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2017年12月6日 14:56

新感覚オリジナルショー『Pukul(プクル)』に出演の水夏希にインタビュー!<前編>

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

2017年12月9日(土)より、東京・日本青年館ホール、21日から大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて、オリジナルショー「Cosmos Symphony『Pukul(プクル)』―時を刻む鼓動―」が上演される。

本作は斬新な振付で数多くの話題作を発信続ける演出家・謝珠栄が手掛けるストーリー仕立てのダンスと歌で構成されたオリジナルショー。さまざまな“鼓動”(Pukul)をテーマに、歌×ダンス×プロジェクションマッピングによって、壮大な時間の旅に誘っていく。

一幕では、インド舞踊やグルジニアンダンス等、アジアをはじめ各国の音楽や民族舞踊の要素を取り入れつつ、星たちの誕生と、美しくも時に脅威ともなる自然を神秘的に描く。

ニ幕では、馴染みあるジャズやポップスで、この地球で命を授かった人々の人生をスタイリッシュにたどっていく。

ランランエンタメでは、生命を育む惑星“地球”を演じる水夏希さんに、民族舞踊の難しさや宝塚OGとの共演について、公演への意気込みなど率直に語っていただいた。

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一つの公演で二度美味しいオリジナルダンスショー

――先日行われた公開稽古を終えて、現時点ではどんな感想をお持ちですか?

昨日、衣装合わせをしたのですが、女性も男性もコスチュームがすごく凝っています。そこに音楽や照明、映像も加わるとさらに豪華になっていくのですごく楽しみですね。ダンスパフォーマンスも、各ジャンルのプロの方々が振付してくださっていますし、私たちも死ぬ思いでやっています(笑)。どんどん色んな事がプラスになっていく感じがして楽しみですね。

 

――民族舞踊に加えて、跳んだり跳ねたりするダンスも多いように感じました。

宝塚でやっていたダンスや退団後のダンスなどは、ほとんどヒールのある靴でやっていましたが、今回1幕は全員ベタ靴で踊っているんです。謝先生なので滑り込んだり、膝をついて回ったりしますので、全員膝パットは必須(笑)。女性で膝回りすることはあまりないのですが、今回は女性陣でも膝回りがあって……謝先生は容赦ないんです(笑)。お稽古が始まる前に、わたさん(湖月)から「昔、謝先生の振付で『ワン・ツー・スリー・フォーの間に、回って跳んで床に滑り込んで起き上がる!』というのが1カウントずつあったんだよね」と伺って。「そんなのできないです~」って謝先生にお願いしたら「そんなのもうやらへんわ~」と仰っていたんですよ。でも、蓋を開けてみたらそのダンスがたくさんあって……やらないって言ってたのに(苦笑)。だから毎日筋肉痛なんですよ、いつまでこの筋肉痛と戦うのだろうか(笑)。

 

 ――今回のダンスは、具体的にどの辺りの筋肉を一番使うのでしょうか?

一部は太ももの筋肉を一番使いますね。アジアのダンスって中腰が多いんですよ。謝先生のダンスは、床とお友達という印象が強いのですが、アジアのダンスはまさにその通りで。ずっと床というか大地からエネルギーをもらっているというダンスが多いんですよね。西洋のダンスは大きな空間をのびのびと広がるように踊りますが、アジアのダンスは一畳の中だけで踊る感じでいろいろと制約が多いんです。腕を90度に曲げ、肩甲骨はつけるとか、肘は伸ばさずのびのび踊らないとか、もうギュギュギュ~という感じ(笑)。そういう制約の中で踊ることに、最初はみんなメンタルがヘトヘトになって「もっとのびのびやりたい~!」となっていましたね。だから二部の振付が楽しくてしょうがないみたいな(笑)。二部のダンスも徐々に出来上がってきていて、一つの公演で二度美味しい雰囲気に仕上がっています。

 

――本作品は非現実的な世界観のオリジナルショーとのことですが、作品の魅力をお聞かせください。

 太陽があって月や地球があるというのは現実であり、宇宙は永遠にその営みを続けていてその中に人間がいるわけです。人間が中心になってあたかも時を紡いでいるように思えますがそうではなく、もっと根源的な部分にフォーカスしている作品なんです。“Pukul”は鼓動という意味なのですが、心臓の鼓動は不随意筋(自己意識下で動かすことの出来ない筋肉)だから、自分の意図しない所でずっと動き続けているように、宇宙ではずっと惑星が回り続け、太陽は自らエネルギーを発して遠くの惑星も照らし続けている。そういった大きなものに抱かれて、今私たちが存在していると改めて思うような……そんな宇宙のエネルギーを感じられる作品だと思います。

 

――水さんが今回演じられるのは“地球”の役です。人間ではない役についてはいかがですか?

