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2019年8月29日 14:45

【前編】東儀秀樹インタビュー 多彩な楽曲が詰まったニューアルバムは集大成となる作品に

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

平安の時代から奏でられてきた、伝統的な楽器、雅楽器にバンドやストリングスなどをミックス&アレンジした新しいスタイルの音楽を提供し続けている、雅楽師の東儀秀樹。8月7日(水)には、オリジナル楽曲と時代を彩った名曲を様々なアレンジで収録したニューアルバム「ヒチリキ・ラプソディ」が発売された。ランランエンタメでは、今回、東儀にインタビューを敢行し、アルバムへの思いや雅楽の魅力、さらには8月10日よりスタートした「東儀秀樹×古澤巌×coba TFC55ツアー」について聞いた。

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――「ヒチリキ・ラプソディ」もまた、これまでの東儀さんのイメージ通り、多彩な楽曲がラインナップされたアルバムになりましたね。

デビューしてから20枚以上のアルバムを出しましたが、そのほとんどが雅楽器を使って、核に古典の雅楽がありながらも、ポップスや洋楽、クラシック、ロック、ジャズなどの要素を感じさせる楽曲が並ぶものであったと思います。ただ、ここ数年間は、カバー曲を中心としたアルバムが多かった。多くの方が知っているカバー曲に篳篥(ひちりき)のようなあまり知らない音色が入ると、興味を持つきっかけになりやすいということもあって、カバー曲を演奏する機会が多かったのですが、僕自身は元々はオリジナル楽曲を作って演奏していたんです。今回は、令和という新しい時代を迎えるに当たって、一つの区切りを迎えるということで自分の集大成となる、自分を改めて見つめ直すような作品にしてもいいのではないかなという思いから、この形になりました。

僕は日常的に曲がひらめくので、今回もすぐにひらめいた曲もありました。東儀秀樹の音楽には、ポップスもあったりロックもあったり、ジャズもあったり、古典雅楽の曲もあったりするものなので、その集大成として作るのならば、やはり誰が聞いても古典雅楽というような1000年前の形式の曲も欲しい。そう思って、伝統的な古典雅楽曲も入っています。

020s

――雅楽とロックなどジャンルを超えたコラボというのは、東儀さんにとっては自然な流れで出来上がるものなのでしょうか?

僕の場合は雅楽を始める前からロックもジャズも、クラシックも童謡も聴いていたし、様々な音楽が好きだった。ロックミュージシャンになりたいと思っていた時期もあるんですよ。なので、雅楽を習得する前から、ロックやジャズなど他のジャンルの音楽に対するノウハウや知識があったし、どのジャンルの曲であっても自然と体に入ってくるんです。

002s

――なるほど。だから、違和感なく、他ジャンルの音楽と融合できるんですね。

僕は、ステージ上で気持ちを表現するためには、一緒にステージに上がるミュージシャンの方たちと気持ち良く交流ができていることが大事だと思っています。そういう意味でも、僕は例えば、ロックの人と一緒に演奏するとなっても、初めての方でもロックな話を最初からできるので、ステージに上がる前からコミュニケーションができています。だからこそ、本番の時にお互いに盛り上げたいという気持ちが生まれるし、すごくいいものが生まれる。だから、僕にとって、さまざまなジャンルの人とコラボすることは頑張ってやっているということではなく、とても自然なことなのです。

017s

――作曲はどのようにされているのですか?

頭の中に音楽が浮かんできます。こういう曲を作ってと言われれば、すぐに作れます。五線紙やピアノを前に悩むということはなくて、日常でふっとひらめくんです。なので、作曲にかかる時間はすごく短いのですが、それを人に聴かせるために作り上げる、頭の中にある曲を具現化するための作業には何日もかけています。今回のアルバムは、僕一人でドラムもベースもギターも篳篥(ひちりき)も演奏しているので、1曲に何時間、何日もかかっていますが、これが楽しくて仕方ないんですよね。 

024s

東儀秀樹「ヒチリキ・ラプソディ」は8月7日(水)発売。ハイレゾ含むデジタル配信同時リリース。

「東儀秀樹×古澤巌×coba TFC55ツアー」は8月10日(土)よりスタート。全国およびハワイで全19公演を予定。

 

 

 

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