トップ > 映画 > 水上恒司「とにかく面白い」 黒木華「ちょっと不思議な映画」 小池栄子「一種のコメディ」佐々木蔵之介「狂った奴しか出てこない」 映画『本当にあった話(の話)』完成披露舞台挨拶

2026年9月10日 20:59

水上恒司「とにかく面白い」 黒木華「ちょっと不思議な映画」 小池栄子「一種のコメディ」佐々木蔵之介「狂った奴しか出てこない」 映画『本当にあった話(の話)』完成披露舞台挨拶

映画『本当にあった話(の話)』の完成披露舞台挨拶が9月9日(水)、東京・テアトル新宿で行われ、主演の水上恒司、共演の黒木華、小池栄子、佐々木蔵之介、そして武井佑吏監督が登壇した。

物語は、世間を震撼させた〈配偶者入れ替え連続殺人事件〉から数十年経った「今」から始まる。事件を元にした禁断の舞台が作られることになり、演技経験のない夛田(水上恒司)が主演を射止める。だが役柄に自分の経験を重ね、深くのめり込んでいった夛田は、やがて虚構と現実の境界を見失い、ついに演じる人物と一体化してしまう。彼の凄まじい執着、執念は、やがて相手役となった米良(黒木華)、舞台の脚本家・垣内(小池栄子)、舞台演出家の加藤(佐々木蔵之介)らを次々と掌握し、戦慄と興奮のクライマックスへと突入していく――。

予告編の上映に続き、キャスト陣と武井監督が舞台上に姿を見せたが、真ん中に立つはずの水上の姿だけが見当たらず……。MCに「水上さんも登壇予定ですよね?」と尋ねられた黒木は「そう聞いていますけど…」と語り、小池、佐々木も「見てないですね。来てないんじゃないですか?」「機嫌が悪かったんじゃないですか? 急に雨が降って…」と首をかしげ、武井監督も「忙しい方ですからね」とうなずいた。

この間、会場のスクリーンには、本作の印象的なビジュアルである真っ赤な照明に照らされて、不気味な笑みを浮かべる水上演じる夛田(ただ)の顔が大きく映し出されていたが、よく見ると、夛田の静止画から切り替わって、水上本人が目まぐるしく表情を変える映像になっており、これに気づいた客席からは笑いがわき起こった。実は、こちらの映像は、裏の控室にいる水上の表情をスクリーンにつないでライブ中継したもの。水上は改めて、ライブ映像を通して「こんばんは」と挨拶し「いろんな仕事があるなぁ…と思っています(笑)」と宣伝チームによる“仕掛け”を明かし、急いで控室から舞台上へ。会場は改めて大きな拍手で水上を迎えた。水上が浮かべる不気味すぎる笑顔について、小池は「ジャック・ニコルソンみたいだもんね。素晴らしい!」と絶賛していた。

水上は本作について「とにかく面白いと思いますので、笑っていただけると嬉しいです」と語り、黒木も「脚本を読んだときから、自分でも『ちょっと不思議な映画だな』と思っていたので、それがみなさんに観てもらって、どういうふうに受け取られるのか? すごく楽しみです」と笑顔で語った。

小池は「みんなの感想を聞きたいなと思うような作品です。“武井ワールド”にどっぷり浸かっていただいて、没入していただいて、『私たちは何を見せられたんだ?』と感じてほしい。でも、これはホラーでもなんでもなく、一種のコメディ。一生懸命生きている人たちが、ある瞬間からとても滑稽に見えたりとかして、その世界観を楽しめると思います」とアピールし、佐々木も「僕も読んだ時から『手ごわいな』と思っていたんですけど…。狂った奴しか出てこないんですけど(笑)、笑ってください!」と語りかけた。

水上はこれまでに演じてきた役とは異なるタイプの役柄に挑戦しているが「役者が“狂った演技”を見せる――『怖がらせよう』とか、狂いぶりを気合い入れてやればやるほど、空回りしていくという現象にはなってほしくないと思って、そこは気をつけていました」と振り返りつつ「いまの映画・ドラマ産業の中で、転がっていそうないわゆる“商業映画”とは対極にあるような作品になっています。だからこそ、自分の中では自由にのびのびと、いろんな解釈の幅があるなと思いながらやることができました」とこれまでにない役を楽しんで演じたよう。

黒木は俳優の米良を演じていて「(俳優が俳優を演じるのは)やっぱり、ややこしいですよね…(笑)」と少し困惑気味に語り、水上が「どういうお芝居をされるか分からなかったんですが、米良はそれを受ける役でもあるから、そのまま素直に受け取ろうと思いました。監督と水上さんが役に対して話し合っているところも面白かったですし、目が離せなかったです」と振り返った。

小池は世間を震撼させた「配偶者入れ替え連続殺人事件」の舞台化に執念を燃やす脚本家・垣内を演じたが、本作への出演を決めた理由について「共演者が魅力的でしたし、武井監督含め『はじめまして』の方とこれからお仕事をしていきたいという気持ちもありました。どんな自分を引き出していただけるんだろう?と。それが決め手でした」と明かし、水上について「自分の役(垣内)は言葉も強いですし、自分の思想もあって、きっと自分で思うように、いろんなことを進められてきた人物だと思うんですけれども、夛田と接していると、全然自分の思うペースに行かなくて、結局この人に主導権を握られて飲み込まれていく感じが演じながら、快感でした」と嬉しそうに明かしてくれた。

佐々木は、自身が演じた演出家の加藤について「勘違い野郎ですね」とバッサリ!「僕も、こんな役はもうやりたくない…(苦笑)。『嫌なヤツやわぁ…』と思いながらやっていて、キツかったけど、真剣に『嫌やなぁ』と思いながら、自分の中で一周回って笑っていました」と述懐。小池からは「最高でしたね。チャーミングさのかけらも見えない(笑)。それはそれが最高に魅力的でした」と称賛の言葉を送られていた。

トーク後半では、映画のキャッチコピーの「化けの皮、剥がれちゃってますよ?」にちなんで、撮影現場での裏話を暴露。水上は「お付き合い」。この“お付き合い”というのは、現場で使われる業界用語で、相手役のためにカメラに映らない位置で共演者が目線などの相手をすることを指す言葉。水上は「ここにいらっしゃるお三方は、僕よりもはるかに先輩の方々ですが、そのお付き合いというものを、ちゃんと当たり前のようにやられていて、さすがというか素敵でした」と解説、現場によっては「お付き合いをしない役者っているんですよ(笑)」と暴露!「この現場はみなさん『(控室に戻らず、現場に)いるよ。当たり前じゃない』という感じで、それは忘れられないです」と感謝の思いと共に明かした。

黒木は地元の方から差し入れされた「勾玉と竹とんぼ」と答え、小池は実家が老舗の酒蔵である佐々木から振る舞われた「日本酒」を掲げ「本当においしかったです」とニッコリ。一方、佐々木は「栄子ちゃんが、お米を語っていて『炭水化物を摂らないのは良くない!お米が一番いい。世界一のスーパーフードだ!』と言っていて、お米をいただきました」と小池からプレゼントされた「お米」と答え、現場での和気藹々とした雰囲気に浸っていた。

映画『本当にあった話(の話)』 10月2日(金) よりテアトル新宿ほか 全国公開
配給表記:東京テアトル/murmur ©️鴻池留衣/文藝春秋/2026「本当にあった話(の話)」製作委員会

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