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【後編】鼓童ワン・アース・ツアー2019『道』インタビュー 齊藤栄一・地代純「鼓童の歴史、心、伝えたいものが詰まった舞台です」

2019/11/19 12:35

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

―今回の「道」の公演は総勢何人ですか?
齊藤:15人ですね。


―その中にベテランから若手までいらっしゃるのですね。
地代:ベテランから最若手まで。年齢も上が65歳で最年少は20歳です。


―齊藤さんは「道」は何回目でいらっしゃるのですか?
齊藤:初演から出ています。


―変わってきたことはありますか?
齊藤:変わってきた云うよりその時その時のメンバーによってカラーは違います。同じ曲を演奏したとしても表現方法が違えば印象もガラッと変わります。今回のメンバーでしか出せないカラーの『道』」を楽しんて頂けたらと思います。

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(左から)地代純 齊藤栄一

―新曲もありますか?

齊藤:「有頂天」という曲はメンバー2年目の平田裕貴が作りました。今回の『道』のために作ってもらった曲です。また曲ではないですが、舞楽を新たに習ってきたものを「HITOTSU」と云う演目の中に取り入れています。

―曲は誰が作るというのは決まっているのですか?

齊藤:決まっていないです。僕も作ることもありますし、創作意欲の湧いてきた人が作曲したり、メンバーが集まって意見交換や試行錯誤しながら作ることもあります。

―公演は太鼓だけではないですよね?

地代:この公演でいうとガムランというインドネシアの楽器を使ったり、木の実をジャララと使ったり、鈴を使ったり、いろいろなワールドワイドな楽器を使っています。

齊藤:年の3、4か月は海外ツアーに出るので、そこで出会った珍しい楽器や関心のあるものは取り入れてます。

―演出家の方だけでなくメンバーも?

齊藤:そうですね。いろいろなところでかき集めてきた楽器を、「これ面白いんじゃない?」ということで。みんなでアイディアを出しながら、それを最終的に演出家がまとめていくという形です。

―年に何回も海外に行かれたり、ワークショップをしたり、公演も今年も「道」だけでなく他もやっていらっしゃいますが、お稽古はいつやっていらっしゃるのですか?

齊藤:だいたい毎年4月の1ヶ月間に4、5日単位で、この期間は「道」の稽古、この日からこの日は他の作品の稽古みたいな感じです。

毎年8月に佐渡で「アース・セレブレーション(EC)」という音楽祭をやっているのですが、12月分の稽古の翌日にECの稽古。目星が着いたらやっと春ツアー稽古をしたりと、もう前後がわからないぐらい忙しいです。

―来年の3月までの稽古が終わっているということなのですね

齊藤:えぇ。稽古再開直前に、ビデオに撮っておいたものを見て、「えっこんなことやっていたの?(笑)」などと言いながらしっかり固めて出ていくという感じです。

―それは佐渡の稽古場でやっていらっしゃるのですか?

齊藤:そうです。佐渡の山の中の落ち着いた環境の稽古場です。

―齊藤さんは82年に入られたのですね?

齊藤:はい。鼓童結成が81年で翌年ですね。

―ほんとうに初期ですね。

齊藤:当時研修所はなく試験もありませんでした。「入りたい」といったら「どうぞ」、「辞めたい」といったら「どうぞ」。ほんとうに簡単だったんです。入ったら即先輩と同じ稽古をする、最初に入った日、お昼ぐらいに佐渡に着いたのですが、踊りの稽古があって、いきなり「齊藤君、一番後ろについて踊って」と言われて踊りました(笑) 「見て覚えて」って。そんな感じでした。

―入られたきっかけは何だったのですか?

齊藤:80年代はバブリーだったので、何やっても生きていけるというような感覚でいたのです。会社勤めではない何かで生きていきたいなぁと思い、ぼんやり考えていた時にたまたまその鼓童の前身の「佐渡の国鬼太鼓座」のコンサートを観たのです。その時に小耳にはさんだのが、この人たちは仕事もせずに太鼓だけ叩いて世界中を回っている!と。高校2年生だったのですが、まぁパラダイスですよね。(笑) それで興味を持って、3年生の夏休みに佐渡に行ったら、「卒業したらおいで」と言われました。太鼓に興味もないですし、触ったこともなかったけど、そんな生活に憧れて行っちゃいました。

―入ってみていかがでしたか?

