原健太郎監督が登壇。熱い想いが詰まった本作の製作秘話や、公開を迎えた心境をたっぷりと語った。さらにイベント後半には、作中で眞栄田演じる主人公・八虎の母親役を務めた石田ひかりと父親役のやす(ずん)が、サプライズで登場した。
眞栄田は鮮やかなブルーのスーツに身を包み「こんなにたくさんの方々に来ていただいて嬉しいです」と緊張しながらも満席の会場を見渡し公開初日を喜んだ。前日は全く眠れなかったという眞栄田に対し、高橋、板垣、桜田は「爆睡でした!」と勢いよく即答し笑い が起こるが、萩原監督は眞栄田と同じく「あまり眠れず4時に起きました(笑)」と公開初日にかなり緊張している様子だった。
一足早く作品を観た観客から、感動した、泣いたと声が上がる本作だが、作中の特に熱かったシーン、これは刺さったと思うセリフを問われたキャスト陣。眞栄田は「お母さんとかお父さんとか、家族のシーンは特に刺さるなと思いました」と、受験に向かう高校生の親御さんの気持ちや本人の気持ちは演じていても刺さったと感慨深げ。
高橋は、自身が演じたユカちゃん(鮎川龍二)が八虎に放つ「悔しいと思うならまだ戦えるね」というセリフをあげ、「ユカちゃんがこの言葉を言えるほど強い人、愛を持っている人なんだなと理解できた」と語り、さらに「八虎にもう一つギアをかけれたんじゃないかな」と、そのセリフが八虎の背中を押す言葉にもなったと話す。それに対し眞栄田も「あそこのシーンは、キャラクター同士だけでなく、役者同時でもグッと距離が縮まったシーン」と高橋との距 離も縮まったシーンだったと撮影中のエピソードを語った。
八虎の最大のライバルである高橋世田介を演じた板垣は、「世田介は八虎に対して言葉が強いんですけど、その中でもツンツンツンツンデレツンの「デレ」に命をかけていました」と、世田介の可愛らしい部分を熱く演じたと、こだわりのエピソードに観客からも笑いが起こった。
桜田は、「学校から予備校にパートが変わった瞬間に(作中の)空気感がガラッとかわった」と話し、さらに、「一人ひとりが持っている熱さにより一層引き込まれた」と作品の中での熱いポイントを披露した。
キャスト一同で撮影を振り返り、眞栄田は、「それぞれの役がそれぞれじゃないと出来なかった。八虎としても役者としても皆さんに引っ張ってもらって、本当にこのメンバーでよかった」と共演者への感謝を述べた。
ここで、サプライズゲストとして石田ひかりが登場。石田から花束を渡された眞栄田は「泣きそうでした」と喜びを滲ませ、ウルッときている様子だった。石田は、「夢を追う若者の情熱や苦悩、それを支える大人たちのかっこいい物語が、監督、皆さんのお陰で出来上がりその一員になれたことを嬉しく思います」と感謝。さらに、劇中八虎が『本当に絵が好きなんだ』と石田演じる母に伝えるシーンは今でも思い出すと話し、「八虎演じた眞栄田の必死な目が忘れられない」と、眞栄田との撮影エピソードも語った。眞栄田も「ぶつかるシーンもわりと激しめにぶつかりましたし、自分の母と重なる場面もありました。合格発表後に電話するシーンでお母さんの声が今でも思い出すと泣きそうになるぐらい優しくて、すごく素敵な両親だった」と、感謝の気持ちを伝えた。
母と息子のエピソードに浸る中、MCから、もしかしたらお父さんも見に来てくれてるかも!?と声が上がると、石田は「それはないです!(笑)」と即答。すると、「ちょっとちょっと~」と客席から声があがり、父親役を演じたやす(ずん)も客席からサプライズで登場した。実はイベントの最初から客席に座っていたやすに気付いていたという眞栄田。眞栄田は「(やすさんの姿を見たら)全部言うこと飛んじゃって。僕の調子が狂っていたのは、やすさんのせいです(笑)」と、プチ家族喧嘩が勃発した。やすは「息子がお世話になっております。ちょっとしか出ていないんですけれども、映画をたくさん観ていただきたい」との言葉に、客席からは大きな拍手が送られた。
イベント最後、主演の眞栄田より「この映画は一つのことを一生懸命向き合ってきた人であれば、誰にでも刺さる映画だと思っています。観ていただいて、好きなことに向き合うやりがい、苦しみ、そういったことを感じてもらいたいです。公開までたくさん宣伝をさせていただきまして、素晴らしいキャスト・スタッフと全身全霊でやってきました。本当にヒットしてほしいので、皆さまぜひよろしくお願いします…!」と熱いメッセージが贈られ、イベントは終了した。