後段左から:曽利文彦監督、藤岡真威人、上杉柊平、河合優実、松岡広大、佳久創
中段左から:栗山千明、鈴木 仁、板垣李光人、水上恒司、黒木 華、磯村勇斗
前段左から:渡邊圭祐、寺島しのぶ、役所広司、内野聖陽、土屋太鳳
映画『八犬伝』のジャパンプレミアが10月3日(木)に行われ、主演の役所広司を始め総勢17名のキャスト・監督が一堂に会し、レッドカーペットイベントと舞台挨拶に登壇した。本作は、里見家の呪いを解くため、八つの珠に引き寄せられた八人の剣士たちの運命を描いた滝沢馬琴の名作「南総里見八犬伝」=【虚】の世界と、物語を生み出した馬琴の感動の実話【実】の2つのパートが交錯する。
レッドカーペットイベントでは、主人公の滝沢馬琴を演じた役所広司が「撮影してからもう2年近くたちますが、その間、監督が仕上げ作業を丁寧にやってくれました、すばらしい映像ができています。ぜひ大きなスクリーンと大音響で観てください」と大勢の観客に呼びかけた。
馬琴の友人にして人気絵師の葛飾北斎を演じた内野聖陽も「『八犬伝』を書いた滝沢馬琴さんが、実は北斎の絵に影響を受けていたという話は、私もまったく知らなかったんですが、今回、馬琴さんに対してちょっぴり意地悪をするような、おもしろい北斎を演じていますので、公開したらぜひ楽しみにしてください」とコメント。そして、里見家にかけられた呪いを解こうと奮闘する伏姫役の土屋太鳳は「時代を超えて愛された『八犬伝』の物語と、最新の技術とのマリアージュによって生まれたこの刺激的な作品が、おそらく馬琴さん、北斎さんが通ったであろう日本橋で、世界の未来へ届くのかなと思うと胸がいっぱいです。江戸時代から変わらない同じ空の下で、こうして皆さんと一緒にいられることを本当に幸せに思っております」と付け加えた。
続いて、TOHOシネマズ 日本橋に会場を移して映画上映後に舞台挨拶を実施。八犬士のリーダー・犬塚信乃を演じた渡邊圭祐は「僕らは【虚】のパート。すごくVFXが多い中で撮影をしていて、ようやく皆さんにお届けできたという喜びに浸りたいと思います」と安堵の表情。八犬士・犬坂毛野役の板垣李光人は「これだけのキャストの方がこの世界をどうつくられていくのかがすごく楽しみでしたし、やはりVFXが多かったので、演じている我々も分からない部分が多かった。新感覚のエンターテインメントを観たなという感じです。この作品が広く世界にまで届けられたら」と晴れやかな表情を浮かべた。そして八犬士・犬飼現八役の水上恒司も「私事で恐縮ですが、水上恒司になってから初めての作品がこの作品でした。その作品が世に放たれていくということがすごくうれしいですし、この錚々たるメンバーの中でご一緒することができたことをとてもうれしく思っております」と続けた。
馬琴の妻・お百を演じた寺島しのぶは「私は、【実】のパートでお百という、(夫・馬琴に)がなっている役だったんですが、役所さん、内野くん、(馬琴の息子 宗伯役の)磯村勇斗くん、(宗伯の妻役の)黒木 華さんと、とてもコンパクトな人数で、とても凝縮した時間を過ごすことができました。お百は参考文献がなくて、“悪妻と呼ばれた女”という1行しか残っていなかった。だから想像力をふくらませて、どなってるだけでもつまらないし、こうなったのも理由があるのではないかと。常に自問自答しながら取り組みました。この作品が心に残りましたら宣伝をお願いします」と語った。
そして最後に、曽利監督が「『八犬伝』は子どもの頃から大好き。この世界に入ってからもなんとか映画にできないかなとずっと考えていたんですが、なかなか映画化に進まなくて。そういった時に山田風太郎先生の『八犬伝』という小説を読んで、これがパッと光が差した感じで、もうビビッときました。【虚】と【実】という本当に粋な演出が原作にもありまして。これをなんとか描けないかなというのが次の目的になって、このたび映画として実現しました。まさにこれだけのキャストに演じていただいて、監督冥利に尽きるというか。もうこんなことはないんじゃないかと思うくらいの財産になりました」と晴れやかに締めくくった。
映画『八犬伝』
10月25日(金)全国ロードショー
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