
黒木華の主演による映画『日曜のあと』が、11月20日(金) 全国公開されることが決定。併せて、本作のティザービジュアルと特報映像が解禁となった。
劇作家・演出家の加藤拓也が自ら脚本を書き下ろして監督をつとめた長編映画の最新作。演劇と映画を行き来しながら、ゆるやかに交錯し合う世界観と表現を展開してきた俊英が向き合ったのは、これまでも描いてきた“夫婦”の関係である。誰よりも親密な他人同士だからこそ、深く理解し合うことを求めれば求めるほど、見失ってしまう相手との距離。一見シンプルで平易な会話の行間に滲む棘、相手の話に重なる声、口にされなかった言葉が心の揺らぎを増幅させていくその演出は、人と人が共に生きていく上でどうしようもなくすれ違ってしまう感情を浮き彫りにする。
妊娠した妻の麻衣を演じるのは黒木華。その夫である洸一には、加藤の手がける舞台でたびたび主演を担い、作品の顔として劇中世界を支えてきた橋本淳。両者の呼応が、繊細なズレの積み重ね、徐々に高まっていく緊張感、引き返せない思いの発露までを、一片の綻びも許さない密度で紡ぎあげた。彼女らの危機に立ち会う麻衣の伯母夫婦には吉田羊と古舘寛治。演劇畑と映画界をまたいで存在感を放つ実力派の4人が、緻密に構築された端正かつ危ういカルテットを奏でる。
今回解禁されたティザービジュアルは、どこか遠くを見つめる妻。その隣にいるはずの夫の気配だけが欠けている。「近くて遠い、隣のあなた」というコピーとともに、夫婦であっても分かり合えない二人の距離感と、静かな空間の中に漂う、説明しきれない寂しさと余白。その感情を観る者に委ねるビジュアルに仕上がっている。
特報映像:https://youtu.be/E_wvT0tL2tQ
あわせて解禁された特報映像では、静かなプールや霧に包まれた湖、夜の集いなど、美しい非日常の風景が映し出される。その一方で、鏡越しに向き合う麻衣と洸一、荷物を手に立ち去る夫と、その場に一人残される妻――。穏やかに見える旅先の時間の中で、言葉にできない感情が二人の間に少しずつ積み重なり、夫婦の距離が静かに張り詰めていくことを予感させる特報となっている。

あらすじ 山と湖に囲まれたリゾートホテルで、不妊治療の末に子供を授かった麻衣(黒木華)と洸一(橋本淳)は旅先でのひとときを楽しむつもりだった。翌日には麻衣の叔母である由美(吉田羊)と哲也(古舘寛治)の夫婦も合流し、麻衣と洸一は叔母夫婦に妊娠を伝えようとしていたが、一転、二人は発表に慎重な様子を見せる。二人の間に置かれた言いづらい気持ちが月曜日に向かって段々と膨らんでいく――。
加藤拓也監督 コメント
いずれ決めなければならないことは沢山ありますが、この映画が追っているのはその決断ではなく、それを口に出せないまま並んで過ごしている数日間です。同じ部屋で寝て、食事をとり、隣で歯を磨く。そのどの瞬間にもずっと、言えていないことが二人のあいだに置かれたままになっている。この映画にあるのは、夫婦が丁寧にもてなされながら、言えていないことが二人のあいだに積み重なっていく時間です。
企画が始まってから四年が経ち、ここまで長く付き合ってくださったプロデューサーとキャスト、スタッフの皆さんに、この場を借りて御礼を申し上げます。秋、劇場でお待ちしています。
黒木華 コメント
「夫婦」という、いちばん小さなコミュニティ。近い存在だからこそ言えないこと、不満、少しずつ生まれていく距離。その繊細な感情を、加藤さんは驚くほどリアリティのある台詞で描き出しています。だからこそ、一つひとつの言葉が鋭く胸に刺さるのだと思います。
橋本淳 コメント
相手を思って紡いだ言葉は、受け取る側によっては暴力にもなり、癒やしにもなる。それぞれに正義があり、どちらも間違ってはいない。しかし、その正しさが交わらなければ、言葉はただの攻防になってしまう。
本人たちは必死に言葉を重ね、分かり合おうとする。そんな張り詰めた光景を少し引いた視点から眺めると、どこか滑稽で、思わず笑ってしまいそうになる。
その可笑しさと切実さが同時に存在していること。そして、リアリティのある緊張感の中で、登場人物たちの真意を探り続ける時間。それらすべてが、この作品の魅力なのだと感じています。
安藤忠雄建築に360°囲まれた空間。その中で流れる一瞬一瞬の空気。目の前で刻々と変化し続ける黒木華さんの繊細な揺らぎ。表現を削ぎ落とした先を見つめる加藤拓也監督。その世界を、各部署が刹那の機微まで掬い上げていく。宝物のような美しい光景が、映像作品となることでさらに輝きを増していました。
この作品の一端を担えたことに、心より感謝申し上げます。どうか、この作品が一人でも多くの方のもとへ届きますように。
古舘寛治 コメント
自然と人工物の間でいつも人間は悩むのだ。この異様なホテルと青々とした自然。
快適さと野生。いいとこ取りなど本当にできるのだろうか?私はできるだけ自然に寄っていたい。
そう、あのままもっとずっとカヤックで釣りをしていたかったのです(あ、カヤックは人工物だ汗)。
吉田羊 コメント
言葉と身体の裏腹を
山あいのホテルに封じ込め
声にならない言葉たちを
カヤックのペダルでたきつける
女の心と身体
男の心と肉体
その溝は埋まるのか
なんてことを考えながら
試写を観た
加藤監督が作る極上の静謐
ぜひ映画館で
五感を研ぎ澄ませてご覧ください
映画『日曜のあと』 11月20日(金) 新宿ピカデリーほか全国公開
配給:ラビットハウス コムデシネマ・ジャポン ©2026 映画「日曜のあと」製作委員会

