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2019年12月2日 16:24

【前編】壮一帆インタビュー 音楽劇「ロード・エルメロイII世の事件簿 -case.剥離城アドラ-」で初めての2.5次元作品に挑戦

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

2016年に宝塚歌劇団を退団し、その後も女優として数々の舞台・ミュージカルで活躍している壮一帆が、音楽劇「ロード・エルメロイII世の事件簿 –case.剥離城アドラ―」で2.5次元作品に初挑戦する。本作は、三田誠による同名小説を舞台化した魔術ミステリー。ロード・エルメロイII世とその内弟子のグレイが、魔術の世界で引き起こされる事件に立ち向かう姿を描く。魔術世界の中心である「時計塔」を管理・監督する「法政科」に所属する魔術師・化野菱理役を演じる壮に、初めての2.5次元作品への思い、見どころを聞いた。

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――ご出演が決まったお気持ちからお聞かせください。

私の今までの経験と、今持っている力でどれだけ役に頼り切らないものを出すことが出来るかということをまずは考えました。「2.5次元作品」と呼ばれる舞台に挑戦するにあたって、私が出る意味をどういうところに見出せるのか、と。

――2.5次元作品は初めてのご出演ではありますが、宝塚歌劇団時代には『ベルサイユのばら』にもご出演されていました。「ベルばら」も漫画原作なので、ある意味、2.5次元作品と言えなくもありませんが…。

そう、2.5次元作品ではあるんですよ(笑)。でも、例えば『ベルサイユのばら』で言うならば、宝塚では「壮一帆がフェルゼンをどう演じるのか」、2.5次元では「フェルゼンを壮一帆がどう演じるのか」になるんです。演じる側にとってこれは大きな違いがあって、ある意味、真逆なんですよ。宝塚は俳優ありきの役なんです。『ベルサイユのばら』は宝塚においては古典で、歴代のアンドレがいて、アントワネットがいて、フェルゼンがいて、オスカルがいてという歴史があるから言えることでもありますが…。ただ、新作のアニメや漫画原作の作品を上演するにおいても、ある程度の役のビジュアルは重要視されますが、一方では宝タカラジェンヌの個性が最大限に表現されます。

2.5次元作品はキャラクターの重要度が大きいと思うんです。それは、ファンの方がそこを求める声が大きいからだと思いますし、私自身ももちろん、楽しみにしているファンの方の期待を裏切ることなく演じたいと考えていますが、それに加えて、何かもう一つ超えたものを表現できないのかなというのは思っています。それは自分の個性を出しすぎて役の個性を無視するということでは決してなく、キャラクターだけに頼るのではなく、そのキャラクターに俳優の力を上乗せするような役作りをしていきたいと思っています。

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――実際に今現在、どのような形で役作りをされているのですか?

稽古当初に、演出の元吉庸泰さんから菱理について「蛇のような女」とお聞きしました。この言葉が私にはすごく印象的で、これは(役作りの)ベースになるなと思ったんです。もちろん、蛇と一言で言っても抽象的ではあるので、自分の中で具体的にどうやって蛇のようにしていくかということを、今、元吉さんと創っている最中です。この物語は、菱理が物語前半でどのような爪痕を残しているかがキーポイントになってくると思います。なので、それを意識しながら、感情をどのくらいストレートに出すのか、表情はどうするのかなど、細かいことも含めて、話し合いで決めていこうと思っています。

――原作はご覧になりましたか?

はい、小説と漫画を拝見しました。

――どのような感想を持ちましたか?

初めてこのようなジャンルの小説ルを読んだのですが、読み物としてとても面白かったです。一般的な小説とは、キャラクターの濃さが違うのかなとも感じましたね。人物描写がすごくしっかりとしていることに驚きました。

――そうすると、原作を読んで役のイメージはつきやすかったんではないでしょうか?

ビジュアルのイメージはつきやすかったです。ビジュアルはその人の個性を最大限表現しているので、役作りにおいてもとても大きなヒントになりました。

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――すでにキャラクタービジュアルも発表されましたが、ビジュアル撮影はいかがでしたか?

髪が長いので、それが大変でした。原作では「くるぶしまである」と表現されていたのですが、実際に撮影でもそれくらい長くて重たかったです(笑)。撮影時の、ものをそのまま本番で使うのかどうするかは、まだ調整中ではありますが、髪の長さは菱理というキャラクターの特色でもあると思うので、ファンの方の期待を裏切らないようにしたいと思っています。それから、メガネもキーポイントだと思うので、これも効果的に使えたらと思っています。どのタイミングで添えるかなど、今考えているところですね。

――2.5次元の作品はビジュアルに力を入れていることが多いので、撮影もほかの舞台や宝塚と大きな違いがあったのではないですか?

そうなんです、新鮮な驚きがありました! 重要視されるポイントが、こんなにも違うんだと思いましたね。髪の毛の流れにいたるまでこだわってくださっていたので、ファンの方にも喜んでもらえるものになっていると思います。

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――現在、お稽古も進んでいるということですが、稽古場の雰囲気はいかがですか?

今回、ロザリンド役のWキャストの二人(種村梨白花とソニア)と花王(おさむ)さん以外は、メインキャストは全員関西人なんですよ。キャストみんなでご飯を食べに行ったら、みんなが関西弁で、男女関係なく、容赦なく突っ込みの嵐だったので、おかしくなってしまいました(笑)。ラテン的な明るさがあるカンパニーだと思います。

――それでは、皆さん、すぐに打ち解けたんですか?

稽古初日にご飯に行ってました。そのノリの良さも私には合っていて、心地よいです。私は、2.5次元は初めてということもありますし、キャストの中では上の世代なので、みんなが緊張するかなとは思ったんですが、すぐに緊張を解いてくれたように思っています。

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音楽劇「ロード・エルメロイII世の事件簿 -case.剥離城アドラ-」

【プレビュー公演】2019年12月15日(日)市川市文化会館 大ホール
【東京公演】2019年12月19日(木)~23日(月) なかのZERO 大ホール
【大阪公演】2019年12月26日(木)~28日(土) サンケイホールブリーゼ
【福岡公演】2020年1月11日(土)・12日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【東京凱旋公演】2020年1月17日(金)~19日(日) 新宿文化センター 大ホール

原作:三田誠/TYPE-MOON キャラクター原案:坂本みねぢ 総合演出:ウォーリー木下 脚本:斎藤栄作 演出:元吉庸泰
出演:松下優也 青野紗穂/納谷健(劇団Patch) 伊崎龍次郎 浜崎香帆(東京パフォーマンスドール)/百名ヒロキ 木戸邑弥/松田慎也 木村風太 種村梨白花 ソニア(Wキャスト)/植田慎一郎/玉置成実 花王おさむ/壮一帆 ほか
公式サイト https://stage-elmelloi.com/

 

 

 

 

 

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