齊藤:小学校の廃校で集団生活をして、朝は起きたらまず走る、マラソンも走る。で、日中は太鼓の稽古ばかりやっているというのは聞いていたので、まぁこんなもんかなぁと。高校生卒業したばかりだったし、若い分どんなことにも耐えられました。もちろん稽古はキツいお金もなくて大変だったけど、ここに居れば仕事もせずに世界中回れると思ったので頑張りました。

―その頃に先輩方に言われたことで印象に残っていらっしゃることはありますか?

齊藤:そうですねぇ、入って4、5年はがむしゃらでしたから。先輩から言われたことに、ハッと気づくのは早くて10年過ぎたぐらいじゃないですか。それも具体的にあれがこれがというのではなく、何気なくやっている時に、「あっこれそういえばあの時に言われたことなのかなぁ」という気づきですかね。

―当時は厳しかったですか?

齊藤:厳しかったです。朝は5時50分に起きて、体操して朝6時から10キロ走るんです。起き抜けに。それを大体50分ぐらいで帰ってきてしまうので

―速いですね

齊藤:はい、僕も大体55分ぐらいでいつも帰ってきてましたが、それは月曜から金曜日まで。土曜日は朝20キロ走るので、もう1時間早く起きていました。

―それは今でも続いているのですか?

地代:今は走る距離が減っていて6キロぐらいになっています。

齊藤:でもコースの最後に急な坂道があるからね

地代:代わりに勾配の急な、半端ない坂道があって全力ダッシュしないといけないんです。

―舞台を拝見するとすごい筋肉ですが、それは太鼓と走ることで鍛えていらっしゃるのですか?

齊藤:太鼓だけですね。

―筋トレなどではなく?

齊藤:そうですね。叩くことで。

地代:僕ら、(ダンベルをあげる真似をしながら)こういうのは上げられないです。

齊藤:筋肉の質が違うのです。重いもの持をち上げる筋肉でなく、瞬発力の筋肉なので、どちらかというとムキムキだと腕が重くなってしまうのでちょっと不利になるかなと思います。まぁそういうメンバーもいますけれども(笑)。「道」のメインビジュアルの彼(中込健太)なんかはサイボーグみたいな体ですよね。

地代:彼(中込)も筋トレしないですよ。腕立ては苦手です。

―先輩方から今、言われることはありますか?

地代:今、そうですね、いろいろあります(笑)。公演ごとに大きいことから小さいことまで改善の時間があって、みんなでミーティングをして、前回の公演はどうだったか皆で話し合う時間があるので、そこで、少しでも前回の公演より舞台が良くなるように、毎回やっています。空気感であったり、もう少しここの気配を消した方がいいよとか、ドンをトンにした方がいいよとか、マニアックなアドバイスもありますし、もう少し出を早くした方がいいよとか具体的なこともあります。

―各地公演していらして、違いはありますか?

地代:毎回ホールが違えば僕らの音の出し方も違いますし、リハーサルの時間にサウンドチェックという時間があるのですが、そこで音の出し方を変えたりしています。音階が太鼓は無い分、音のタッチで出てくる音が変わってくるので、拘っています。

―齊藤さんはいろいろな後輩たちを迎えてきて、時代によって変わってきていますか?

齊藤:変わっていると思います。僕も若い人たちの感性に影響を受けますし、そういう意味では上の人間が下に教えるというのではなく、相互関係というのか、刺激し合うという形でお互いに成長していけるようなグループだと思います。もちろん先輩後輩はありますが、変な上下関係はないです。はっきりいって彼(地代)は息子より若いのですけれど(笑)、。お互い遠慮なく意見が言える、”なあなあ”ではない友達関係みたいな形で接することができる不思議なグループですね。

―玉三郎さんの演出の期間が長かったですが、影響はありましたか?

