トップ > PICK UP > 髙橋洋人監督インタビュー! 浮所飛貴(美 少年)主演『胸が鳴るのは君のせい』「浮所君がやりたいと言ってくれたことであのシーンが撮れました」

2021年6月1日 17:00

髙橋洋人監督インタビュー! 浮所飛貴(美 少年)主演『胸が鳴るのは君のせい』「浮所君がやりたいと言ってくれたことであのシーンが撮れました」

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

浮所飛貴( 少年/ジャニーズJr.)の初主演映画『胸が鳴るのは君のせい』が2021年6月4日(金)より全国公開される。原作は、紺野りさの大人気コミック「胸が鳴るのは君のせい」(小学館「ベツコミ フラワーコミックス」刊)。有馬隼人(浮所飛貴)と篠原つかさ(白石聖)が繰り広げる、親友のように仲が良い友達への“片思い”を描いた青春ラブストーリーだ。二人の恋のライバルとして、板垣瑞生(長谷部泰広役)、原菜乃華(長谷部麻友役)が出演する。本作が映画初監督となる髙橋洋人監督に映画の見どころと撮影秘話を聞いた。

 

9J9A4985-2s


――今回、監督は、漫画作品の映画化を多く手がけている木村元子プロデューサーからオファーされたそうですね?

はい。僕がオフィスクレッシェンドというところに所属していまして、副社長が木村さんともともとこの企画を進めていて、そこからのお話でした。

――原作を読まれて、まずどのように思われましたか?

つかさと有馬というすごく純粋な二人の“好き”という思いが動いていく話で、すごくピュアで、いいなぁと思いましたね。楽しく読ませていただきました。

――原作は中学校を舞台に始まりますが、映画では高校が舞台になりますね。

僕が関わった段階では、すでに原作とは違った面白味のあるものに上がっていたんです。その段階で、高校生の話になっていたのですが、まったく違和感なく入ってきました。

――木村プロデューサーからこの作品についてどのようなお話があったのでしょうか?

原作は二人(有馬とつかさ)にフィーチャーされていきますが、映画では長谷部と麻友も含めて四人の心の揺れ方をきちんと描きたいと。そこは原作の設定の中学生3年生と映画の設定の高校3年生では全然違う。中学生らしい初々しい気持ち、好きという気持ち、言える、言えないという感情は残しながらも、高校生の話にして、繊細な心の揺れやその時の感情を見せる映画にしたいとおっしゃっていました。その話を受けて、僕もそういう考え方で捉えていこうと思いました。

――主人公、有馬隼人を演じたのは浮所飛貴さんでした。浮所さんは映画初主演ということでしたが?

この映画を撮ると指名が来たことに僕自身もびっくりしていて、さらにジャニーズJr.の浮所君が有馬を演じるということで、「えっ?えっ、ちょっと待って」って僕としては二段どころではないぐらいびっくりしました。すごく活躍されている浮所君。「浮所君の映画やるんだって!」とファンの方たちが思ったのと同じぐらいの衝撃でした。

――原作を読んでイメージされていた有馬隼人があったと思いますが、浮所さんはいかがでしたか?

最初にお会いした時に、これはつかさを演じた白石聖さんもそうでしたが、まさにイメージにピッタリでした。原作に近くしたいなと思っていたので、見た瞬間ピッタリだと思いました。浮所君はお芝居の経験は少ないと聞いていて、大丈夫かなという不安も当然ありましたが、まだみんなが見たことのないお芝居を僕が最初に監督としてやらせていただけるという期待感もありました。現場では、最初に思っていた不安が消えてなくなるぐらいすごく頑張ってやってくれていました。ピッタリ有馬だなという感じでしたね。

――浮所さんと事前にディスカッションは?

基本的に、原作のキャラクターは変えていないので、原作に沿った気持ちで読んで欲しいと伝えました。原作の設定である中学生を高校生に変えたという部分があるので、(原作者の)紺野先生も脚本作りの段階でご意見をくださって、中学生からちょっと大人になった台詞にも修正されているので、そういう気持ちの作り方を撮影しながらやっていこうと話しました。原作の心情をしっかり勉強してきて下さいというお話をしました。

――監督の撮影スタイルというのは?現場で演技をつけるといったことはされたのでしょうか?

