
外務省主催「第15回日本国際漫画賞」で入賞を果たしたフランス発のグラフィックノベル『Ama:Le souffle des femmes』(フランク・マンガン作、セシル・ベック画)。川端康成の『雪国』に感銘を受けたフランス人作家の手によって描かれ、高い評価を得た名作漫画が、ルクセンブルク・日本・フランス・イタリアの4カ国共同製作、さらに全編日本オールロケで実写映画化、2027年に全国公開される。
本作の舞台は1960年代、都会での暮らしや周囲になじめず居場所を見失っていた20代の女性・平野渚が、祖父の死をきっかけに母が生まれ育った石川県・舳倉島(へぐらじま)へと向かう。そこで出会ったのは、厳しくも豊かな海とともに生きる叔母・舟冨梢をはじめとした、たくましく誇り高い海女たちだった。時代の変化とともに失われつつある海女の文化や人々の温かさに触れる中で、渚は母の秘められた過去を知り、自らの生きる道を模索していく物語だ。

主人公・平野渚を演じる藤野涼子は、自身初となる国際共同製作映画への参加について「本作は日本と海外との合作ということで、言語もそれぞれに異なる海外クルーが集まりました。ひとつのシーンに言語の壁を越えて全員が集中して取り組んでいる姿を見て、私も、この美しい海と景色が広がる中でこのチームと作品に向き合っていけるのかと思い、胸が高鳴りました。言葉が通じなくても、一つの作品を作るという思いを共有することで、みんなのエネルギーが一つに集まり、よりパワフルになっていく感覚があります。スタッフ、キャストみんなで力を合わせて、素晴らしい作品を作っていきたいと思います」と今後の撮影に向けた熱い意気込みを語っている。

さらに、渚の叔母で海女の生き方を教える舟冨梢を演じる尾野真千子は「海女という今失われつつある文化、今後残していって欲しい、後世に語り継がれていって欲しいといういろんな思いがあり、この台本を読んだときに、これはやらなければいけない、伝えていかなければいけないと思いました。私にとってこの作品はちょっとした使命という感覚で、尚且つ自分も楽しみながら、色々教えてもらいながらこの作品に挑みたいと思いました」とのコメントを寄せた。
メガホンを取るのは、フランスを拠点に活動し、国際的な映画祭で多数の賞を受賞してきた日本人監督・河村勇樹。自身初の長編実写作品となる本作について、「原作を読んだとき、初めて舳倉島の海女たちのことを知りました。海とともに生きる女性たちの強さ、そして互いを支え合う女性共同体の連帯。その姿を、主人公・渚の視点を通してどのように描いていくのか。海女たちの息遣いや島の匂い、海での漁の緊張感まで、リアルにスクリーンに立ち上げることが、この映画をつくる上で大切だと感じています。この場所で、この人たちと、この物語がどのような映画になっていくのか。まだ見ぬ景色に出会えることを楽しみにしながら、一つひとつの瞬間を大切に撮影していきたいと思います」と作品に懸ける思いを語った。

