ノラ・ジョーンズに続く大型新人として、アメリカの名門レーベル「ブルーノート」から2008年にデビューしたプリシラ・アーン。これまで3回のジャパン・ツアーの成功、フジ・ロックフェスティバルへ2回の参加に加え、最近ではNHKプレミアムドラマ「そこをなんとか2」の主題歌も書き下ろすなど、日本での活動と人気を着実なものにしてきた彼女が、このほど『プリシラ・アーン・ベスト』と題したカバー曲、書き下ろし曲を含めた全16曲のベストアルバムを発表。CDリリースのプロモーションなどを兼ね9月初旬に来日し、多忙な時間の中、RanRan Entertainment(ランランエンタメ)のインタビューに応じて頂いた。
プリシラ・アーンといえば、その魅力的なピュア・ヴォイスとやさしいアコースティックな音楽、モデルのような美しいヴィジュアルで、あっと言う間に日本でも知名度と人気を獲得しているシンガーである。インタビュー当日は、NHKの「あさイチ」で生演奏を披露した日の午後ということだったが、疲れた表情ひとつ見せずに丁寧に質問に答えて下さった。
―まず、今回の来日の目的とご自身から自己紹介をお願いいたします。
プリシラ・アーン(以下プリシラ):このベストアルバム『プリシラ・アーン・ベスト』のプロモーションと、今日はNHKの「あさイチ」に出演させて頂きました。
―ジョージア州で生まれ、ペンシルべニア州で育ったということですが、ご自分にとっての故郷とはどのようなイメージでしょうか?
プリシラ:生まれた場所よりも、育ったペンシルベニアのほうがとても長く過ごしていたので自分にとっての故郷はむしろペンシルベニアだと感じています。今はロサンゼルスに住んでいまして、LAに移ってから既に11年ほど経っています。LAはある意味で第二の故郷だと思っています。
―音楽を始めたきっかけは8歳ごろに、通っていた教会で歌い始めたそうですね。その頃はソロとして歌っていたのでしょうか?それとも聖歌隊で?
プリシラ:その時は教会で一人で歌っていたのですよ(笑)。人前で初めて歌ということで、たくさんの人から「上手!」と褒めてもらって、子供心にそのように言っていただけるのがとても楽しくて、嬉しかったことを覚えています。
―ソロで歌っていたということは、その前から「あの子は上手!」と評判になっていたからですか?
プリシラ:元々母親がとても歌が上手くて教会で歌っていたのです。そういうことから、「うちの娘も歌えますよ」と話していたようで、クリスマスコンサートで歌ったりしていました。教会の音楽監督のような方の前で、ちょっとオーディション的な感じで歌ったりして決まったのだと思います。
―お母様の影響がとても強いのですね。ピアノもお母様から習われていたのですか?
プリシラ:最初は母が教えていましたが、なんだか教えられて弾くというのが子供の頃は少し嫌だったというか・・・言われなくてもわかるのよっていう事を言ったりしていた時期があったので、自分で独学で勉強したという感じです。ピアノはそんなに上手くはないんですよ~(うふふ!と可愛らしく笑って)
―また、14歳の頃からお父様の勧めでギターを習い始めたそうですが、ギターに関してはお父様から習ったわけではなく、先生に就かれたのですか?
プリシラ:父も昔から「ギターを弾いたらいいよ!」と一生懸命言ってましたが、母の時と同じで私は言われると嫌だったのです。でも高校に入ったら、いいなと思っている男の子がギターを弾いていたので、「じゃあ、私もやろうかな?」と思ったのがきっかけです。アコースティックギターです。(と更に可愛らしい声で、少女のように笑う姿が印象的!)
―ということは、やはり音楽一家で育ったということですよね。
プリシラ:そうですね、母もそうですし父もたくさんの音楽を聴いていました。
―どのようなジャンルの音楽ですか?特に好きなアーティストは?
