
映画『キリコのタクト〜YELL〜』の完成披露上映会が9⽉9⽇(水) 東京・新宿ピカデリーにて行われ、主演の鈴⽊京⾹、共演の藤原⼤祐、井頭愛海、⽥辺桃⼦、⻄垣匠、そして雑賀俊朗監督が登壇した。
本作は、第76回NHK全国学校⾳楽コンクール・中学校の部課題曲として制作され、多くの⼈々の⼼を動かしてきた、いきものがかりの名曲「YELL」に着想を得て制作された。“魔法のタクト”を持つと語り継がれる伝説の⾳楽教師・原⽥貴理⼦(鈴⽊京⾹)と、彼⼥に⼈⽣を導かれた教え⼦たちの愛と絆が描かれる。消息不明となったキリコの足取りを追うべく、キリコの教え子で音楽雑誌記者の北村翔(藤原⼤祐)は、同級生の西川花蓮(井頭愛海)、南野葵(田辺桃子)、東山慎吾(⻄垣匠)とキリコを探す旅に出る・・・。

鈴木は、生徒役の4人について「今日、久しぶりに会ったら、4人とも制服姿で会っていたときとは全く違うムードの、しっかりした素敵な役者さんでした」と直近の姿に感動。「とにかく暑い中、学校の中や厚木市内でロケを進めてきましたけど、皆さん本当に頑張り屋でした」と称賛した。さらに「私は(合唱の)指揮をするんですけれど、一生懸命歌っているみんなの顔を見ていると、つい指揮が遅れちゃって迷惑をかけたり・・・。でも本当に素敵な合唱になったのは、この 4人の頑張りがものすごく大きかったお陰。本当に嬉しかったし、楽しかったです」と4人に感謝した。
改めて、鈴木は「指揮というのは、皆さんの一歩前を引っ張っていかなきゃいけないのに、つい皆さんと同じ気持ちになってしまうのがダメなところでした」と今ながら反省。さらにピアノ演奏にも触れ「全く弾けなかったので相当練習しましたし、(ピアノを教わった)先生のお陰で1曲が弾けるようになりました」と胸を張っていた。

この4人との共演で、特に心に残っているところを問われた鈴木は「厚木市の自然がたくさんある公園での撮影です。ものすごく暑かったにもかかわらず、ドローン撮影するため、日陰がないんです。みんなで長いワンシーンを撮りきるまで頑張ったことが思い出に残っています」と振り返った。

そして、藤原は「僕らからすると、あの指揮のお陰で合唱を信じられたという思いでしたし、1個の音を目がけてみんなで歌っていて、その前に先生がいてくださる。ここを目指して歌えばいいんだという道しるべになっていて、とても幸せでした」と歌唱後の満足感に浸っていた。

井頭は「キリコ先生の指揮を見ていると、心から歌っているような気持ちになり、撮影しているときも、キリコ先生だけを見ていれば大丈夫!という安心感がありました。京香さん自身から優しいオーラが滲み出ているので、そのパワーをもらいながら、撮影に挑めたのが本当に良かったです」とキリコのタクトを称賛した。

西垣は「指揮のシーンでは、次はバス、次はソプラノですと(キリコ先生が)目を合わせてくださる。すると自分が上手くなった気がするし、本当にノリノリにさせてくれる指揮だったので、僕は歌が苦手だったんですけど、合唱のときだけは、上手くなったんじゃないかと勘違いするぐらい、信頼感がありました。お芝居の面でも必ず受け止めて返してくださったので、思った通りに動いて、ぶつかっていこうという気持ちにさせていただきました」と鈴木の演技に救われたことを明かした。

また、田辺は「キリコ先生の関西弁が大好きでした。関西弁でバシッと背中を押されたような気持ちになっていました。朝、京香さんに『おはようございます』と声をかけると、柔らかく『おはようございます』と言ってくださるのに、キリコ先生になった瞬間の関西弁の切れの良さが私は大好きで、いつもキリコ先生の言葉に背中を押されていました」と関西弁の思い出に浸っていた。わざわざ関西弁を使った理由について、雑賀監督は「最近先生たちと生徒の距離感が難しいんです。ポンと生徒の心の中に入っていくにはどうしたらいいか?関西弁だったらすぐに入っていけるかなと思い、関西弁にしたんです。京香さんと打合せして、生徒に対するときは関西弁で近づける。同僚とか学校の関係者に話すときは東京弁と割り振りました」と説明。鈴木は「キリコ先生はみんなの心に土足でドカドカと踏み込むような先生だったので、(関西弁の)イントネーションの間違いを正すより、勢いが大事と思って、みんなの背中叩いたり、とにかく厚かましい先生でした」と振り返った。

ここで、本作の挿入歌「白鳥」は藤原大祐が作詞・作曲・歌唱を担当している。藤原は「今回、北村翔役として初めて曲を作ったので、自分で作るときとはまた違った感覚でした。台本を読みながら、役作りをしながら作っていく。あとは雑賀監督に曲のイメージがあったので、監督から頂いた言葉を前面に使って、そこにどう寄り添えるかを考えながら作りました」と作曲の経緯を話した。


本作で印象に残っているシーンを問われた井頭は「合唱のシーンでは、私はアルトを担当。音程を取るのがすごく難しかった。息がピタッと合った瞬間を合唱コンクールのシーンですごく感じたので、ここまでやってきた成果がそのシーンに出ていると思います」とコメント。田辺は「葵(という自身の役柄)をどうやって演じようかと悩んだりしたときに、ふと台本を読むと、大人になった葵のセリフが自分へのメッセージに聞こえてきて、私自身も葵の言葉にすごく勇気をもらったので、高校生から大人になっての変化のつけ方は自分的にすごく頑張った。そこが観てもらいたいポイントです」と自身の演技に自信を覗かせていた。

最後は鈴木への質問。学生時代に思い出に残る恩師もしくは音楽を通して救われた経験は? 鈴木は「美術部だった私は、音楽が本当に苦手で、合唱コンクールでは大きな声で歌わないタイプでした。だから音楽の恩師は、今回ピアノを指導してくれた先生が、音楽の恩師だと思っています」と語り、そんなに音楽が苦手なのに本作に出演しようと思った理由は「ピアノも指揮もできないのに、キリコ先生の生徒に対しての愛情の熱さ。こんな先生がいたらいいなと思いましたし、自分はああいう風にできないから、ちょっといいなと思ってしまった。それでもピアノを相当練習しなくちゃいけなくなったのに、私にとって、去年の夏は青春の夏でした」と誇らしげに語った。
映画『キリコのタクト〜YELL〜』10月2日(金) 新宿ピカデリーほか全国公開
配給:KeyHolder Pictures ©映画「キリコのタクト~YELL~」製作委員会

