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蒼井優が憧れの戯曲に挑む!舞台『アンチゴーヌ』 生瀬勝久と初共演

2018/1/9 03:07

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

蒼井優らが出演する舞台『アンチゴーヌ』が1月9日(火)、新国立劇場小劇場で開幕する。本作の上演に先立ち、初日前会見と公開ゲネプロが行われ、会見には主演の蒼井優と生瀬勝久が出席し、作品の見どころや役柄への想いを語った。

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『アンチゴーヌ』はフランスの劇作家ジャン・アヌイの代表的悲劇作品。法と秩序を守り、権力者として政治の責任を貫こうとする冷静な王クレオン(生瀬)に対し、自分の良心にまっすぐに従い、自己の信念を貫くアンチゴーヌ(蒼井)、2つの相対する立場と信念は、そのまま国家と個人・現実と理想の対決でもあり、それぞれが抱える想いは通じ合うことなく、物語は悲劇へと進行していく――。アンチゴーヌとクレオンの対決を通して、生きることの矛盾や人間存在の本質に迫る骨太な作品になっている。

――初日に向けての意気込みをお願いします。

蒼井「演出家の栗山さんから、“嘘のない舞台”にしましょう、という言葉をいただきました。毎回の公演ごとに“真実”が変わってくると思うので、何が本当か、ということを大切にしながら毎公演頑張っていきたいと思っています」

生瀬「12月から稽古が始まりまして、正月は三日間だけ休みがあったんですが、稽古をやり遂げた達成感はあります。非常に小さな劇場で、お客さんの真ん中でお芝居をするという緊張感がありますが、手応えのあるお芝居に仕上がったと思います」

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――2009年に上演された舞台『楽屋』で、生瀬さんは演出家、蒼井さんは出演者という立場でご一緒されていますが、役者同士と言う立場では初共演。お互いの印象を教えてください。

蒼井「稽古が終わって、その後役者同士で話し合ったり、言われた演出を自分の中に落とし込む作業の時間の中で、生瀬さんが『こういうことだと思う』とか、『こういう風にやってみたら』とアドバイスをくださったりして、役者でありながら演出助手みたいなことをしてくださるのですごく勉強になりました。舞台上では凄すぎて、飲み込まれそうになるんですが、アンチゴーヌも(クレオンに対して)そうだったと思うので、蒼井優としても生瀬さんのお芝居にうっとりしてしまわないように、アンチゴーヌとしてクレオンという王様に思いっきりぶつかっていきたいと思っています」

生瀬「その存在感と透明感が、役者になるために生まれてきた女優さん、という印象だったんですが、実際役者として自分が対峙した時に、力だけではどうにもならない、全部自分の技に引っかからない感じる女優さんです。とにかく存在感が凄いです。」

――演出の栗山さんは以前、蒼井さんが出演された『あわれ彼女は娼婦』での演技を見て『アンチゴーヌ』のオファーをしたということですが、オファーをされてどんなお気持ちでしたか?

蒼井「19歳か20歳ぐらいの時に初めて『アンチゴーヌ』という戯曲に触れて、そこから折に触れて読んできたのですが、読み始めて12年、まさか自分が演るとは思っていなかったので、驚いたのと同時に、アンチゴーヌの目線で読んでいたのが、実際に動いてみるとクレオンの立場が理解できたりして、“客観的に読むのと中に入って演じるのとでは違うんだな”、という面白さを感じています」

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――今回舞台の形状が“十字型”というのが最大の特徴でもありますが、演じられていかがですか?

蒼井「今まで経験した中で一番お客様と近い舞台になっています。客席に降りて行くことも多々あるので、お客様にご迷惑がかからないように頑張りたいと思います」

生瀬「僕は小劇場出身なので昔はこういう距離感でよく演じていました。その時はよくお客さんをいじってましたが、今回いじることはできないので(笑)、どうやってお客さんを意識せずに、アンチゴーヌと対峙するかということに集中しなきゃなと思っています」

――アンチゴーヌとクレオン、どちらに共感されますか?

