
東野圭吾の新たなる最高傑作を映画化。映画『白鳥とコウモリ』の大ヒット御礼舞台挨拶が9月22日(火・祝) 、新宿ピカデリーにて開催され、W主演の松村北斗、今田美桜、そして岸善幸監督が登壇した。

容疑者の息子・倉木和真を演じた松村は「僕の周りの方が軒並み観て、それもそれぞれ違う角度で捉えていて不思議な作品なんだと思いながら、公開後も自分たちが想定していなかった魅力が生まれていることを体感しています。人間ドラマとして観ていた人がいたり、物語のシステムが面白いとか、穴を見つけたくて、二度観に行った知人もいました」などと身の回りの反響の凄さを披露した。

また、被害者の娘・白石美令を演じた今田も「SNSを見ていると『なるほど、そういう見方があるのか!』と、自分が出演しているのに面白いと思える感想がありました」と松村の話にも同意した。すると、松村は「僕は倉木を演じて、ずっと倉木目線でしたが、試写を観ると、実は(柄本佑演じる)五代刑事が主人公的な目線があるなと。物語の見え方が変わったりして、誰の立場から主観的に見るかで随分違う話になると思いました」と違った目線で観ることを薦めていた。
特に反響の多いラストシーンは原作を忠実に再現。美令の心情を受け止めようとする和真の覚悟、美令の涙が印象的だったラストシーンをどのように作り上げていったか? 岸監督は「原作が上下巻と非常に長く、2時間強の映画に纏めるにあたって、希望を持たせるラストシーンにしました」とコメント。
松村は「ラストシーンは本当に難しかった。和真が受け止めるのか、そもそも受け止めるのかどうか? 家でも考えたし、どれもしっくりこなかった。美令にとって何が救いか?物語にとって何が救いか?というベクトルで考えた分、ハマらなかった。撮影に入って岸さんに考えを聞くと『そんなことより、実際人ってどうだろうね』と。どんな顔していいか分からないが、そこは賭けでした。家で用意したもの以外のつもりで、あとは気持ちで演じました。OKって言われた後も、ずっと岸さんを見ていました。いいお芝居ができると、岸さんが寄ってきて、鼻息で教えてくれた」と撮影シーンを振り返った。今田も「めちゃくちゃ分かります!それを見るのが楽しみで現場に毎日行っていました(笑)」と同調した。

一方、今田は“ラストシーン”について「和真の一言に美令は救われて、私はそれを受け止めるというシーンでしたので、全て現場の環境に任せたいと思いました。同じ日に、和真が弁護士事務所にやってきて久しぶりに(美令と)再会するシーンと撮影、その後にラストシーンを撮ったので、時系列的にありがたい環境で撮影しましたし、あとは松村さんがラストシーン撮影の前に、周りを走って心拍数をリアルに上げられた。皆さんに助けていただいたシーンだったと思っています」とラストシーン撮影エピソードを明かした。
イベント終盤は、本作をより深く知ることができる「スペシャルクイズコーナー」。第1問「タイトルに関連する白・黒・灰の色にちなんだ名前の人物は?」正解は「白石・倉木・灰谷(悪徳金融業者)」。和真の苗字が「黒木」ではなく「倉木(黒)」である理由について「東野先生が『そんな野暮なことはしない』として、倉木と名付けられた」という裏話も明かされた。
第2問「本編開始から和真と美令が登場するまでの時間は?」正解は「21分」。原作でも和真が父・達郎の起こした事件に戸惑うシーンにたどり着くまでに126ページを要するという。岸監督は「冒頭で過去の事件や警察の捜査の流れをしっかり描かないと分かりづらくなる。21分も出てこないのは映画としてチャレンジのやり甲斐があるとして議論を重ねて決めました」と制作のこだわりを語った。
第3問「二人が“禁断のバディ”を組む印象的なロケ地【隅田川テラス】がなぜ使われたか?」正解は「東野先生が執筆前に現地を訪れた際、当時は工事真っ最中で人がほとんどいなかったことで事件現場の雰囲気にピッタリとして選ばれた」とのエピソードが紹介された。

さらに、公式SNS等で密かに人気を集めている公式キャラクターの名前も明らかにされた。公式キャラクターは松村と今田が命名。今田が「『シラトリちゃん』です!」と発表すると、松村も「こちらは『コウノモリくん』です。苗字っぽく『の』を入れました」と命名理由を披露した。

イベント最後には、今田は「本当にたくさんの反響をいただいて嬉しいです。劇場を出るときに誰かの救いや希望を持っていただけたら幸いです。いろいろな角度から楽しめる映画ですので、ぜひ何度でも観てください」と呼びかけ、松村も「出来事は白黒つくことが多いですが、そこに生まれる感情は灰色が多いと思います。僕はこの映画を観て、自分のグレーな部分を愛し始めることができました。皆さんもそのグレーな部分を愛せるようになると、この映画の魅力が深まると思います。エンドロールで流れる『灰色』という主題歌に包まれて劇場をあとにしていただけたら嬉しいです。ぜひ二度、三度と足を運んでください」と力強く呼びかけた。
映画『白鳥とコウモリ』大ヒット上映中
配給:松竹 ©2026「白鳥とコウモリ」製作委員会

