
Netflix映画『10DANCE』の配信記念イベントが12月17日(水) に都内で行われ、W主演の竹内涼真と町田啓太、そして大友啓史監督が登壇した。
主人公・鈴木信也を演じた竹内は、「俳優を始めて12年なんですけど、こんなに心と身体がリンクして、充実した作品は初めてです。これがいよいよ世界中に届くのかなと思うと、心もざわざわしてますし、嬉しい気持ちとドキドキした気持ちと…(世界中に)飛んでけー!って感じです!」と緊張した様子で挨拶した。もう一人の主人公・杉木信也を演じた町田も「万感の思いというのは、こういうことなんだなと。全てを出し尽くして、全員で注いで作った作品なので、絶対に楽しんでもらえると思います」と自信をのぞかせた。大友監督は「素晴らしい原作だったので、それに報いるためには覚悟を決めて取り組まないと立ち向かえないほど、社交ダンスの世界は奥深く、愛に満ちている。これがどう皆さんに届くのか、楽しみでしょうがない」と配信への期待を語った。

当初、オファーを引き受けるにあたっては迷いもあったという竹内。「(オファーを受けた時期が)ちょうど31歳の誕生日を迎える前後で、32歳になるまでの1年間をこの作品に捧げてみようと覚悟を決めました。ただ、絶対に厳しい戦いになるし、相当なリスクを背負わないといけない」と振り返った。「自分の人生をかけて挑まないと成功しないと思っていたので、誰と組むかもすごく大事でした。相手役が決まるまで、ドキドキしながら待っていました」と当時の心境を明かした。そんな中で町田の出演が決まったときには、「よしっ!って思いました。町田くんとなら何か奇跡が起きるんじゃないか、という期待感と、それとは裏腹に本当にいけるのかな…という不安が行ったり来たりで、地獄みたいな気持ちでした」と、大きな重圧を抱えていたことを吐露した。

一方の町田は、「かなり前にプロのダンサーの道を諦めた人間だったので、そのときに消化しきれなかった思いを、この作品で少しは消化できるかもしれないと思った」と、オファーを受けた理由を明かした。「前を向ける可能性もたくさんある。観る方も自分も“頑張ってみよう”とか、心の奥にある何かがポッと灯ってくれたらいいなと思い、最終的には自分のために参加させていただきました」と語った。キャスト同士で世界トップクラスのダンサーたちによる大会も実際に観戦したそうで、竹内は「大会後にみんなでご飯を食べに行ったけど、暗かったよね」と振り返り、興奮と絶望が入り混じる中で覚悟が固まった当時の空気感を語った。
そんな2人のキャスティングについて、大友監督は「これまでたくさん、俳優が奇跡を起こす瞬間を見てきました。本作の役は簡単に“やります”とは言えないものですが、それでもやると言ってくれた人を、絶対にできると信じたかった」とコメント。「この二人からはものすごくインスピレーションをもらいました。不安や絶望はあったと思いますが、僕の中では比較的早い段階から勝算があった。ダンサーが踊るダンスではなく、“俳優が踊るアクターズダンスの最高峰”を目指そうと鼓舞しました」と、二人への絶対的な信頼を語った。

本作では、西尾浩一・下田藍(スタンダード)、高木隆・高嶋聖美(ラテン)という国内トップクラスのプロダンサー陣から、約半年から1年にわたる徹底指導を受けて撮影に臨んだ。竹内は「共演者や監督、先生方を信じ切ることが一番難しかった。最後は自分を信じないといけないけれど、人を信じることが怖かった。でも奇跡が起きて、お互いに“信じる”を超えた瞬間があった。最後に全員を信じ切れて、本当によかった」と感慨深げ。町田も「社交ダンスや競技ダンスは一人では成立しない。心と身体の距離も近くて、情熱や愛、人間関係を純粋に投影しないと何も起きない。だからこそ、怖がらずに飛び込んでいくことが大事だった」と当時を振り返った。

ラテン5種、スタンダード5種、全10種目で競い合う“10ダンス”。劇中では多彩なダンスシーンが描かれるが竹内は、「一緒に踊っていると、相手の体温や“今ノってきてるな”という感覚が直接伝わる。調子の良い時も悪い時も、お互いに補い合って“今つながっている”と感じる瞬間がすごく楽しかった」と語った。町田も「竹内が初めて人前で踊るシーンを、現場では杉木の気持ちで見ていました。それが本当にすごく、何かが生まれているのが伝わってきた」と当時の感動を明かした。

また、鈴木のダンスパートナー・田嶋アキを演じた土居志央梨、杉木のダンスパートナー・矢上房子を演じた石井杏奈についても言及。竹内は「土居さんは僕より強い。振り付けも僕より早く覚えて、それが悔しかった。本当は僕がリードしないといけないのに、気を抜くと吹き飛ばされそうなくらいエネルギーが強かった。でも、心が折れそうなときに『できる!』と言い続けてくれて、前に進むことができた」と感謝を述べた。町田も「僕らはあまり会話が多いタイプではなかったんですが、僕が考え込んでいると、先生のところに行って『町田さんが踊りやすくなるにはどうしたらいいですか?』と聞いてくれて。本当に申し訳なかったし、一切弱音も吐かず、一緒じゃなければ乗り越えられなかった」と、強い信頼関係を明かした。
最後に世界配信を迎える心境について、大友監督は「一番感動したのは、二人がリハーサルで踊ったとき、会場にいた観客から嘘のない歓声が上がったこと。そこにたどり着くことを目的に作ってきたので、嘘のない作品になっていると思います」と自信を語った。町田は「苦しみながらも楽しみながら作った作品です。愛に飢えているなと思ったら、ぜひ観てほしいです」とメッセージを送り、竹内は感動のあまり言葉に詰まりながらも「本当の愛が詰まったこの『10DANCE』が世界中に届いて、どんどん羽ばたいていってくれたら嬉しいです」と想いを伝えた。
Netflix映画『10DANCE』は世界独占配信中。
〈STORY〉ラテン部門の日本チャンピオン・鈴木信也(竹内涼真)と、スタンダード部門の日本チャンピオンにして世界2位、「帝王」の異名をとる杉木信也(町田啓太)。
ラテンとスタンダード――本来交わることのない二人だが、名前がスズキとスギキの一文字違いであることが互いを強く意識させた。完璧なチャンピオン・杉木の踊りには、決定的な何かが足りないーそう感じていた鈴木の前に、ある日杉木が現れ、「〈10ダンス〉でチャンピオンを共に目指さないか」と誘いを持ちかける。〈10ダンス〉とは、ラテン5種とスタンダード5種の両方を極め、全10種目を1日で踊り切って競い合う、体力と精神力を要する過酷な競技ダンスのこと。無謀とも言える提案に鈴木はいったん背を向けるが、闘争心を煽る杉木の挑発に乗り、互いに得意分野を教え合うことを決意する。以後、鈴木のパートナー田嶋アキ(土居志央梨)、杉木のパートナー矢上房子(石井杏奈)とともに、杉木ダンススクールでのレッスンの日々が始まった。生き方も性格も正反対な二人はぶつかり合いながらも、次第に互いのダンスへの理解を深め、心の距離も近づいていく。
そしてクリスマス間近の夜、鈴木と杉木は互いに惹かれ始めていることに気づくのだった。そんななか杉木は、10ダンス大会に挑む前に、ダンスの聖地・ブラックプールで開かれるワールドチャンピオンシップに二組でエントリーすると告げ、鈴木の世界デビュー戦が近づいていく──。