演技をつけるというつもりはなかったです。皆さんがそこで表現していただいたことがその人が演じる“有馬”だし、その人が演じる“つかさ”だという、それを大事にしなければいけないと考えていました。そもそも年齢的に気持ちは僕より彼らの方が近いですし、こういう気持ちで話すといった部分は彼らの意見を聞かなければいけないと思いました。それこそ、女性の気持ちは大事だと思ったので、女性スタッフにも意見を聞いて、自分でもしっかり理解しながら進めていこうとかなり意識しましたね。

――彼らから出たことで印象に残っていることはありますか?

お祭りのシーンで、有馬とつかさがお互いのスプーンでかき氷を食べさせ合うカットがあったのですが、コロナ禍での撮影だったので、演出的な部分で見え方や動きをどうしようかと考えていたんです。その時彼らと話したら、観る方にどうしたらきゅんきゅんしてもらえるかということにすごく意識を持っていて、そのままやった方が絶対に良いと感じてもらえるから「そのままやりたいです」って言ってくださいました。浮所君は、初めての主演とは思えないくらい真っ直ぐにお話をしてくれるので、とても良かったですね。また、有馬とつかさの思いが通じるシーンでも、有馬がわーっと感情的になってしまうんですけれど、男として自分の中の苛立ちとして激しく動いてもらいました。でも、「ちょっと怖いかもしれない」と白石さんからお話が出て、では今度は少し抑えてみようかなど、二人と相談しながら撮っていきました。最終的にすごく良いシーンになりました。

 

 9J9A4969-2s


――人気コミックの映画化ならではのところを出したくて試行錯誤したそうですが、いかがでしたか?

有馬は、原作では、クールだけれどたまに見せる笑顔とのギャップが良かったりする。でも、生身の人がそれをやった時の見え方のバランスは、彼らも演じる上で大変だったと思います。白石さんも、つかさは原作ではかわいらしいキャラクターで、おしゃれな子という風に映っているんですけれど、ちょっとキャラクター的に抜けている部分があって、そこのコミカルな部分をどう出していくかを考えました。一方、高校3年生としてちょっと大人になっている部分もあって、撮影の最初の方では探りながらやっていきました。僕も悩みながらやっていた部分もあったので、実際演じる方はバランスのとり方は大変だったと思いますね。

――きゅんきゅんポイントがたくさんありましたが、監督がこだわったところ、意識されたことは?

結果的に観た方にそう思ってもらいたいですけれど、僕としてはきゅんきゅんさせて撮ろうということにフォーカスを当てていませんでした。心が揺れ動いていく上で、色々な行動に出て、それがきゅんきゅんするポイントになったらいいと思っていました。もちろんそれは作品にとってはとても大事な要素なので、ちゃんと撮らなければいけないというのは当然あったのですが、彼らの心の中の動きを大事に撮っていったつもりです。具体的に動きとして難しいなと思ったのは、林間学校の夜に有馬とつかさが布団を被るシーンですね。あの動きは、実は普通にやっても難しい。撮影前にものすごく考えて、浮所君にも何度も練習してもらって作り上げました。

――物語では、麻友(原菜乃華)の存在も大きかったと思います。原さんに監督は「好きにやってみていいよ。やり過ぎたら止めるから」とおっしゃったそうですね?

彼女自身が17歳で役柄にも年齢が一番近いので、彼女が感じて演じることは一番リアルに近いのではないかと思いました。でもびっくりですよね(笑)。本当に17歳ですか?というぐらいの麻友の「圧」が出ていて…。表情、しぐさ、本当にびっくりしました。そういう意味では、「ここではまだ可愛らしく言おうか」ということは言いました。それ以外は言わなくてもいいぐらいの素晴らしいお芝居だったので、彼女の感じた麻友をやっていただきました。

――板垣瑞生さんが演じた長谷部も重要な役でしたが、いかがでしたか?

