映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシテイ』舞台挨拶付きプレミア上映会が5日にTOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、キャストのキム・ゴウン、ノ・サンヒョン、メガホンを取ったイ・オニ監督が韓国から来日してクロストークをおこなった。なお、この日のMCは、「本作に感銘を受けた。ファンです」という俳優で歌手の上白石萌音が務めた。
本作は、世界三第文学賞「国際ブッカー賞」や「ダブリン文学賞」にノミネートされた、パク・サンヨンのベストラー小説が原作。他人の目を気にせず自由奔放に生きるジェヒ(キム・ゴウン)と、ゲイであることを隠し孤独に生きるフンス(ノ・サンヒョン)、2人の出会い―20歳から13年間に渡る友情が描かれる。2人が自分らしい生き方を見つけようと生きる物語。『アメノナカノ青空』『女は冷たい 嘘をつく』などのイ・オニ監督がメガホンを取った。
最初にMCを務める上白石が「本日、司会を務めさせていただきます上白石萌音です」と挨拶すると、会場から歓声が上がった。上白石は「映画を観せていただいて、感銘を受けました。いろいろなご縁が重なって今日、司会というお役目を仰せつかりました。どうぞよろしくお願いいたします」と笑顔で話し、イベントがスタート。
本作でジェヒを演じたのは人気ドラマ「トッケビ」に出演、昨年公開された映画『破壊/パミョ』で注目されたキム・ゴウン。出演の決め手になったのは「台本はあっという間に読んでしまいました。すぐに作ってほしいと願うほど楽しく面白い作品でした。それから制作までには、紆余曲折があり、時間がかかりました。私たちにとって、とても大切で貴重な作品です」と話した。
フンスを演じたのはドラマ「Pachinko パチンコ」に出演し、注目されたノ・サンヒョン。
サンヒョンも台本を読んで「面白い!と思いました。お2人を信じていました。キム・ゴウンさんとイ・オニ監督と一緒に仕事がしたいと思いました」とコメント。
ジェヒとフンスが20代で出会い、意気投合して一緒に暮らしはじめる本作にちなんで、20代の思い出について聞かれると、ゴウンは「一生懸命誠実に大学に通って、模範的な学生でした。ジェヒのように遊べなかったので、ジェヒがうらやましいですね(笑)」と振り返る。ジェヒがクラブで楽しそうに遊ぶシーンが何度か出てくるのだが、ゴウンはワイワイ盛り上がって映画で(ジェヒを通して)擬似体験して楽しんだことを明かしていた。
一方のサンヒヨンは「モデル、俳優などをして楽しく過ごしていました。軍隊にも行ってきたんです。アメリカに住んでいた時にアイデンティティーについて悩んだこともありました。そういう経験のおかげで、フンスの混乱ぶりも少し理解できたような気がします」と青春を振り返った。
イ・オニ監督は「失敗を恐れながら、過ごしていたような気がします。作品のなかでジェヒとフンスは、お互いを理解している関係に見えるけれど、お互いを通じて自分を知る関係であることが重要なんです……」と深いメッセージを読み取ってほしいと伝えた。
それぞれがお気に入りのシーンを紹介するコーナーでは、
ゴウンは「最後の方のシーンを観ていただければ、この映画の価値がよく分かります」とネタバレを避けながらアピールすると、すでに作品を観ている上白石が「私もそう思います」と即座に強く同調して期待をあおった。
サンヒョンは「大親友の2人だからこそ、激しく大喧嘩するシーンもあります。2人の関係性を上手にあらわしてくれているシーンになっています」と話した。
イ・オニ監督は「エンディングの後に、さらにエンディングがあります。とても重要なセリフが出てくるのでお見逃しなく―」と熱くアピールした。
最後にイ・オニ監督は「この映画をどのように見ていただけるか楽しみです。自分の人生とどのようにつなげていただけるのか……」と余韻を残す。サンヒョンは「今日はお越しいただいて有難うございます。作品を楽しんでください」と勉強中の日本語でメッセージを伝えた。
ゴウンは「どんな風に観ていただけるか、ワクワク期待感でいっぱいです」と客席にメッセージを送ってイベントは終了した。
映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシテイ』
2025年6月13日ロードショー
HP https://loveinthebigcity.jp/