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2024年12月28日 18:28

のん、文豪コールで「一気!一気!」と盛り上げる! 映画『私にふさわしいホテル』公開記念舞台挨拶

映画『私にふさわしいホテル』の公開記念舞台挨拶が12月28日(土) に新宿ピカデリーにて行われ、主演・のん、共演の田中圭、滝藤賢一、若村麻由美、そして堤幸彦監督が登壇した。

新人賞を受賞したにもかかわらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・中島加代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)の酷評であった。文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、いつかこのホテルにふさわしい作家になりたいと夢見る加代子は、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)の力を借り、己の実力と奇想天外な作戦で、権威としがらみだらけの文学界をのし上がっていく――。ズタボロになっても何度でも立ち上がり、成功を己の力で引き寄せていく加代子の奮闘っぷりに、驚いて、笑えて、スカッと元気をもらえる“痛快逆転サクセスストーリー”。

加代子を演じたのんは「すごく楽しかったです。普段言えないような暴言を吐いたり、啖呵を切ったり、面白いシーンがいっぱいあった。東十条先生と首を絞め合ったり、遠藤先輩とのシーンもハラハラして楽しかった。若村さん(東十条先生の妻)と東十条先生との家族のシーンがすごくお気に入りです」と誇らしげに語った。

悪い女を演じ「難しい役だなとは思いました。小説にかける情熱だけはすごく純粋で、それ以外はどう思われてもいいっていう人かなと思って、そこの純粋さに気をつけ、それ以外は純粋さの欠片もないというイメージ」と役作りについてコメントした。

遠藤を演じた田中は「加代子の敵か味方か? そして何を考えてるのかちょっと分からないミステリアスさとか、あとは自分で思い通りになると思っているのかみたいな策士的なところとか・・・。でも、ミステリアスとくれば僕も常日頃からミステリアスと言われてますので、自然体でやればよかった」と笑わせた。

堤監督は田中との共演について「(田中とは)久しぶりにお会いしまして、(遠藤の相方を務める)女性のオーディションから参加してもらった。最初は遠藤役で田中さんに普通にやってもらい、(応募者が)何10人もいる中、毎回同じことをやって飽きてしまって、『次は渡部篤郎でやってみようか』といろんな人をオーダーすると、全部その通り応えてくれる。そこから正確無比の芝居をする男という認識をしてました」と裏話を持ち出して田中を称賛。田中は「なんで僕がオーディションで相手の役をやるんですかね。監督含め俺のものまねでみんなケラケラ笑っているから、大丈夫なのかなと思っていました」と今更ながら呆れていた。

東三条を演じた滝藤は「着物がとっても良かったです。ああやって日々を過ごしていけたらとても素敵だなと思いました。そういう人生もいいかなって思います」とコメント。役作りについて問われ「僕が作ったというよりは、ここにいらっしゃる皆さんに東十条にさせていただいた。僕がやっていいのかなって思うような役だったので、とても助かりました」と謙虚に答えていた。

「東三条の純粋さに惹かれ、愛し合って結婚。ずっと彼を支えてきた良妻賢母を演じた」という若村は、のんが“楽しかった”と言う東十条家に乗り込んでくる加代子とのシーンについて「すごく楽しかったです。私に隠した二人の攻防があって、そこに私が『お鍋とワイン、どう?』って入っていくと堪忍袋の尾が切れて爆発するシーン。これにはたくさんエピソードがあります!」と切り出し、「まず東十条さんのカツラは誰かを彷彿とさせる。のんさんの着物の似合うこと。あの白い着物を着て来て、ハッとしました。思わず『綺麗!』って言うぐらい着物が似合っていました」と述懐。

若村から振られたのんは「お着物は500万の設定が、実際は800万円。それでお鍋食べなきゃいけなかったんです。(汚さないか心配で)すごい怖かったです。一度醤油がこっちに倒れてきたことがあって危機一髪で回避しました」と危ないシーンを述懐。あらためて、若村は「私は、秋のたった1日の撮影だったので、自分の中では夢を見ていたのかなと思えるような楽しい撮影でした」と振り返った。

イベント終盤には、劇中でも披露された“文豪コール”を、のんがシャンパンを手に再現。「逍遥 四迷(しめい)に 鴎外 露伴 国木田 荷風に 漱石 藤村 花袋 白秋 潤一郎 ~~~五木(いつき)! 五木! 五木! 五木! 一気(いっき)! 一気! 一気! 一気!」と名だたる文豪たちの名前を次々と連呼。最後は「一気!」と締め会場を盛り上げた。

堤監督は「一気に居酒屋になりましたね」。のんは「セリフを覚える時は大変でしたが、今は染みついています」と笑顔。堤監督によると、このコールは撮影前日に5分ほどで考えたそうで、「大学受験の時はまったく勉強してなかったんです。だからどうやったら勉強できるかということで、文学史の年表には、二葉亭四迷とか、坪内逍遥とか、大作家の名前が黒ゴシックで書いてあって。高校2年の夏休みに、本屋で文庫本を一気に買ったんです。それで読み出したら楽しくなっちゃって、読み終えたんですが、その人たちを羅列したということです」と “文豪コール”の生まれた経緯を明かした。

そして、最後には観客に向け、若村「のんさんの魅力が爆発。パワーあふれる女の子がどんな風に文豪をギャフンと言わせて自分の夢をかなえていくのか。本当に楽しくて温かい映画です」、滝藤「年が明けたら、お友だちを誘って、初笑いをしてもらえたら」、田中「笑って楽しめて、勇気をもらえる作品なので、初詣の後にピッタリな映画」と本作をアピール。

のんも「登場人物がひとりひとり面白くて。きっとこの映画のキャラクターの中に推しが見つけられると思うので。ぜひ推しを見つけていただけたら。そして日々溜め込むことや、モヤモヤすることがあっても、加代子が代わりに吹き飛ばしてくれると思うので、ストレス解消にぜひ来てください」と勧誘メッセージ。堤監督は「もし気に入っていただけたのなら、ぜひ山の上ホテルに行ってください。今は工事用のガードで囲まれていますが、明治大学さんが購入して保存されることとなったので、本当にうれしいかぎりです。楽しい映画になったので、笑っていただけたら」とアピール、イベントを締めくくった。

映画『私にふさわしいホテル』 絶賛公開中
配給:日活/KDDI   ©2012柚木麻子/新潮社 ©2024「私にふさわしいホテル」製作委員会

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