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残虐、危険で官能的で、美しくて、狂暴な佐々木蔵之介が見たい!伝説となる予感・舞台「リチャード三世」

2017/10/16 11:18

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

佐々木蔵之介主演舞台『リチャード三世』の公開ゲネプロが、初日の開幕を控えた10月15日(日)、東京芸術劇場プレイハウスで行われ、囲み取材には佐々木蔵之介、手塚とおる、今井朋彦、植本純米、長谷川朝晴、山中崇の主要キャストが顔を揃えた。

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左から山中、植本、手塚、佐々木、今井、長谷川

 

狂気の中に取り込まれていく。観ているうちに自分自身の歯車が狂いはじめ、ぐにゃりと世界が歪んでいくようなそんな感覚。これは観るというより「感じる」、「体感する」芝居かもしれない。「リチャード三世」-中世イギリスの史実を基に書かれたシェイクスピアの戯曲の一つだが、徹底的な悪役である主人公リチャードを演じるのが、「徹底的に良い人」と定評のある佐々木蔵之介だということが面白い。タッグを組むのは、鬼才とも天才とも称されるルーマニアの演出家・シルヴィウ・プルカレーテ。

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ゲネプロ公開前の囲み取材では「稽古初日から僕らは『えっ?そんな角度からこの脚本を読むの?そんな演出?』って毎日が刺激的で、驚くべき日々でしたね。僕ら演劇人が『うわっ!これ幸せな瞬間だ。こんな楽しいこと僕らやらせてもらってる』っていう感じでした」と佐々木。リチャードの兄クラレンス公を演じる長谷川は、「おそらく将来的に、『あっ、あれ観たんだ?伝説の舞台観たんだ』となる芝居」だというほどプルカレーテの演出が斬新で前衛的だ。

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「ハロウィンでもないのに、おっさん達が何を仮装してるんやと思われるかもしれませんけど、僕たちは大真面目でやっています」と開口一番佐々木が爆笑をとったが、囲みの取材で顔を揃えたキャスト陣を見て、正直メイクの途中、もしくは鬘を取ってでてきたのかと思った取材陣。しかし、これこそがオールメールキャスト、一人を除いて全て男性キャストとしたプルカレーテの意図なのだ。「残虐、危険で官能的で、美しくて、狂暴で。でもそれがね、全部アートなんですよ。アートでエンターテイメント」と佐々木が語るその言葉の意味を、プルカレーテの意図を、観客は舞台を観てうならされることとなる。男性が演じることで、より妖しく、過激で、危険な香りが伴う。しかし、これは佐々木はもちろんのこと実力のある俳優ばかりのカンパニーだからこそなせる業だ。狂気の中に囚われて、魅せられていく感覚を観客が味わうには一つのピースのずれも許されない。囲み取材の後に行われた記者懇親会で「日本の俳優さんは皆、敬愛すべき才能の豊かな人々だった。パーフェクトにプロフェッショナルでとても優しい方々です」とプルカレーテが語った通り、全てがパーフェクトにはまっているのだ。

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舞台美術も特筆すべき点だ。長谷川が、「役者もアートの一部、絵のパーツになっている」とように、舞台の絵力も観客をこの不条理で妖しい世界へと引き込んでいく。中世ヨーロッパを思わせる古く高い壁。黒の山高帽子、白いシャツの男たちが一列になって椅子に座っている反復するモチーフ、カラバッジョの絵画を思わせる強烈なキアロスクーロを感じる照明の使い方。背筋が凍るような何かが軋むような高い音。ホラーではない、神経をぞわぞわと逆なでされるような不条理な世界の怖さが舞台の全編に漂っている。それがリチャードの狂気を浮き立たせるのだ。

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座長の佐々木を中心としてカンパニーの雰囲気も最高に良さそうだ。囲み取材では、キャスト同士の仲の良さがにじみでる。佐々木と濃厚なキスシーンを演じ、口説かれる役どころの手塚は、「蔵ちゃん、かっこいいじゃないですか。毎回惚れてます」と会場を沸かせる。植本は「2、3日前に蔵ちゃんがツカツカツカってきて、「いい、すごくいい」って言っていなくなったんですね。その座長の言葉を信じて頑張ろうと思います」とエピソードを披露した通り、皆から愛され、カンパニーの士気を上げ、座長としての佐々木も完璧なようだ。

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この作品は型にはまったシェイクスピアの舞台ではない。佐々木がプルカレーテから言われたという「これはイギリスの戯曲であり、ルーマニアの演出家・美術家、音楽家、日本の翻訳家、そして日本のキャストが演じる全くのオリジナルな舞台」であり、「世界で全く見たことのない芝居」なのだ。伝説の舞台の一つとなりそうなこの作品。ぜひ見逃さないでほしい。

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舞台『リチャード三世』は10月18日~30日東京芸術劇場・プレイハウスにて上演され、11月3日~5日は17日に大阪公演、11月8日には盛岡公演、そして11月15日名古屋公演が行われる。また10月17日には東京芸術劇場・プレイハウスにてプレビュー公演も開催される。

配役
佐々木蔵之介 (グロスタ公リチャード 後にリチャード三世)
手塚とおる  (アン夫人)
今井朋彦   (マーガレット)
植本純米   (エリザベス)
長谷川朝晴     (クラレンス公ジョージ)
山中崇    (バッキンガム公)
ほか
演出・上演台本:シルヴィウ・プルカレーテ
公式HP https://www.richard3-stage.com/

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