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2014年10月12日 23:34

イタリアのまぶしき才能!デュオ・ガッザーナ、ミニ・リサイタル開催!

2014.10.07 取材:記事・写真/RanRan Entertainment

 

10月7日HAKUJU HALL(東京都渋谷区富ヶ谷)にて、イタリアの「デュオ・ガッザーナ」によるミニ・リサイタル&トーク・イベントがユニバーサル・ミュージック主催により開催された。

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デュオ・ガッザーナはヴァイオリンのナターシャ・ガッザーナ、ピアノのラファエラ・ガッザーナの2人で構成される姉妹デュオで、今回フィレンツェと姉妹都市の関係にある岐阜市、美濃市でのイベントのため来日、東京でも初のイベントを行った。

ミニ・コンサートでは、当グループが2014年3月ECMレーベルからリリースした2ndアルバムより次の3曲を演奏。いずれも20世紀以降の現代音楽作曲家によるものだが、バロック風などの様式を取り込んだ、美しく親しみやすい作品を選曲しており、現代音楽家の意外な側面を垣間見ることができた。

1.シュニトケ:古い様式による組曲

2.シルヴェストロフ:J.S.B.へのオマージュ

3.プーランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタより

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続いて、ガッザーナ姉妹のトーク・イベント。

Q:2008年以来の来日だそうですが、日本の感想は?

A:日本の文化が大好きです。そして、聴衆の皆さんが集中して静かに曲を聴いてくれます。

Q:岐阜市、美濃市でイベントを行われて、昨日上京されたということですが、岐阜市、美濃市で行われたコンサートやマスタークラスはいかがでしたか?

A:岐阜市がフィレンツェの姉妹都市という関係で、フィレンツェを代表してコンサートを行いました。岐阜では音響のいい綺麗なホールでコンサートができましたし、美濃ではいろいろな場所を訪問することができました。鵜飼を見学したり、和紙の工場で実際に和紙をすくところをみることができました。マスタークラスでは奨学生のレベルが高く感心しました。合唱も聴きましたがプロのみならずアマ音楽家の層が厚いと思いました。

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Q:演奏いただいたのは2nd アルバムに入っていて、それぞれ個性の違う3作品。まず、シュニトケ。一般的には現代音楽の作曲家として、非常に難しいという印象をもってしまうのですが、この1972年に書かれたこの「古い様式による組曲」はバロック調で書かれていて意外な感じがします。この親しみやすいこの作品について?

A:アルバムを作るにあたって、単に20世紀、21世紀の作曲家の作品を取り上げるのではなく、その作曲家の意外な一面を聴いていただきたかったのです。シュニトケは難解な現代音楽の作曲家という一面を持っています。その聴きにくそうなシュニトケが実はこういった作品も書いているという意外な一面を皆さんに聴いていただきたかったのです。同じような意図をもって他の作品も選びました。

Q:シルヴェストロフのJ.S.B.(ヨハン・セバスチャン・バッハ)へのオマージュは、ヴァイオリンとピアノの響きが融合して独特の響きがでていたが、どんな作品でしょうか?また、シルヴェストロフはデビュー・アルバムにも載っていたが?

A:今回のアルバムでシルヴェストロフは唯一生きている作曲家です。彼は私たちにとってとても近しい作曲家で、この夏私たちのために作曲をしていただきました。2009年に初めてベルリンでお目にかかり、そのとき、J.S.B.オマージュを彼の前で演奏しました。彼はこの混乱や落ち着かない時代が動いていく中で、とても美しいメロディを歌い上げていく、すばらしい作品を書いています。

Q:最後はプーランクのソナタ。1枚目のCDでは、ヤナーチェクのソナタ、ほか20世紀の作品と幅広い選曲をされていますが、アルバムの選曲はどのように?

A:プーランクのソナタは、ヴァイオリン、ピアノのための作品としては、重要なレパートリー。第ニ次世界大戦の「悲劇」というタイトルもついていて、第二次世界大戦の最中に作曲され、そこへの想いが込められています。アルバムにどういった曲を入れるかは、姉妹で決めています。そして、レーベルがECM(*)であることが大きな意味があります。音質、クォリティがいい。いいレパートリーを取り上げてくれます。シルヴェストロフもECMのプロデューサーから紹介いただきました。武満徹は前回来日した時にその作品を知りました。あれから6年経っているのでそれだけの成果があるか、アンコールとして聴いてください。(最後に、武満徹作曲の「妖精の距離」を演奏。)

Q:ECMレーベル:マンフレート・アイヒャー(元ベルリン・フィルのコントラバス奏者)が創設し今年45周年を迎え、クォリティの高い録音で世界的に評価を受けています。その記念の年に2ndアルバムをリリースされたが、どんな気持か?

A:ECMはこだわりのあるすばらしいレーベルであり、そこで録音できることを光栄に思っています。

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≪デュオ・ガッザーナ≫

ヴァイオリンのナターシャ、ピアノのラファエラによる姉妹デュオ。サンタ・チェチーリア音楽院を卒業後、スイスのローザンヌ音楽院で学び、B. カニーノやY. メニューインといった高名なマエストロたちに育まれ、国際的な音楽性と深いヒューマニズムを感じさせる演奏が特徴である。1999年ローマのアウラ・マグナ・サピエンザ大学にて第36回芸術家賞で金メダルと奨学金を獲得。同年セローネ市にて「プライズ・オブ・プロフェッショナル」を受賞。2003年ポテンザ市にてルーカス・チェンバー・ミュージック・コンペティションで1位を獲得。2008年にはフィレンツェ市と岐阜市の姉妹都市提携30周年を記念し、フィレンツェ特使として来日、日本各地でコンサートを行った。2009年、ECMレーベルからデビュー・アルバム『Five Pieces』をリリース、2014年3月には2ndアルバムをリリース。

 

1stアルバム:「Five Pieces」(ECM 4764428輸入盤)

武満徹:妖精の距離、ヒンデミット:ヴァイオリン・ソナタ、

ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ、シルヴェストロフ:5つの商品

2ndアルバム:プーランク、ウォルトン、シュニトケ他作品集(ECM 4810894輸入盤)

シュニトケ:古風な組曲

プーランク:ヴァイオリン・ソナタ

シルヴェストロフ:J.S.B.へのオマージュ、

ウォルトン:ヴァイオリンとピアノのためのトッカータ

ダルラピッコラ:タルティニアーナ第2

 

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