トップ > PICK UP > 吉永小百合 124本目の挑戦は登山家・田部井淳子がモデル!「田部井さんのピアスをして挑みました!」 映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

2025年5月14日 09:52

吉永小百合 124本目の挑戦は登山家・田部井淳子がモデル!「田部井さんのピアスをして挑みました!」 映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

日本を代表する偉大な女性登山家・田部井淳子による世界初女性エベレスト登頂50周年、そして吉永小百合の124本目の挑戦となる映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』の完成報告会見が5月13日(火)に都内で行われ、主演の吉永小百合、共演の佐藤浩市、天海祐希、阪本順治監督、さらには当日解禁となった追加キャストとして、のん、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加、茅島みずきの9名が登壇した。

本作は、昨年の8月18日にクランクインし、静岡、富山、福島などでの登山ロケを敢行、今年4月30日に完成した。 “女性だけで海外遠征を”を合言葉に女子登攀クラブを設立し、1975年にエベレスト日本女子登山隊の副隊長兼登攀隊長として、世界最高峰のエベレストの女性世界初登頂に成功した田部井淳子。彼女の実話をもとに、エベレスト女性初登頂から、晩年の闘病、余命宣告を受けながらも亡くなる直前まで山に登り続けたその勇壮な生涯が壮大なスケールで描かれる。

多部純子役の吉永は「本当に過酷な撮影だったのですが、本物の田部井淳子さんがてっぺんの向こうから『よくやったね、頑張ったね』って私たちに言ってくださっているような気がします」とホッとした様子で挨拶した。また、124本目の映画出演作となった本作で初の登山家役に挑み「田部井淳子さんには2012年に私のラジオの番組で初めてお会いして、なんて素敵な方なんだろうと、ファンになりました。こういう形で私が演じることになって、すごく幸せでした」と万感の想いを語った。

登山家、そして母として頑張る妻純子を支える夫・多部正明役の佐藤は「この世界に入って45年。『吉永さんの相手役をやらしてもらうんです』と言ったら、当時の映画人では鼻で笑われるか、怒鳴られるかのどちらかだったでしょうね。長くやっていると、こういうことがあるんだなと信じられない思いです。でも、撮影に入る直前、吉永さんに、『撮影期間中は、お母さん、お父さんと呼ばせてください』と言ったら快く受け入れてくださって、それがすごく心の支えで。支えているようで支えられている、映画の外でもそんな関係性ができればいいなと思っていました」と撮影を振り返った。

純子の盟友であり、エベレスト登頂の相棒でもある天海は、吉永とは『最高の人生の見つけ方』以来の共演となる。「(純子と悦子がお互い)支え合い、お互いの存在に励まされていた関係だったのでは、と思いますし、おこがましいけれど、小百合さんとの関係もそうだと思います。素直にまっすぐに悦子さん役に入れたと思います。(純子は)すごくバイタリティがあって、力強くひたむきで、吉永さんにぴったりな役でした。そばで見つめ続けることができて幸せでした」と想いを語った。

純子と正明の青年期をそれぞれ演じたのは、のんと工藤。のんは「素敵な役をいただけて嬉しくて興奮していました。撮影に入る前に、吉永さんの出演作をたくさん拝見しましたが、吉永さんの瞳の力に魅了されました。どうにか1%くらいその瞳パワーを表現できないかと研究しました」と語り、瞳パワーを表現するために意識していたことは?との質問には「スマホのゲームをやめたり、ブルーライトカットの眼鏡をかけたり、目を守る行動をとりました」と語り、会場からは笑いが起きた。

工藤は「このお話をいただいたとき、嬉しくて飛び跳ねました。吉永さんをはじめ、素敵な先輩方、そして阪本監督のもと、この作品に携われたことは、僕の役者人生にとっても大きなものになりました。クランクイン前に佐藤浩市さんともお話して、ちょっとした演技のポイントも伺いました。佐藤さん演じる正明さんにどうすれば近づけるか、と毎日毎日想像していた」ことを明かした。

多部家の長女で母を陰ながら支え、応援する多部教恵(のりえ)役を演じた木村は「緊張して現場に入ったら両親がすごくかわいくて。この両親を見て育ったら娘もそうなるよねというくらいチャーミング。将来、私もこんな夫婦になりたいと思ったくらいかわいい夫婦でした。夫婦役のお二方とご一緒した時間は短いですが、本当の家族になれたような気がします」と共演者への想いを語った。

多部家の長男であり、時に両親に反発をするもやがて母の意思を継ぎ、登山を通じて家族の絆を取り戻す多部真太郎役を演じた若葉は「富士山に登ったりと、過酷な撮影だったんですけど、怪我一つなく、ここまでたどり着けることを嬉しく思っています。そして、吉永さん、佐藤さんの息子役をやらせていただけるのはすごく光栄なこと。吉永さんと正面切って演じるのはとてつもない緊張感と恐怖に向き合わなければいけませんでしたが、現場で浩市さんから軽やかに『よろしくな』と声をかけてくれて安心しました」と、以前にも共演経験がある佐藤の言葉に救われたエピソードを明かした。

天海演じる北山悦子の青年期を演じた茅島は、実在する人物をモデルとした演技に挑戦したことに「自分が生まれていない時代の話なので、見たことがないものがたくさんあって。登山の経験もないので、やったことがないこと、見たことがないものをどう演技に落とし込めばいいのか、という苦労がありました」と苦労をのぞかせつつ、「北山さんの人柄がすごく素敵で。彼女の田部井さんへの思いを一番に意識して演じました」と自身が役に込めた想いを語った。

阪本監督は「吉永さんとは二度目の仕事で、本当に光栄です。私自身、山に登ったことがなくて、以前に富士山にチャレンジして途中で断念するというしんどい準備期間でしたが、撮影時にはちゃんと頂点に立てて撮影を敢行することができました」と万感の想い。そして「田部井淳子さんの寛容さに支えられてできた映画です。人の人生を2時間にまとめるのは不可能です。淳子さんの信念はぶれないようにしながら、ご家族が『託します』と仰ってくださったのが心の支えでした」と撮影時の心境を語りつつ、とっておきの秘密を暴露。「吉永さんは田部井さんと同じピアスを同じ位置に開けたんです。これ記事になるでしょう?これ言わなければと思って」と会場の笑いを誘い、吉永は「今日もつけてきました。本物の田部井さんのピアスです「ただ大変だったのは、一ヶ月泳いではいけないということ。泳がないというのは私にとってとても辛いことでした。とにかく、今回の役に没頭するために開けましたが、今とっても解放されたような気持ちになっています」」と満面の笑顔でピアスを披露した。

最後に吉永は「今こうしてみんなで集まって、撮影の時を懐かしく思い出しています。これからみんなで力を合わせて、皆さんに観ていただけるように10月31日の公開まで頑張りますので、応援よろしくお願いします」、阪本監督は「よく僕が言っていることですが、僕らが映画の生みの親だとしたら、観客の皆さんは育ての親。映画館はゆりかごのようなものです。是非映画館で、本作を観ていただきたいです」とアピールした。

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』 10月31日(金)全国公開
配給:キノフィルムズ  ©2025「てっぺんの向こうにあなたがいる」製作委員会

トップ > PICK UP > 吉永小百合 124本目の挑戦は登山家・田部井淳子がモデル!「田部井さんのピアスをして挑みました!」 映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見

Pick Up(特集)

error: コンテンツのコピーは禁止されています