プリシラ:一番大きな影響を受けて、大好きなのはニール・ヤングです。その他、ピンクフロイドとか、ビートルズ、ボブ・ディランでしょうか。お気に入りは、ニール・ヤングの『Rockin’ In The Free World』という曲が好きで、この曲は彼にしてはとてもロック調な雰囲気なのですが、これを7、8歳の頃に自分がロックスターになった気分でエアギターしながら、ガンガンに踊って歌っていた記憶があります(笑)。
―ご自分で作曲し始めたのは、いつ頃でしょうか。
プリシラ:すでにギターを初めて手にした14歳の頃から実は曲を書き始めていました。自分でコードの勉強をし、ちょっとした曲を書いていたり、詞を書いていました。この歌詞を書くということは、小さい頃から短編の小説を書いたり、詩を書いたりということが好きだったので自然にできました。
―16歳からコーヒーハウスで弾き語りをしていたそうですが、演奏だけのためですか?それともアルバイトという感覚でしたか?
プリシラ:一番最初に歌ったコーヒーハウスというのは、高校の先生が生徒のために音楽と詩の朗読ができる、ステージのようなものを作ってくれて、そこで初めて自分のオリジナル曲を披露しました。その後17歳ごろからは実際にお金をいただける(プロとして)コーヒーハウスで歌っていました。
―その流れで19歳の頃にLAに移り、2008年にブルーノート・レコードと契約しデビューされましたが、そのコーヒーハウスで歌っていた時にスカウトされたのでしょうか?
プリシラ:いえ、そうではないのです。勿論コーヒーハウス時代の学生時代に出会ったプロデューサーの方とはデモテープは作ったことはありますが、それはできれば今後も誰の耳にも触れて欲しくないような(笑)本当にまだまだ下手な頃だったので。本当に音楽をやろうと思いLAに出ていくことになり、本格的にデビューしたわけです。
―ご自分でデビューに向けデモテープを作り、(レコード会社に)持ち込んだのですか?
プリシラ:そこまで自分から持ち込むほど積極的なタイプではなかったのです。フィラデルフィア時代に作ったのとは別のプロデューサーの方で、エイモス・リーというミュージシャンのプロデュースをしていた方と知り合って、ちょっとしたデモを作ったりしました。そして彼がロサンゼルスに住んでいたので彼を訪ねる形でロスに出ていったんですね。
―こうして日本で活躍することになってきっかけとして、大の日本のアニメ好きでも知られるプリシラさんですね。小さい頃から家で日本のアニメに触れていたのでしょうか?それとも映画館まで足を運んでいたのですか?
プリシラ:実は日本のジブリ作品などのアニメを見るようになったのは、子供の頃でなく20歳になった頃だったのです。その当時LAにいたアーティストの友達で、その友達は何度も日本に行ったことがあって、「これは見たほうがいいよ」と勧められて本当に好きになってしまいました。でもまさか、今こうして日本に何度も来るようになるとは、その頃は思ってもいませんでした。
―今回リリースされた『プリシラ・アーン・ベスト』の中で、日本のカバー曲を歌う時にはどのようにイメージを作って歌われたのでしょうか。
プリシラ:やはり最初、曲をいただいた時にその曲と自分が繋がりを感じられる曲でないとなかなか歌うことができないので、その繋がりを感じられるかどうかということが大切でした。そしてその感じたことを、より深く知りたいので日本語の歌詞自体は、意味がよくわからないので訳していただいて、一言一言意味を理解した上で歌っています。曲をカバーするときには、自分が純粋に歌えて共感できるかどうかということが決め手になると思います。
―中にはマツモトキヨシのCMソングもありますよね。(『Storyは街角に』)日本ではメロディーラインを聴くだけで、その企業の商品だとわかるぐらいにCMソングは企業のイメージそのものだったりしますが、日本とアメリカでは事情も違うと思います。何かCMソングを作られた時のエピソードを教えてください。
プリシラ:これは実を言うと、昔書いた曲なのです。最初マツモトキヨシさんはドラッグストアと聞いたので、アメリカのドラッグストアとはちょっとイメージが違いました。日本のドラッグストアは、女の子が行くのが楽しくなるような物がたくさん置いてありますよね。だからOKしました。アメリカのドラッグストアなら「あれ?」って思ってしまいます。
―NHKプレミアムドラマ「そこをなんとか2』の曲のイメージはドラマをご覧になって作られたのですか?
