取材:記事・写真/RanRanEntertainment
――映画の中で、上田は、大和と光臣に関わっていきますが、上田は二人の関係性をどう見ていたと思いますか?
上田は、あまり気にしないと思います、そういったところに。境が無いというか、例えどんなことがあっても、いい奴はいい奴だし、好きな奴は好きな奴。偏見がない上田だからこそ二人を繋ぐ橋になれたのではないかと思います。
――大和は孤塚光臣を「光臣」と最初から名前で呼んでいますが、上田裕に対しては「上田」と苗字で呼びかけていますね。
裕(ひろむ)という名前なのですが、なぜか苗字で呼ばれていますね。「上田」は「上田」なのだと思います。大和とは同級生で、周りからも苗字で呼ばれる関係性だということを出したかったのだと思います。
――佐野さんご自身は、大和と光臣の関係をどう思いますか?
僕も上田と一緒ですね(笑)。僕も境が無いんです。人類愛というか、誰が誰を好きになってもいいと思っていますし、そこに対してのこだわりは全くないです。でも、同性に対しても“あれ?こいつのこと俺好きなのかな?”とか“いいな”とか、ポジティブな感情というのは誰しもが抱くことがあると思います。それがあの二人(大和と光臣)は特に強かっただけだと思っています。相手のことを受け入れて更に自分も受け入れてもらって、そういった相手を思う気持ちで成立している関係性ってすごく美しいものだと思っています。だからこそ描けるストーリーがあると思います。男女の関係より色濃く描けることもあると思います。
――上田市でのロケはいかがでしたか?
僕は、一日撮影が空いた日に散歩をしようと思って、泊っている宿舎の人に「どこかお薦めの美味しいところないですか?」と聞いたら「駅前に美味しいお蕎麦屋さんがありますよ」と教えてもらったんです。千曲川沿いを写真を撮りながら駅まで歩いて行き、お蕎麦を食べました。めちゃくちゃ美味しかったです。十割蕎麦って、蕎麦の香りがすごいんです。鼻にほわっと抜けるというか。塩でも食べてみましたが、蕎麦本来の味がしました。水が美味しいところなので蕎麦も美味しいのですね。お土産屋さんで、その地方のカップ酒が置いてあったので飲んでみたり、近くの更科神社で写真を撮り、足湯ができる公園で足湯をしたりと、完全に一人旅状態で楽しみました(笑)。
――さきほど古川さんのお話が出ていましたが、竜星さんとのエピソードは何かありますか?
竜星くんは以前にもヒーロー物の作品で共演したことがあるのですが、それ以来でした。竜星くんは背が高いので、僕と肩を組むシーンでは、全然高さが違って僕がぶら下がってしまうような感じになり、それはちょっと面白かったです(笑)。あともう一つ、宿舎のお風呂が熱かったのですが、脱衣所で竜星くんとすれ違って「熱くない?」「ここのお風呂熱いよね」という話をしました(笑)。
――古川さんは、実際に光臣に近いキャラクターなのでしょうか?
古川さんは今回初めての共演だったのですが、雰囲気や仕草などがすごく光臣というキャラクターに合っていると思いました。
――では最後に、映画を観にいらっしゃる皆さまに映画の見どころも含めて、メッセージをお願いいたします。
この映画はBoysLoveがテーマなのですが、その奥に見える愛情や、思いやり、優しさが描かれています。大切な人を思い出す、大切な人に会いたくなる映画だと思います。幸せの形はいろいろとありますが、それぞれの幸せの形を見つけるヒントになる作品です。何か少しでも傷を癒したり、背中を押してくれる作品だと思いますので、是非ご覧になって癒されてください。
――ファンの方にもメッセージをお願いいたします。
いつも応援していただき、本当にありがとうございます。今後も皆さんに様々な役柄で佐野岳の魅力をお伝えできるように頑張っていきます。これからも、見ている方々にわくわくして頂ける様な人になろうと思っています。皆さんも是非わくわくしながら、引き続きいろいろな佐野岳を観ていただけたら嬉しいです。
――ありがとうございました。
インタビュー前編~ https://ranran-entame.com/wp-ranranentame/movie/68771.html
映画『リスタートはただいまのあとで』
2020年9月4日(金)より シネ・リーブル池袋ほか全国公開
配給 キャンター
監督 井上竜太
脚本 佐藤久美子
原作 ココミ『リスタートはただいまのあとで』(プランタン出版)
出演 古川雄輝 竜星涼 村川絵梨 佐野岳 中島ひろ子 螢雪次朗 甲本雅裕
公式サイト https://restart-movie.com/
ストーリー
職場で上司に人間性を否定され、会社を辞めて10年ぶりに田舎に戻った光臣(古川雄輝)は、近所で農園を営んでいる熊井のじいちゃんの養子・大和(竜星 涼)と出会う。
大和のことを「馴れ馴れしくてウザい奴」と思っていた光臣だが、父親に実家の家具店を継ぐ事を拒絶され、農園の手伝いをはじめると、大和と過ごす時間が増えていく。
ふさぎこんでいる光臣を励まし、心の痛みに寄り添う優しい大和。次第に、自分の弱さも受け入れてくれる大切な存在に変わっていく。ある夜、酔いつぶれた二人だったが、目が覚めた光臣は寝ている大和に思わずキスをしてしまい・・・抱いている感情にハッとする。
大和の高校の同級生で親友の上田(佐野岳)から、「アイツには秘密がある」と耳打ちされたことを思い出した光臣の前に、親しげに大和と話す年上の女性が現れて・・・。
光臣は大和へ想いを伝えることはできるのか?
そして、親との確執を乗り越えて、自分の夢と向き合う事ができるのか?
(文:高橋美帆/写真:早川善博)