映画『ブルーピリオド』公開直前イベントが8月1日(木)に女子美術大学にて行われた。美術に情熱をかける学生たちの姿を描く本作の公開を目前に控え、主演の眞栄田郷敦、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひよりの4人が大学を実際に訪問し、作中で演じたのキャラクター達のように実際に美術に全力を注ぐ現役の学生たちと交流し、学生たちと情熱をぶつけ合うという企画。キャスト4人と学生達が共同製作したド迫力の“青い”絵画を披露。さらに、学生たちからの質問にも応じ、ここでしか聞けない話を語り尽くした。
第一部では6人の学生たちとともに、キャスト4人が絵画を共同制作。今回制作した絵は、主人公・矢口八虎(眞栄田)が美術の世界に飛び込むきっかけとなった明け方の“青の渋谷”の風景と八虎の姿。眞栄田は学生と絵を見つめ、話しながら一筆ずつ描き加えたり、4人それぞれが本作の美術アドバイザーを務めた川田龍や女子美術大学の山本先生へアドバイスを求めたりする様子が見受けられた。高橋は学生が絵をぼかしている方法を見て自らも同じように手を加えてみたりと、作中同様それぞれのキャラクターが乗り移ったように真剣な様子で“青の渋谷”を描いていた。様々な青色を取り入れて描かれた“青の渋谷”は人のいない静けさと太陽が昇りはじめた温かさも感じるまさに早朝の渋谷を感じる作品となった。
第二部では美術に情熱をかけている学生たちを前に、トークイベントが行われた。初めに、会場に集まった学生たちの前で、第一部で制作した「青の渋谷」をお披露目。キャスト自らの手で布がおろされると客席からは驚きの声と拍手が会場を包んだ。制作について聞かれた眞栄田は「(撮影以来描いていなかったので)久々で楽しかったですね。色の作り方や、アドバイスをもらいながら集中してやりました」と絵画制作の裏側を語り、高橋は「本当に集中して制作しました。なんか気付いたら息が切れているような時間で。撮影依頼だったので楽しかったです」と喜びを明かし、板垣は「初めてパステル(顔料を最小限の糊剤で固めた画材)を使って描きました。パステルが琥珀糖に似ていて美味しそうだなと思って…」とお茶目な一面を見せ、会場を笑いに包んだ。
映画についてのトークセッションでは、実際に女子美術大学での撮影をした眞栄田と板垣が当時の撮影を振り返り、眞栄田は「世田介(板垣)と監督の3人で話し合う時間も多く取って、ぐっと距離が縮まったようなシーンだった印象がありますね」と感慨深いような様子で、板垣は「1 年越しに戻ってこれたことが感慨深いですね」と語った。
会場に集まった学生からの質問に答えるコーナーでは、眞栄田、板垣へ【何かに苦戦、葛藤した時どうしていたか?】という質問に、眞栄田は「なんで苦戦しているのか弱点を分析して直接そこを克服するようにしています」と伝え、板垣は「結構諦めも時には大切だなと思いますね」とアドバイスをした。質問した学生からは「諦めも大切だとタメになりました」と2人への返答に会場は笑いに包まれ、板垣が「諦めろってことじゃないからね(笑)」とすかさずフォローを入れていた。
最後は4人へ【これだけは譲れないと思うほど好きなことは?】という問いに対して、眞栄田は「自分を磨くことですかね。なんでもできる人になりたくて、最近伸肘(しんぴ)倒立をやっています。スーパーマンになりたい(笑)」と語り会場は笑いに包まれた。高橋は雰囲気をガラッと変え「余白を失わないようにしています。どんなことにも頑張ることとか努力っていうのはもちろん正義だし、素晴らしいことってみんなが周りの人も言ってくれてると思うんですけど、時にサボったりとかちょっといつもより長く寝ちゃったりとか、友達と買い物に行く時間も努力するためには僕は必要だと思ってるんで、その余白を大事にしています」と語り、眞栄田も共感した様子。板垣は「うすしお味に塩を入れるのが好きで」と言うと会場はまたしても笑いに包まれ、「どれだけ引かれてもこれは譲れないところです」と自慢げに語った。桜田は「自分への理解度は誰にも譲りたくないです。自分にしか分からない気持ちは、自分でちゃんと分かってあげたいなと思っているので、自分と向き合う時間っていうのをすごく大切にしています」と、生活していく上で一番大切にしている考え方を明かした。
最後に眞栄田から「皆さんの感想やそれぞれの視点とか感覚の話を直接聞けたので、僕らもパワーをもらいましたし、公開まであと1週間なんですけど自信をもって公開を迎えられます!」と学生の顔を見て挨拶しイベントを締めくくった。
映画『ブルーピリオド』8月9日(金) 全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
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