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2026年7月17日 19:09

【前編】唐田えりかインタビュー 映画『チルド』私好みのホラー作品です。「生きながら。死んでいる」この作品の全てを表していると思います

第76回ベルリン国際映画祭で「国際映画批評家連盟賞」を受賞した映画『チルド』に出演する唐田えりかに、本作の見どころや撮影で感じた思いについて聞いた。映画やドラマなど、幅広い作品に挑むアプローチ方法も語っていただいた。

――最初に脚本を読んだ時の感想はいかがでしたか?

シンプルにめちゃくちゃ面白いと思いました。今まで出会ったことがないジャンルというか、物語の進み方も斬新で、次々と予想していないことが起きる展開に奇妙な面白さが詰まっていて、読んだ時からこれは面白い作品になるな、って思いました。

――どんなふうに演じていこうと思われましたか?

今回演じさせていただいた小河という役は、普段の自分と心情がリンクする部分も多かったので、そのリンクする部分を大きくしていったら、大丈夫なんじゃないかなという安心感の中で役に向き合うことができました。

――演じられた小河は、この物語の舞台となったコンビニの中で唯一、その淡々とした雰囲気を崩すような存在だと思うんですけども、どんなふうに捉えましたか?

脚本を読んだ段階でも、小河というキャラクターが唯一ちゃんと生きているし、意思があるキャラクターだなと思ったので、そこをしっかりと表現できたらいいなと思いました。オーナー(西村まさ彦)の話を聞いているときも、目だけでも、この人はちゃんと意思を持っているな、という感じを出せればと思いましたし、ある意味、目が生きてる人として映ればいいなという部分は意識していました。

――役に入り込むために意識したことは?

これは、この作品に限らずですけれども、とにかく脚本を読み込んで、リンクしてる部分はどこかというのを自分で分析して、というのを今回も同じようにやりました。

――先ほど、ご自身とリンクする部分があって、そこを広げていくというお話でしたが、そのリンクする部分というのは?

私もわりと思ったことはちゃんと言葉にして伝えるタイプなので、そういう部分は似てるかなと思いました。小河の言葉って、ただのわがままじゃないなと思うんですよね。コンビニという職場を、広い視点から見た上で、自分はこれを発言しなきゃいけないんだって、使命感を持って言ってるところはあると思うので。だから、逆に私も学ぶところもあったなと思ってます。言葉にしないと、動いていないことってあると思うので、それはふだん、私が大事にしていることのひとつでもあったので、そういう部分は、近いかなと思います。

――コンビニというのは、すごく日常的な場で、よく行かれることもあると思うんですけど、今作を演じられて、コンビニというのはどんなふうに捉えるようになりましたか。

コンビニって、小さい頃から当たり前に存在していて、当たり前に24時間やっていて、何か近すぎて改めて意識することがあまりなかったんですけど、今回、コンビニが舞台でこういう作品をやらせていただいて、コンビニのありがたさというか、24時間やってるってだけでもすごい、ということを改めて感じました。特に都内だと海外の方も働かれてて、しかも仕事のやることがめちゃめちゃ多いという。当たり前の便利さを作ってくれている世界に対して、すごいことだなって思いました。

――その超日常だからこそ、ここで描かれる世界が響いてくるといいますか。

この作品の世界観でいうと、まず、堺(染谷将太)みたいな人って、わりといるんじゃないかなって思うんですよね。生きてるのか、死んでるのか分からないという、そのキャラクターとコンビニという舞台が、本当にマッチしてるなって思います。コンビニの世界も、基本的にマニュアル通りに動いていくというのが仕事なんですけど、その中で人間が削れていく部分があって、そこがすごくリンクしてるというのを感じられて、好きな脚本のテーマ性の一つでした。

――ちなみに、唐田さんご自身、この作品に出られてその後コンビニ行かれた時の思いが変わったというのはありますか?

実は共演の皆さんと話をしていたんですけど、コンビニではわりとセルフレジに行くっていう方が多くて、けっこう私は逆だなと思ったんですよね。私はなるべく対面がいいなというか。セルフレジも一人で完結できるのでいいんですけど、何かそこにちょっとさみしさというか、さみしいまで言うと、少し大げさかもしれないですけど、今まで対面でやってきたことが機械になるということに、ちょっとまだ追いつけてない自分がいて。このまま、こういうこのコンビニの世界って、どんどん機械的になっていくのかな?みたいな、何かそれに慣れていく自分って、いいんだっけ、みたいな。コンビニに関してこんなに考えたりって前はなかったので、間違いなく、この映画に出させていただいた影響ですね(笑)。

『チルド』
7月17日(金)全国公開
テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル梅田ほか 全国で公開
出演:
染谷将太
唐田えりか 西村まさ彦
くるま 長島竜也
監督・脚本:岩崎裕介
配給:NOTHING NEW
©︎『チルド』製作委員会(NOTHING NEW・東北新社) 
公式サイト https://nothingnew.film/chilled_anymart/    

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