プリシラ:「そこをなんとか」のファーストシーズンのほうで、すでに曲を担当させていただいていたので実際、ドラマを見せていただいていました。全体的なイメージや登場人物は今回の2でも同じなので、よく解っていました。ラッコちゃんという主人公の彼女が、1に比べると2では力強い女性に成長しているので、その辺を反映して主題歌を作りたかったし、どういう話になるのかな?ロマンスはあるのだろうか?ということは事前に質問させていただきました。
―最後に今後の日本での活動について、そしてファンの皆様へメッセージをお願いいたします。―
プリシラ:まず、本当に日本の皆様には応援して頂いた事を心から感謝いたします。皆様の応援とサポートがあったからこそ、こうして何度も日本へ来られていろいろなチャンスを頂き、毎回日本へ来るのが楽しみです。そして、NHKプレミアムドラマ「そこをなんとか2」を是非ご覧になって頂きたいです。12月1日に大阪、森ノ宮ピロッティホール、3日が東京、目黒パーシモンホールと2回のコンサートで戻ってきます。この時はバンドでこのベストアルバムの曲もたくさん演奏します。どうぞよろしくお願いいたします。
―インタビュー後記―
最後にサインを頂くときに「ご主人との馴れ初めはどうだったのでしょうか?」と質問すると、満面の笑みで嬉しそうに「話したら長くなってしまいます!プロポーズの言葉は特に無かったんですよ。話しているときに自然にそのような流れになって、結婚したのです。」と綺麗な声で話してくださいました。天使のような空気がプリシラ・アーンさんの周りには常に漂っていて、心地よい余韻が残るインタビューとなりました。
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① プリシラ・アーン チェキ希望
② お名前
③ ご連絡先
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締切:10月10日
☆☆初のフル・ベスト・アルバム☆☆
「プリシラ・アーン・ベスト」 好評発売中!
1.ベスト・アイ・キャン(※NHKプレミアムドラマ「そこをなんとか2」主題歌
2.ドリーム
3.やさしさに包まれたなら
4.恋する時間
5.アイル・ビー・ゼア(※NHKプレミアムドラマ「そこをなんとか」主題歌
6.イン・ア・トゥリー
7.風(※東海テレビ/フジテレビ昼ドラ「モメる門には福きたる」挿入歌
8.リーヴ・ザ・ライト・オン
9.リメンバー・ハウ・アイ・ブローク・ユア・ハート
10.幸せの見つけ方
11.カントリー・ロード(アコースティック)
12.Storyは街角に(※マツモトキヨシCMソング)
13.サヨナラCOLOR~英語バージョン~
14.ウォールフラワー
15.風の谷のナウシカ
16.ベスト・アイ・キャン~アコースティック・ヴァージョン(※NHKプレミアムドラマ「そこをなんとか2」挿入歌
☆☆プリシラ・アーン来日公演決定!!☆☆
「Priscilla Ahn JAPAN TOUR 2014」
開催日時 ・ 会場
2014年 12月1日(月)開場18:00/開演19:00 【大阪】森ノ宮ピロティホール
2014年 12月3日(水)開場18:00/開演19:00 【東京】めぐろパーシモンホール
チケット料金
全席指定¥8,500(税込)
※未就学児入場不可/枚数制限4枚
公演・チケットに関するお問い合わせ先
【大阪】キョードーインフォメーション
http://www.kyodo-osaka.co.jp/schedule/E013901-1.html
06-7732-8888(10:00~19:00)
【東京】サンライズプロモーション東京
http://www.sunrisetokyo.com/schedule/details.php?id=2514
0570-00-3337(10:00~19:00)
取材:文/写真 RanRan Entertainment
撮影:Yasuhiko Akiyama