そうですね。板垣君とも現場ですごく話をしました。僕も映画を監督として撮ることは初めてだったのですが、彼らの人柄に助けられて撮影に挑めたかなと思っています。実際にチャラい役、長谷部をやることに対しても彼なりにいっぱい勉強して、どういう風に、どういう言葉使いにするか考えていました。それを出してもらって、大きく変更することもなく、こういう登場の仕方にしようかとか、動きを最初に伝えながらやっていきました。長谷部のチャラさは彼の中で考えてきてもらったものです。彼自身も毎カット、毎シーン終わるごとに「どうでしたかね?」と話をしにきていて、麻友にしてもそうですが、シーン毎に話をしながらやりました。

――つかさと麻友のシーンも印象的でした。

そうですね。あのシーンを撮るのはちょっと怖かったです(笑)。麻友が感情的につかさに詰め寄りますが、つかさも自分の心を真っ直ぐに麻友に対して言うシーンで、高校生とはいえ、女性同士のああいう話の場にはなるべく個人的にはいたくないなって思っていました(笑)。でも、お話としてキーとなるシーンで、つかさが更に前を向いていく、麻友もただの嫌な子ではなく、色んな思いがあってその行動に出ているという、撮影前からかなり大事なシーンだなと思っていましたので、二人ともすごく気持ちを出してくれて良いシーンになったと思います。

――そうでしたね。伝わってきました。

二人のお芝居で、それぞれの持っている思いが見えるシーンですから、本当にすごいなと思いました。あのシーンで物語が締まる部分もあるので、二人、素晴らしいと思いました。

――監督にとって印象的なシーンは?

最後のキャンプファイヤーのシーンですね。近くにいると怖いぐらいの大きな炎を出して作ったんです。撮影としては二階の大きい窓から見えていて、有馬とつかさの背景として成立させたかった。エンドロールの背景として流れるカットも撮っているのですけれど、振り返ってみると、あのシーンは印象的だなとあらためて思いました。キャンプファイヤーは漫画としてありがちなシチュエーションかもしれないけれど、この映画のストーリーとしては最後のクライマックスであり、一番大事なところなので、何とか印象的にできたと思います。もう一つは、つかさが2回目に告白するシーンですね。つかさが前を向いて、好きという想いを諦めないと決意する、この物語を象徴するシーンなので、ここもいいシーンだと感じています。

――あの家の前でのシーンですね?

そうです。有馬の家に行って、下から大声で告白するという。白石さんに大声出していただいて、けっこういいシーンになっているなと思います。

――今回、初監督ということでしたが、監督は堤幸彦監督のもとでディレクターをされていらして、その影響を受けたことはありますか?

もちろんあります。今回、スタッフにも堤組のメインでやっている方に入っていただきました。撮影の斑目さんとか照明の川里さんとか、美術の長谷川さんもそうです。そういう意味では、初めて映画を撮るにあたって、信頼出来るスタッフと進められたことはとてもよかったです。堤組で一緒にやっていた気心知れたチームでやれたのはベストでした。堤さんの影響はかなり受けていると思います。

――最後になりましたが、映画をご覧になる皆さまに向けてメッセージをお願いします。

僕自身も初めて映画を撮りましたし、浮所君も初めてです。この映画は、好きという思いが溢れたお話で、本当にピュアな話だと思っています。こういうご時世で、人に会うことが少ない、また制限される中で、そういう思いはとても大事だなと思っています。これは原作を見た時に思っていたことから変わりません。そういう思いを感じて、劇場を出る時に観た方の胸が鳴っていてくれたらいいなという思いで作りましたので、是非楽しんでいただけたらと思います。

――ありがとうございました。

 映画『胸が鳴るのは君のせい』
2021年6月4日(金) 公開

出演:浮所飛貴( 少年/ジャニーズJr.) 白石聖 板垣瑞生 原菜乃華
原作:紺野りさ「胸が鳴るのは君のせい」(小学館「ベツコミ フラワーコミックス」刊)
監督:髙橋洋人 脚本:横田理恵
音楽:KYOHEI(Honey L Days)
主題歌:「虹の中で」美 少年/ジャニーズJr.
制作協力:ドリームプラス
制作プロダクション:オフィスクレッシェンド
配給:東映
公式サイト:https://munekimi-movie.com/
Ⓒ2021 紺野りさ・小学館/「胸が鳴るのは君のせい」製作委員会

トップ > PICK UP > 髙橋洋人監督インタビュー! 浮所飛貴(美 少年)主演『胸が鳴るのは君のせい』「浮所君がやりたいと言ってくれたことであのシーンが撮れました」

Pick Up(特集)

error: コンテンツのコピーは禁止されています