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2018年6月5日 06:00

小山実稚恵ピアノシリーズ『ベートーヴェン、そして・・・』制作発表

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

日本を代表するピアニストの一人である小山実稚恵による『ベートーヴェン、そして・・・』と題したリサイタルシリーズの制作発表が64()Bunkamuraオーチャードホールにて行われた。

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小山は2006年から12年間24回に亘るリサイタルシリーズが昨年完結し、新たな取り組みとしてベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタを軸に、シューベルト、バッハ、モーツァルトを組み込んだプログラムで20196月より2021年秋までの3年間に6回の公演を行う。本公演ではベートーヴェンの最初と最後のピアノ協奏曲も演奏、日本でもめったに演奏されないピアノ協奏曲第0番変ホ長調 WoO4が取り上げられることも特筆される。

6回の公演には小山自身が回ごとにタイトルを付けており第1回は<敬愛の歌>、第2回は<決意表明>等々。タイトルには「そこに込められたテーマ性があること。そして(タイトルから)予測がつきそうで予測がつかないということが重要なポイント」と小山は説明する。

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ベートーヴェン研究で著名な音楽学者平野昭氏は「ベートーヴェンとシューベルトを第1回と最後に置いているのは理にかなっている。ベートーヴェンを横目に見ながら作曲を進めるシューベルト。2人の作曲家を並べることで、2人の性格が際立つことが今回のプログラムの魅力」とし、さらに「第3回は山田和樹の指揮により、ベートーヴェン全6曲のピアノ協奏曲のうち、最初と最後の変ホ長調の曲を一緒に聴けるのが楽しみ」と続け、「ベートーヴェンは“ハンマークラヴィーア”ソナタを書く前にバッハの“平均律”を引っ張りだしてバッハのスタイルを再確認し、晩年の作品に反映している。晩年の作品はどこかの楽章にフーガ、変奏曲が入っている。(そういう意味で)ゴルトベルク変奏曲、半音階的幻想曲とフーガなども楽しみなプログラム」と解説した。

<シューベルトの敬愛の歌?><ベートーヴェンの決意表明?>なのか、それとも<小山自身の決意表明>なのか、主語は?という質問に、小山は「私の感じている気持ちです」と答えた。

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第1回 2019年6月29日(土) *Bunkamura30周年記念
<敬愛の歌>
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第13番 イ長調 作品120(D664)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第28番 イ長調 作品101
シューベルト:即興曲 作品90(D899)、作品142(D935)より

第2回 2019年11月16日(土) *Bunkamura30周年記念
<決意表明>
モーツァルト:デュポールの主題による変奏曲 K.573
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第13番 変ロ長調 K.333
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 作品106 変ロ長調 第29番 「ハンマークラヴィーア」

第3回 2020年6月20日(土) *ベートーヴェン生誕250周年記念
<知情意の奇跡>
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 作品109
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 ト長調 BWV988

第4回 2020年11月(予定) *ベートーヴェン生誕250周年記念
<本能と熟成>
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第0番 変ホ長調 WoO4
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」
指揮:山田和樹 管弦楽:横浜シンフォニエッタ

第5回 2021年6月(予定)
<結晶体>
ベートーヴェン:6つのバガテル 作品126
モーツァルト:幻想曲 二短調 K.397
バッハ:半音階的幻想曲とフーガ 二短調 BWV903
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 作品110

第6回 2021年11月(予定)
<異次元へ>
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調 D958
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番 作品111

 

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