人間ではない役は得意なんですけどね、これまで蛇とか死神とかやってきたので(笑)。今回はダンスなので、今は役作りというよりも必死でダンスしている感じなんです。この間、通し稽古をした時にわたさんが「作品自体のエネルギーとか、いろいろな時の流れを感じて最後、踊っている時は感動的だった」と言われていたのですが、私は自分の踊りに必死だったのでそれどころじゃなくて(笑)。まだまだその境地まで辿りつけていなかったんですけど。地球という役をいただいたので、地球があるからこそ人間は生きていけるわけだし、生命を育む惑星は太陽系の中で地球だけ。他の惑星と横並びだった地球が、ひとつだけ太陽から試練を与えられて強く大きく豊かになっていくみたいなことを描ければいいなと思っています。

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信頼し合って心地いい空間

――本作は宝塚OGのみなさんがご出演されます。みなさんとお稽古されていると宝塚時代に戻ったような感覚になりませんか?

 退団すると、各事務所からプロとしてカンパニーに集まってくるので、それぞれ育った環境や事務所の背景などの違いから相談することはありますが、キャスト同士でノートを出し合うことはあまりないんです。でも、基本的に宝塚は出演者同士でいろいろ指摘し合いながら練習して作り上げていく団体でしたので、そういう意味では上下関係なく遠慮なく言えますし「あそこ大丈夫ですか?」「あそこ間違っていましたよ」とか(笑)普通に言ってきてくれるので。そういう意味では辞めると垣根がなくなる感じで、謝先生も含めて宝塚OGというひとつの枠だけになれますので、最初から信頼し合って心地いい空間になっていますね。

 

――“太陽“役の湖月わたるさんとは、退団後も一緒に公演もされていて仲がよろしいですが、仲良くなったきっかけは?

 宝塚の頃から「ダンスが好き」ということがあると思いますね。公演中にレッスン場で会うとか、ダンスシーンのことで相談するとか、そういうことがきっかけだったと思います。辞めてからのほうが、密接にお仕事させていただいていますね(笑)。海外リハなどもあるので、日常の稽古場だけではないおつき合いをさせていただいています。私はわたさんより4つ下の下級生ですが、私のことも尊重してくださいますし、「遠慮なく言ってね」と、すごく懐の深い方です。

 

――キャスト陣はみなさん、歌やダンスの実力に定評のある方々ばかりで、男性キャストとの優雅でたおやかなダンスも印象的でした。男性キャスト陣の印象はいかがですか?

島地(島地保武)さん以外のみなさんとはご一緒したことがあるので、島地さんだけが初共演なのですが想像以上に面白い方でしたね(笑)。普段、コンテンポラリーダンスでソロ活動されているので一匹狼な雰囲気なのかなと思っていたら、全然そんな雰囲気はなくて、とても親近感の沸くひょうきんな方でした(笑)。

 

――公開稽古では、水さんはじめ、女性キャストのみなさんがリフトでくるくると回るシーンが印象的でした。宝塚の時はリフトする側でしたが、ご自分がリフトされる側というのはどのような感じでしょうか?

初めてリフトしていただいたのはダンサーの佐藤洋介さんなんですけど、「リフトってこういう風にやるんだ!」と辞めた後に初めて知ったような、そのサポートの素晴らしさたるや……と感動しました。そこからリフトしていただく機会も多くなり、外国人キャストの方などは逞しくてバンバン上げてくれるので乗り慣れてきたというのはありますね。リフトもいろいろな種類があるので、新たなリフトにチャレンジしたいと思っていますが、極力(相手の)負担にならないようにと思っています(笑)。最初の頃は、リフトする側の立場を考えて乗っていたんですけど、今は身体の向きやタイミングなど、どのように乗ったらいいかをリフトしてもらう方に聞いてやっています。 

今回、(宝塚OGの)娘役さんも出演されますけど、娘役さんは小さくて軽いからリフトしても「ヒョイ、クルクルパッ」みたいに軽やかな感じなんですけど、私やわたさんなどは大きくて長いから、同じリフトでも乗って回ると円周が大きいんですよ(笑)。そういう意味では「ご負担をおかけしますが……」みたいな感じですね(爆笑)。

 

――さきほど衣装合わせも終わられたと伺いましたが、どのような衣装になるのか楽しみです。

一部はアジアの舞踊に合わせたエキゾチックな感じですね。私の衣装にはないのですが、女性陣はみんな結構、脇やお腹を披露する衣装になっていますよ。

 

後編に続く~

 公演HP:http://www.umegei.com/pukul/

 

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