
映画『知らないカノジョ』の完成披露試写会が1月22日(水) に都内で行われ、主演の中島健人、共演のmilet、桐谷健太、風吹ジュン、そして三木孝浩監督が登壇した。
大学時代に出会い、お互い一目惚れして結婚した<リク(中島)>と<ミナミ(milet)>。小説家を目指していたリクは、歌手の夢を諦めたミナミのサポートのかいもあり、一気に人気のベストセラー作家に。ある朝目を覚ますとミナミの姿はなく、人気作家だったはずの自分は文芸誌の一編集部員になっており、街には天才シンガーソングライターとして活躍する、自分とは知り合ってもいない“前園ミナミ”の姿と曲が溢れていた――。
中島は「劇場・映画人生の中で、こんなに愛で笑い、愛で泣いたことは初めてだと思います。『知らないカノジョ』から溢れる、誰かを思うことの大切さを、皆さんにお届けしたいです」と胸を張る。
miletは「初めての映画の挑戦になりました。その映画がこんなに愛が溢れて、そして中島健人さんや皆さんに囲まれて、とても温かいスタートを切ることができ、とても嬉しく思います。皆さんも観ていただいて、胸が温かくなるんだろうなと思って心を込めて作りました。受け取っていただけると嬉しいです」と満足そうに呼びかけた。
二木監督との映画作りに、中島は「念願の二木組に入ることができました。10年来ずっと憧れで、二木さんに自分のナチュラルな部分を引き出していただきたいと思っていたので、今回機会をいただけて、とても幸せでした」と撮影を振り返った。
三木監督は「初めてご一緒するんだから、ファンの皆さんも知らない健人君の姿を出したいなと思って、パーフェクトアイドルという部分もあるんですけど、素の中島健人ってこんなにキュートなんだというのをこの映画でたっぷり撮れていると思うので、そこを観ていただきたい」と中島健人の魅力タップリの本作をアピールした。
中島は「自分のナチュラルな部分、赤裸々の部分を取られているので、正直見られるのが恥ずかしいです。それぐらい自分のありのままをしっかりと表現、自分の中では見たことのない自分にたどり着けた気がするし、それが自分の姿なのかもしれない。それを二木さんに引き出してもらえたのはすごく嬉しかったですし、監督が描いた2時間の中で人間として成長できたんじゃないかなと思います」と二木監督に感謝していた。
ヒロインを演じたmiletは、オファーを受けたとき「主題歌のお話かなと思ったら、出演依頼だったので、こんなことがあるんだって・・・。最初は不安な気持ちもあったんですけど、三木さんの大きな船に乗りたい! 乗ったら心配いらない!と思った。一歩踏み出す勇気を三木監督がかけてくださったので、怖いモノはないと思って、クランクインの 1年前ぐらいから演技のレッスンを受けていました」と述懐。さらに「こんな経験できると思ってなかったので、歌手として、人生のもしもの世界は、私にとってはこっちかなと思いました。新しいmletを見ていただければとも思いましたし、私も新しい人生を、ミナミを通して見つけることができ、今までにない経験をさせていただけたと思います」と改めて三木監督に感謝した。
中島はmiletとの撮影シーンについて、「初日にmiletさんとアドリブのお芝居をするという場面があって、セリフもないし、2人でただ感じるままに楽しそうに会話してみてという(三木監督からの)ミッションに、うまくいくのかなと思っんですけど、お互いに音楽もやってるので、上手い具合に打ち合わせもなく、いい感じにアンサンブルができた」と話し、miletも「セリフを言うのが不安で仕方なかったので、アドリブだけで演じられるシーンがあったことで、お互いの波の高さが揃えられた。初日、2日目の撮影日であったことですごい救われました」と初日のシーンを振り返った。
また、miletは、本作の主題歌と劇中歌も担当しており「miletとしての曲というよりもミナミとしての曲を作りたいなと思ったので、ミナミと一緒に曲を作っているような気持ちでした。一人だったら作れなかった。感情の波とか、言葉っていうものをミナミが引き出していってくれたと思います。なので、一人で作るよりももっと大切な曲になったし、いろんな方にとっての大切な曲にもなっていけるんじゃないかなと思いました」と楽曲への想いも語った。
中島は「何度聞いても、涙腺を揺るがされる。今までのmiletさんの曲も素晴らしいんですけど、今回の主題歌『I still』はミナミというフィルターを通して制作をされているので、イノセント(純粋)で違った形で耳に入ってくる。本当に心地いい涙腺を緩ませる部分に音色が差してくるので、何度も撮影中に心を揺らされ、涙した記憶があります」と大絶賛した。
二木監督は、リハーサル中での“最後のライブシーンで、ミナミが出てきて歌うところをリクが目撃するシーン”での出来事を明かす。「ミナミが登場したら、リク(中島)がウルウルして、(今までの)撮影が走馬燈のように感情が溢れちゃった」と中島の涙が止まらなかったことを明かした。中島は「僕があまりにも感情移入しすぎたせいで、ミナミを見るだけで泣いてしまう状態になってしまって、三木監督が僕のところに駆け寄ってきて『(一旦)帰ろうか』と。そのあと、仕上がった状態で気持ちを作って本番に臨めました。涙の調節が大変なぐらい歌の力によって、僕は涙を引き出されてしまった。それはとても印象的でした」としんみり話した。
リクの親友で先輩の梶原恵介を演じた桐谷は、映画のオファーが来て「最初の方、大学生らしいぜ。大学生!もしもというより、まさかと思いました。三木さんの心意気といいますか、蓋を開けたら4浪している大学生ということで、大学8年生ですよ。堂々と大学生をやらしていただきました。また一緒にキャンパス歩きましょう」と笑わせた。
イベント最後には、中島が「僕自身、映画人生の中で10本目の出演作品となります。二木監督の作品にご一緒でき、夢を叶えることができて本当に嬉しいです。普段気づけない大切な何かに気づける、そういう愛情あふれた作品になっております。皆さんに、愛情とは何なのか?をしっかりとお届けできる作品になっていると思いますので、皆さんの心の奥底に届きますように!ぜひとも愛してください」と呼びかけて、イベントを締めくくった。
映画『知らないカノジョ』 2月28日(金) 全国ロードショー
配給:ギャガ ©2025『知らないカノジョ』製作委員会