齊藤:教わったことの質の高さ、立ち居振る舞いから、音を出すまでの心構えというか、細かく説明するというのでなく、自然に一つ一つ、こうしてごらん、あぁしてごらんということが最終的にすーっと真ん中に集まっていくような感じでした。10年前にお会いした時には言われていることのレベルが高すぎて、理解が追いつかないこともしばしばありましたが、それが年を追うごとに、10年経って少しずつ「あぁこういうことだったのか」とやっと腑に落ちるところまで来ました。

―何か具体的にありますか

齊藤:僕にとって難しかったのは、それまで大きな音で「発散する」表現だったのを、逆に静かに「内に秘める」ことで強さを表現するって感覚。あるところのテンションは保ったまま静かに強く、、、

―難しいですね

齊藤:はい、その頃はサッパリでしたけど、今考えるとなるほどなぁと感じてきて、自分たちなりにやっとそれを公演に組み込めるようになったのが大きいです。

―何年ぐらい、玉三郎さんの演出があったのでしょうか?

齊藤:2000年に出会って、2001年から演出など舞台作りをお願いしまして、2012年から16年まで芸術監督でお世話になりました。任期満了後も引き続きアドバイスなどをいただいています。

―確実に影響していらっしゃるわけですね。

齊藤:具体的ではないのですが、ひとつひとつの音の大切さや呼吸の仕方など。それが今回の「道」に表れていると思います。見た目にどう違うとか、演出的に何がというわけではないのですが、舞台に向かう上での心構えですとか音の出し方を教わって進化した、今年の「道」ということだと思います。

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―今回の「道」でお客様に見ていただきたいところをお聞かせください

齊藤:鼓童創設当初、その前の10年間の「佐渡の國 鬼太鼓座」から今現在まで受け継いで大切にしてきた「心の叫び」が詰まった公演です。でもあまりその辺を頭で考えるのでなく、見終わった時に、「あーこれが現在(いま)の鼓童なんだ」と感じていただけると幸いです。鼓童のいいところは、飾らすに太鼓を叩くということを大事にしてきたグループだと思いますので、直向きに打ち込む姿に何かを感じていただければいいなと思っています。

地代:鼓童や和太鼓を知っている方はもちろんなのですが、あまり鼓童や和太鼓を知らないお客様にも和太鼓のイメージを覆すような舞台にもなっていると思います。例えば大きい、ダン!という音から、小さい音までいろいろな音色がつまった2時間になっています。とにかく何も考えずに体感してほしいです。そして体の細胞を活性化させて、年末を迎えていただけたらと思います。

―今回の豪雨、台風で色々な被害が出ていますが、さきほど祈りのお話もありましたが、何か思いがおありでしたらお聞かせください。

齊藤:そうですね、僕たち鼓童は「ワン・アース・ツアー」というテーマで世界中を旅しています。「ワン・アース」とは「一つの地球」という意味です。太鼓を持って世界を巡り、太鼓を介し宗教や文化を超えた繋がりを感じたり、平和を共有できるようになれば、という願いを込めて活動をしています。また、東日本大震災が起きた後、被災地を応援する曲を作って発信したり、芸能復興を支援する取り組みを「Heartbeat プロジェクト」というものを立ちあげて行ってきました。僕たちがこうやって太鼓を叩くことによって、苦しんでいる皆さんを、間接的にですが同じ思いになって助け合い、思いやりの輪を広げられたらなぁと思っています。

前編~ http://ranran-entame.com/music/64374.html

鼓童ワン・アース・ツアー2019『道』日本ツアー

公演詳細 https://www.kodo.or.jp/performance

2019.11.20(水) 新潟県佐渡市 アミューズメント佐渡 大ホール
2019.11.23(土) 茨城県神栖市 神栖市文化センター 大ホール
2019.11.24(日) 千葉県八千代市 八千代市市民会館 大ホール
2019.11.30(土) 新潟県長岡市 長岡市立劇場 大ホール【完売】
2019.12.01(日) 新潟県新潟市 新潟県民会館 大ホール
2019.12.06(金) 神奈川県茅ヶ崎市 茅ヶ崎市民文化会館 大ホール
2019.12.08(日) 神奈川県相模原市 相模女子大学グリーンホール 大ホール
2019.12.14(土)、12.15(日) 京都府京都市 京都芸術劇場 春秋座
2019.12.18(水)〜12.22(日) 東京都文京区 文京シビックホール 大ホール


 

 

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