蒼井「アンチゴーヌを演じるからには、アンチゴーヌに100%染まりたいと思うのですが、実際はアンチゴーヌとクレオン両方の気持ちがわかる、という一番中途半端な位置にいるタイプです(笑)」

生瀬「僕はアンチゴーヌですね。嫌だ!って言います、僕(笑)。嫌な時は嫌だって。」

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――最後に、作品の見どころを教えてください。

蒼井「この作品は最初の5分、10分で一人の役者さんが全部ストーリーを喋ってしまうんですね。その作りがまず面白い」

生瀬「古畑任三郎みたいだよね(笑)。最初に全部結末まで話しちゃう。後の2時間どうなるのか、って言う。でも面白いんですよね」

蒼井「劇中で生瀬さんと二人だけのシーンが45分間あるんですが、自分としてはそこが頑張りたいです」

生瀬「僕はコメディによく出るんですが、今回一切笑いを起こす場面がないので、そういう人間がどこまで舞台でやれるのか、と世間の方々には思われていると思いますが、できるんですよ(笑)。蒼井優さんと二人でこの『アンチゴーヌ』を演劇史の歴史に残るものにする自信はあります。観なきゃダメですよ、これ!去年、朝起きて吐きそうになりましたから、ストレスで。それぐらい自分を追い込んでいますから。期待していてください!」

 

ここからは会見後に行われたゲネプロの模様をお届けする。
劇場に入り、まず目に飛び込んでくるのは十字型に組まれた舞台セットだ。客席は4つのブロックに分かれ、どのエリアに座っても演者との距離が近く、観客は“目撃者”のような臨場感を味わうことができるだろう。

アンチゴーヌを演じる蒼井優は、少女のようなあどけなさの中に、確固たる信念を宿した強い眼差しが観客を惹きつける。自身の“正義”を貫く姿は、痛々しくも神々しく、舞台上で全身を“アンチゴーヌ”として捧げる姿は、強烈に観る者の心を揺さぶる。対する絶対権力者である王、クレオンを演じる生瀬勝久は、抑制の効いた芝居でアンチゴーヌを説得し続ける。「大人になる」とはどういうことなのか、苦悩と哀しみを纏った姿が静かに、時に激しく語りかける。

互いが持つ「理想」、「人間としての在り方」をぶつけ合う二人だけのシーンは圧巻だ。人間が社会の中で生きる“矛盾”と“葛藤”が炙りだされ、その様子はさながら現代の日本で起きている様々な政治問題も喚起されるだろう。まさに今、上演されるべき翻訳劇と言える作品だ。脇を固める俳優陣も魅力的だ。アンチゴーヌの乳母を演じる梅沢昌代のチャーミングさ、アンチゴーヌの婚約者、エモンを演じる渋谷謙人の繊細さも光る。

「わかるためにここにいるのではない」「人生は水だ、手を閉じろ」など、議論の中で放たれる数々の印象的な台詞に、戯曲の持つ力を感じることができるのも本作の魅力である。圧倒的な観劇体験のあとに、我々が生きる“社会”について、今一度静かに見つめ直してみてはいかがだろうか。

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舞台シーン 撮影:阿部章仁

 

パルコ・プロデュース2018『アンチゴーヌ』
【作】ジャン・アヌイ
【翻訳】岩切正一郎
【演出】栗山民也
【出演】蒼井優、生瀬勝久、梅沢昌代、伊勢佳世、佐藤誓、渋谷謙人、富岡晃一郎、高橋紀恵、塚瀬香名子

【東京公演】2018年1月9日(火)~1月27日(土)新国立劇場 小劇場<特設ステージ>
【長野・松本公演】2018年2月3日(土)・2月4日(日)まつもと市民芸術館<特設会場>
【京都公演】2018年2月9日(金)~2月12日(月・祝)ロームシアター京都サウスホール<舞台上特設ステージ>
【愛知・豊橋公演】2018年2月16日(金)~2月18日(日)穂の国とよはし芸術劇場PLAT<舞台上特設ステージ>
【福岡・北九州公演】2018年2月24日(土)~2月26日(月) 北九州芸術劇場 大ホール<舞台上特設ステージ>
公式サイト: http://www.parco-play.com/web/play/antigone/

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