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2017年8月1日 16:10

ミュージカル『パジャマゲーム』で待望の超イケメン役に挑む新納慎也にインタビュー!<前編>

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

1950年代のアメリカを舞台としたトニー賞受賞作品『パジャマゲーム』は、リチャード・ビッセルのベストセラー小説「7セント半」を元に描いたロマンチックコメディ・ミュージカル。演出は、『タイタニック』や『グランドホテル』などを手がけた、今イギリスで活躍中の若手演出家であるトム・サザーランド。元宝塚の北翔海莉演じるヒロイン・ベイブと次第に恋仲になっていく魅力的な男性・シドを演じるのは、大河ドラマ「真田丸」で豊臣秀次役の演技力で注目を集めた新納慎也(にいろ・しんや)。

女装から時代劇まで幅広い役をこなす一方、持ち前の明るさと抜群のトーク力でバラエティ番組にも出演。さらに楽曲提供やライブ等の音楽活動などマルチな才能を発揮し、多方面で活躍している。インタビューでは、念願の二枚目役への意気込みや役に対する姿勢。また、アーティストとしての顔やプライベートな話までたっぷりと語っていただいた。

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「新納慎也ならではの二枚目を作りたい」

――初演以来、ブロードウェイで1000回以上上演され、トニー賞も獲得したミュージカル『パジャマゲーム』。新納さんはどんな印象をお持ちですか?
60年前のミュージカルなので曲のテンポなどは古いですが、テーマ自体は決して古くはなく、今やっと時代が追いついたというか。例えば、僕が演じるシドは独身で、仕事一筋な都会から田舎に来た孤独な男。そんな男が自分の人生と仕事の間で恋に揺れ動く姿を見せるのですが、ヒロインのベイブも、ある程度の年齢まで独身で仕事をしている女性という設定は、今の時代でやっと共感できるようになったなと。当時はみんな20代で結婚するような風潮がありましたが、現代になって30代、40代近くで、ようやく恋愛や結婚を考えるようになってきたので、恋愛や結婚のテーマは共感できる方も多いのではないかと思います。そういったことも演出家のトムにぶつけたら、『それはもちろん古いからもっと現代的に都会的に変えていこうと思っているんだよ』と言っていたので、より現代的な2017年のお客様が楽しめる作品になると思います。

――女装から時代劇まで幅広く演じられていますが、新納さんからみたシド・ソローキンという男はどんな人物でしょうか?
トムと役柄について話をしていたら、周りのスタッフから『新納さん、(シド)そのものじゃないですか』と言われました(笑)。これまで仕事を優先してきた人が、ふと『自分の人生、これでいいのか?』と立ち止まって考えるような年齢になった時、孤独を感じるようになる。ちょうど僕もそんなことを感じるような年齢になりましたし。シドは男の孤独と寂しさみたいなものをもっている人物で、トム曰く『シドはものすごくイケメンでとても女性にモテる。でも、それらを全部排除して仕事をしてきた男なんだ』とのこと。いわゆる二枚目ですよね。面白いこともひとつも言わないし、そんなシーンはないですね。チャーミングには作ろうと思いますけど。

――ミュージカルでは特異なキャラクターなどの演技に定評があることから「ミュージカル界の異端児」との異名をお持ちですが、今回はどのようにシド役を攻略しようと思われていますか?
そうなんですよね~ずっとそう言われるんですけど。そろそろ“異端児”と言われる歳でもなくなってきたんですけどね(笑)。“異端人”とでも書いといてもらえますか?なんかイラン人みたい(笑)。とくに異端なことをしているわけではないのですが、『こういうことできるんだ?』と思われたいですし、できるんですよ。やらせてもらえなかっただけで(笑)。今回、心の広い梅芸さんで(梅田芸術劇場)やらせてもらえることになりまして。すごくチャレンジだと思うのですが、やらせていただくならば、『できます!これくらいのことは。そこを超えての濃いキャラクターを演じてきたので』というところを見せられればいいなと。また、せっかくやらせてもらえるならば、二枚目でも新納慎也が演じるとこうなるんだというような、二枚目だけど代わりがいっぱいいるような二枚目じゃないもの、新納慎也ならではの二枚目を作りたいと思いますね。

