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2019年10月31日 14:39

【前編】木下晴香「楽曲にも心惹かれました」ミュージカル『アナスタシア』インタビュー

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

第70回アカデミー賞 歌曲賞、音楽賞にノミネートされたアニメ映画に着想を得て生まれたミュージカル『アナスタシア』がついに日本に上陸する。本作は、1918年、帝政ロシア時代の最後の皇帝ロマノフ2世をはじめ一族が殺害されたというニュースがあふれる中、皇女アナスタシアだけは難を逃れて生き続けているという歴史上の謎「アナスタシア伝説」にもとづいた物語。記憶を無くした主人公アーニャが、自分の過去を取り戻し、愛する家族と自分の心の帰る場所を見つける旅路が描かれる。

本作で主人公アーニャを演じるのは木下晴香。昨今ディズニー実写映画『アラジン』プレミアム吹き替え版のジャスミン役、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』でジュリエット役を演じた木下が今何を思って臨んでいるのか。話を聴いた。

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――まず、この作品出演のお話をいただいた時の心境から聞かせてください。

「やった!」という気持ちでした(笑)。オーディションを受けた時、海外のクリエイターの方々とのやりとりが凄く楽しくて。台詞の審査とかもいろいろアドバイスをいただきながらオーディションをやったんですが「この皆さんと一緒に作品を作りたいな」と思ったんです。また『アナスタシア』の楽曲にも心惹かれていたので、この役を是非やりたい、という気持ちでオーディションに臨んでいたんです。だから合格した時は本当に嬉しかったです。

実は「この役を絶対やりたい!」と強く思うと逆にオーデイションがうまくいかない事が多かったんです(笑)。だから、今回どうしてもやりたい、と心の中ではめちゃくちゃ思っているんですが、その気持ちを表に出さないように演じていたんです(笑)。

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――そんな陰の苦労をしていたんですね(笑)。そのオーディションで、海外スタッフはどんな事を木下さんに求めてきたんですか?

台詞の審査の時、「その台詞はそんなに思い悩まなくていいんだよ!もっと明るくていいんだよ!」って言われました。アーニャの性格もあるんでしょうが、海外の方々の根底に流れる明るさをすごく感じたんです。「私っていろいろな台詞を陰の方向に考えていくクセがあるのかな」ってハッとしました。海外の方々のアプローチを尊重しつつ、日本人がやるからこそ生まれる繊細さ、自分の中にある感覚を大切にしながら作り上げていきたいですね。お客さんが観ていても人物の弱さにも心惹かれますし。

先日ディズニー実写映画『アラジン』の日本語吹き替え版のジャスミン役をやらせて頂いた時も、外国の人ってこんな速さで感情を切り替えるんだ、文化の違いで会話も全然違うんだ、という経験をしたので、この『アナスタシア』でも日本ならではの『アナスタシア』を作っていきたいです。

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――そもそもアナスタシアという女性がいた事はご存じでしたか?

まったく知らなかったです。この作品と出会って初めていろいろ調べました。面白いですよね。実際にあった噂からこういう物語が出来るって。

――台本がまだ手元にない状態ですが、今考えているアーニャという女性についてどんな印象を持っていますか?

凄くたくましい女性だと思っています。アーニャは記憶を無くしてここまで生き延びてきた。英語の歌詞を聴くと「森の中で生きてきた」とか壮絶な経験をしてきた女性で、それだけの経験があるからこそ、自分の足で進んできた強さを感じます。 また、明るさも感じます。それこそオーデイションで言われたアーニャの必要な部分であり、彼女が生きていくため、自分を保つためなのかもしれませんが、その明るさも大事なポイントだなって。

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――アナスタシアがアーニャとして歌う楽曲がいくつかあると思いますが、いざ、自分が歌う、となった場合、いかがでしょうか?

初めて楽曲を聴いた時、聴いている自分も何か開放されるような壮大な感覚を受けました。気持ちがすごく良くて最後はロングトーンで終わる曲もあって。毎日部屋で聴いていたんですが、さて歌うぞとなるとまあ難しいったら(笑)。アーニャの力強さを表現するために高いキーまで地声で胸に響かせる歌い方をしてください、とオーダーをいただきました。でもここまでのキーで出した事がなかったので、難しいなと思いつつ、その壁と戦う事のおもしろさがありますね。

――過去に出演した作品の中で『アナスタシア』の楽曲は何番目くらいに難しいと思いますか?

えー!(しばし考える)1位か2位ですね。実写映画『アラジン』の楽曲と争ってます(笑)。オリジナルのジャスミンソロの書き下ろし曲があったんですが、1曲の中でハードな部分があったんです。でも『アナスタシア』は主人公ですし、たくさんの楽曲を歌う事になりますから、それだけたくさんの表現力が必要になる訳で。だから1位か2位ですね。

しかもこの後、クリスティーヌ(『ファントム』)もありますからこの順位は変動するかも(笑)。クリスティーヌを超えてからのアーニャなので楽しみにしていてください(笑)!

後編に続く~

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■ストーリー
舞台は20 世紀初頭、帝政末期のロシア、サンクトペテルブルク。ロシア帝国皇帝ニコライ2 世の末娘として生まれたアナスタシアは、パリへ移り住み離ればなれになってしまった祖母マリア皇太后から貰ったオルゴールを宝物に、家族と幸せに暮らしていたが、突如ボルシェビキ(後のソ連共産党)の攻撃を受け、一家は滅びてしまう。しかし、街中ではアナスタシアの生存を噂する声がまことしやかに広がっていた。パリに住むマリア皇太后は、アナスタシアを探すため多額の賞金を懸ける。それを聞いた二人の詐欺師ディミトリとヴラドは、アナスタシアによく似た少女アーニャを利用し、賞金をだまし取ろうと企て、アーニャと三人でマリア皇太后の住むパリへと旅立つ。記憶喪失だったアーニャは次第に昔の記憶を取り戻してゆく…
同じ頃、ロシア政府はボルシェビキの将官グレブにアナスタシアの暗殺命令を下す。マリア皇太后に仕えるリリーの協力を得て、ついにアーニャはマリア皇太后と会う機会を得るが、グレブがアーニャを見つけ出し…―。

◆『アナスタシア』
日程:2020年3月1日(日)~3月28日(土)東急シアターオーブ
脚本:テレンス・マクナリー
音楽:ステファン・フラハティ
演出:ダルコ・トレスニャク
作詞:リン・アレンス
振付:ペギー・ヒッキー
出演:
<アーニャ役>葵わかな・木下晴香
<ディミトリ役> 海宝直人(東京公演のみ)・相葉裕樹・内海啓貴
<グレブ役>山本耕史・堂珍嘉邦(CHEMISTRY)・遠山裕介
<ヴラド役>大澄賢也・石川禅
<リリー役>朝海ひかる・マルシア・堀内敬子
<マリア皇太后役>麻実れい
公演期間:
【東京公演】2020 年3 月1 日(日)~3 月28 日(土)
【大阪公演】2020 年4 月6 日(月)~4 月18 日(土)
劇 場: 東急シアターオーブ(東京)/梅田芸術劇場メインホール(大阪)
お問合せ先:梅田芸術劇場(東京)0570-077-039/(大阪)06-6377-3800
公式HP:http://www.anastasia-japan2020.jp/
公式Twitter:@AnastasiaJapan
公式Instagram:@anastasiathemusical_japan
企画・制作:梅田芸術劇場
東京公演主催:フジテレビジョン・梅田芸術劇場
大阪公演主催:関西テレビ放送・梅田芸術劇場
オフィシャルエアライン:ユナイテッド航空

 

 

 

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