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尺八と墨染の世界 内野聖陽主演・話題の異色『ハムレット』が遂にベールを脱いだ

2017/4/9 09:04

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

寂静感あふれる尺八の音色、ピンスポットで浮かび上がるモノクロームな世界。なんて不思議な世界観なのだろう。46日、内野聖陽主演、実力派俳優たちが集結したとして話題となっていた『ハムレット』のゲネプロが池袋の東京芸術劇場「プレイハウス」にて行われ、遂にその異色の『ハムレット』がベールを脱いだ。

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シェイクスピア悲劇の全編を覆うキリキリと張りつめた空間を“和楽器の貴公子”藤原道山の尺八一本が作り出す。ほとんど舞台装置もなく余計なものをそぎ落とし、役者の力量だけで魅せる舞台。このミニマリズムな舞台の演出を手掛けたのは、シェイクスピア劇の総本山と称えられる英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエート・デイレクターである名演出家ジョン・ケアードだ。驚くべきは通常出演者が2030人に登るこの壮大な舞台を俳優たちが複数役を演じることによりわずか14人で上演するということだろう。なんと主役の内野聖陽でさえ、ハムレットの他にフォーティンブラスのなど複数役をこなしているのだ。

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その究極ともいえるミニマリズムな舞台を実現するためには相当に役者の力量が必要となる。当然今回の舞台を彩る役者陣は、とにかく実力派揃いだ。敬愛する父とその父を毒殺し王の位と母を奪った憎悪すべき叔父クローディアスの二役を演じる國村隼。墓堀と旅回りの一座の座長を演じる村井國夫。ゲネプロでは、村井がセリフを忘れるというハプニングがあったが、それすらも笑いに変えて観客を楽しませる見せ場としてしまうその演技力は、今更語るまでもない。ヒロイン・オフィーリアの父、ポローニアスを演じる壤晴彦、ハムレットの親友ホレイショーを演じる北村有起哉のベテラン勢はもちろん、オフィーリアの兄でハムレットと決闘を行うレアティーズを演じた若手俳優・加藤和樹の好演も光っていた。ヒロイン・オフィーリア役には同じく若手実力派として活躍する貫地谷しほり、ハムレットの母のガートルード役には、浅野ゆう子と豪華な顔合わせが実現している。

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はかまを模したやわらかな素材の衣装。投影された桜の木々のような墨絵が儚さと暗雲たちこめる登場人物の運命を暗示する。場面転換も、内野曰く「気体のような、液体のような」役者の動きにより、墨染のような世界と相まって、まるで映画の中で映像がクロスするような錯覚を起こさせる。そんな幻想的な世界の中で、3時間20分の間、ほぼセリフを話しっぱなしの内野。「ハムレットというのは、とにかくよくしゃべるものだ(笑)」とコメントしているが、モノローグ(独白)も多い舞台で、一人舞台にたち、ハムレットの苦悩を内野の熱力だけで、観客を引き込む舞台を引っ張っていく。

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ジョン・ケアードが作り出したこの「ハムレット」は万人向けの舞台ではないかもしれない。しかし3時間20分―。役者の熱量と同じだけの熱量をもって観劇できるものにとっては最高の舞台であることは間違いない。

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『ハムレット』
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
上演台本:ジョン・ケアード 今井麻緒子
演出:ジョン・ケアード
音楽・演奏:藤原道山
出演 内野聖陽 貫地谷しほり 北村有起哉 加藤和樹
山口馬木也 今 拓哉 大重わたる 村岡哲至 内堀律子 深見由真
壤 晴彦 村井國夫 浅野ゆう子 國村 隼
公式HP https://www.hamlet-stage.com



 <東京公演>
東京芸術劇場 プレイハウス
201749()428()
<兵庫公演>
兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
201753(水・祝)~7()
<高知公演>
高知市文化プラザかるぽーと大ホール
2017510()
<北九州公演>
北九州芸術劇場 大ホール
2017513()~14()
<松本公演>
まつもと市民芸術館主ホール
2017517()
<上田公演>
上田市交流文化芸術センター 大ホール
2017521()
<豊橋公演>
穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
2017524()26()


 

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