――今回、北翔さんとは初共演となりますが、第一印象はいかがでしたか?
初めて稽古場に入って来られた時に、思いっきり宝塚の男役の方だなと。服装や髪型、立ち姿など『オォ~、男役!』という感じ。立ち方も男役の方って独特ですよね。胸を張って足を開いて歌うみたいな。でも、喋っていると所々に見える女性の部分もあるので、ベイブ役にはぴったりだと思います。でもファースト・インスピレーションは『うぉ~!男役だぁ!』でした(笑)。制作発表会の時に、コートを1枚着るだけでも北翔さんは『女性のコートさばきがわかんないんです』と言っていたので、『教えたろかな?』と思って見てましたけど(笑)。『コートから出ている足をどうしたらいいんですか?』とか基本的な質問をされていたので、『俺のほうが知ってるな』と微笑ましく見ていました(笑)。

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――宝塚といえば、真琴つばささんのCD『Desert Rose』は新納さんが作詞・作曲・プロデュースすべて手掛けられたとのこと。音楽活動もされている新納さんですが、ご自身の曲も作詞作曲されるのですか?
自分の曲は割りと作詞作曲をしていてCDも出させてもらっていますが、その流れで真琴さんから『是非やってほしい』とオファーをいただきまして。

――真琴さんのために書かれた曲だったんですね。
まさしく真琴さんのためだけに書きました。ご本人にも『どういう曲がいいか?』とインタビューしたんですけど、『すべてお任せします』と言われてすごく考えましたね。昔から仲が良かったので、マミさん(=真琴つばさの愛称)の中にある部分をうまく歌にできたらいいなと思って。マミさんと一緒にシャンソンのコンサートなどに出演させていただく内に、今まではなかったけどきっとこの手の曲が合うな…とすぐに曲調やテンポ感などは浮かびました。歌詞のテーマは、決してマミさんが砂漠のバラ(『Desert Rose』)であるわけでなく、彼女の声で歌ってもらえたら切なくていいかなと思って作りました。

――どんな時に歌詞は浮かんでくるのですか?
曲づくりはもう“天使が舞い降りる待ち”なんですけれど。降りてきたらバァーと書けるのですが、来ない時は何週間も書けない。蘭寿とむさんの曲も書かせていただいたんですけど、その時はすぐ書けたんです。でも、マミさんの時は難しかったですね。『Desert Rose』『ベルベット』といったイメージが浮かんできて…マミさんはすごく気遣いのできる方なんですけど、心の奥は見せないというか。どんなオープンマインドな人でも心の奥底は開けていないと思うので、そんな“心の芯の部分を開けてくれる人と出逢えたら”という女心を歌詞にできたらいいなと思って書きました。

――なぜそんなに女心がわかるんでしょうか?
なんですかね(笑)。女装俳優だから?(笑)。女性だけでなく男も心に隠し持っていて、そこを理解してくれる女性が本当の理想の人なんじゃないかなと思いますね。

――そんな新納さんの理想の女性像は?
明るい人がいいですね。ネガティブで思い悩んでいる人って色っぽいし、ミステリアスですけど。この歳までくるとやっぱり、明るくてケラケラ笑う太陽みたいな人が一番癒されていいかなって思うんですよね。とくに髪型や体形は気にしない、明るくて僕を好きになってくれる人がいいですね(笑)。

――あまり理想は高くないんですか?
いや、高いです。うるさいですよ~言い出したら(笑)。絵とか描き始めて朝になっちゃいますよ(笑)。

ブロードウェイ・ミュージカルの名作『パジャマゲーム』は2017年9月25日(日)より、東京・日本青年館ホール、10月19日(木)より大阪・梅田劇場シアター・ドラマシティにて上演。

公式ホームページ  http://pajama-game.jp/

 

 

 

 

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