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2010年11月30日 00:24

RanRanお勧め映画『ゴースト もう一度抱きしめたい』

20年前、日本劇場公開された『GHOST ニューヨークの幻』。ライチャス・ブラザーズの「アンチェインド・メロディー」が流れる中、ロクロに向うモリー(デミ・ムーア)を後からやさしく抱きかかえる恋人のサム(パトリック・スウェイジ)。愛し合う2人にはとても幸せな時間を過ごしていた。しかし、そのサムは突然、暴漢に命を奪われてしまった。ゴーストとなっても、愛するモリーを守ろうとするサム。悲しくも、ゴーストとなったサムの姿は、当然のごとくモリーには見えない。どうにかして自分の存在を分かって欲しいサムはドアにコインを這わせるなど、霊媒師オダ・メイ(ウーピー・ゴールドバーグ)の力を借りて、愛するモリーを守るのだった。この二人の姿に涙し、恋人の存在をそれまで以上に大切に感じた人もいるだろう。

今秋、このせつない映画が日本テレビでディレクターとして数多くのヒットドラマを生み出した大谷太郎監督の手でリメイクされ、天から射す光のように私たちの目の前に再び姿を現した。それが韓国の人気俳優ソン・スンホンと松嶋菜々子を主役に迎えた『ゴースト もういちど抱きしめたい』である。

年商150億円を誇る企業を経営する星野七海(松嶋菜々子)は、自分の誕生パーティーの夜、久しぶりに酔い、自宅への帰り道公園に立ち寄る。そこで、韓国から来た陶芸家のキム・ジュノ(ソン・スンホン)と運命的な出会いをした。

翌朝、ジュノの部屋で目覚めた七海は、誤解して、ジュノの頬を平手打ちし、足早にジュノの家から立ち去った。しかし、学生時代からの親友で今では七海の仕事の良きパートナーである未春(鈴木砂羽)から昨晩の顛末を聞いた七海は自分の失態を恥じ、ジュノの家に謝りに行く。ジュノはそんな七海を一杯のコーヒーで迎え、陶芸が好きな七海はジュノの焼いたぬくもりある陶器に興味を抱き、二人はお互い愛するようになった。

「愛してる。」とストレートに自分の感情を表すジュノに対して、七海の答えはいつも「アルゴイッソヨ(分かってる)。」だけ。どうして「愛してる。」って言ってくれないのかと尋ねるジュノに対して、七海は「いままで人を好きになったことあるけど、こんな感情は初めてで、怖い。」と答える。そんな七海をジュノは車で誘い出し、静かな教会で、キーリングと花で作った指輪だったが、二人だけの結婚式を挙げ、永遠の愛を誓ったのだった。

幸せが続くと思っていたある日、七海はバイクに乗った男に持っていたバッグを強奪され、命まで落としてしまうのだった、しかもその日はジュノと出会った1年後の自分の誕生日。倒れた七海を抱きしめ、悲しみに暮れるジュノ。それを横で見つめる七海。自分の死を信じられない七海はその時からゴーストとなり、ジュノの側にいるのだった。

この七海の死は不慮の事故ではなった。七海の財産を狙った仕組まれた罠だったのだ。そして、その魔の手は愛するジュノにまで及ぶことに。七海は霊媒師・運天(樹木希林)の力を借りてジュノを助けようとする。しかし、ジュノには七海の姿は見えない。怪しがるジュノに七海の存在を確信させたのは、二人で作ったあの陶器の…。

信じられない自分の死、親友の裏切り、大切な恋人の命の危険。人恋しくなる秋に悲しく切ないラブストーリーがここに展開する。

オリジナルでも魅せられたのは生きているモリーとゴーストとなったサムを結びつけたオダ・メイ。ウーピー・ゴールドバーグはこの作品でアカデミー賞助演女優賞を獲得した。時にはシリアスな、そして時にはコミカルな彼女の演技に魅入ったことを思い出す。今作品でも霊媒師・運天がジュノと七海を再び引き合わせる。この運天を演じた樹木希林の演技も作品を時にはピッと引き締め、そして時には心を和ませる。主演の二人と共にこの作品にはなくてはならない存在である。

題名の『ゴースト もういちど抱きしめたい』はストーリー終盤のセリフに関係する。このシーンで涙する人も少なくないだろう。そして、エンドロールで流れる平井堅の『アイシテル』はこの作品の最後を締めくくるのにふさわしい曲であり、さらに感情を揺さぶられる。オリジナル『GHOST ニューヨークの幻』に囚われず、真っ白な心でこの作品を観ていただきたい。そうすることによって、この作品の持つ、純粋さに心癒されることだろう。

果たして、ジュノの身は無事なのだろうか?

果たして、七海は「愛してる」とジュノに言葉で伝えることはできるのだろうか?

ぜひ、この作品の結末と答えは劇場でご自身の目と心でご確認ください。

11月13日よりロードショー公開中。

なお、この『ゴースト もういちど抱きしめたい』はすでに11月25日から韓国でも公開されている。そして、台湾、タイ、シンガポール、香港でも公開が予定されており、文字通り『ゴースト』のアジア版として期待されている。

 記事:Tomomi.S

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