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2019年4月22日 13:36

ルドルフ・ブッフビンダーが ドイツ・グラモフォンと契約!画期的な〈ディアベリ変奏曲〉プロジェクトに挑む

ルドルフ・ブッフビンダーが ドイツ・グラモフォンと契約!

画期的な〈ディアベリ変奏曲〉プロジェクトに挑む

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ベートーヴェンのスペシャリストとして知られるピアニストのルドルフ・ブッフビンダーが、ドイツ・グラモフォンと専属契約を結んだ。その契約にもとづく同社での最初の録音は、ベートーヴェンの記念碑的作品〈ディアベリの主題による変奏曲〉で、ベートーヴェンの生誕250周年を迎える来年に先駆けた画期的な企画となる。

今回、〈ディアベリ変奏曲〉を現代作曲家11人に委嘱させた。この新しい変奏曲集はドイツ・グラモォンで録音されるほか、2020年のツアーでも披露される予定である。ブッフビンダーが変奏曲を委嘱した作曲家は、クシシュトフ・ペンデレツキ、ロディオン・シチェドリン、ブレット・ディーン、マックス・リヒター、イエルク・ウィトマン、細川俊夫、レーラ・アウエルバッハ、ブラッド・ラブマン、フィリップ・マヌリ、ヨハネス・マリア・シュタウト、タン・ドゥンの11名。

彼が現代作曲家に新たに作曲を依頼したことは、原曲である〈ディアベリ変奏曲〉の作曲された経緯にも重なるところがある。楽譜出版者で作曲家であるアントン・ディアベリは、32小節からなる〈ドイツ舞曲〉(ワルツの先駆け)を書き、50人を超えるオーストリアの作曲家に送り、原曲の主題をもとに独自の変奏曲を書いてほしいと依頼した。ディアベリの依頼に応じた作曲家の中には、カール・ツェルニー、フランツ・シューベルト、モーツァルトの息子フランツ・クサヴァー、ヨハン・ネポムーク・フンメル、フランツ・リスト(依頼を受けたときは、まだ8歳そこそこだった)などが含まれていた。ベートーヴェンは主題が凡庸だとして作曲を断ったものの、その4年後には、みずから〈ディアベリのワルツにもとづく32の変奏曲〉を書いて出版元に送っている。

ブッフビンダーの新録音は、20203月にドイツ・グラモフォンから発売の予定。そしてこの11曲の作品は、ウィーン楽友協会で世界初演される予定である。このコンサートでは、ベートーヴェンの変奏曲集、ディアベリのオリジナル曲集から選ばれた作品も演奏される。それに続いてブッフビンダーは、11の新作品を含めたプログラムで世界各地に演奏旅行を行う。

ドイツ・グラモフォン社長クレメンス・トラウトマンは、「ルドルフ・ブッフビンダーは、ベートーヴェン音楽の真髄を深く把握しています。だからこそ、ピアニストの中でも群を抜いた形で、これらの作品からつねに新たなものを見いだせるのでしょう。〈ディアベリ変奏曲〉の企画は、ベートーヴェンの記念年にあたって、特別な成果をもたらすと確信しています。ベートーヴェンとその同時代の人びととのあいだに、そして現代の音楽家と音楽ファンとのあいだに橋をかけるのですから」と語っている。

また、ブッフビンダーは2019年から20年にかけてのシーズンに、ベートーヴェンの5作のピアノ協奏曲を、ウィーン楽友協会にて演奏する。共演はアンドリス・ネルソンス指揮ゲヴァントハウス管弦楽団、ワレリー・ゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、クリスティアン・ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン、マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団、リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団である。

ベートーヴェンの生誕250周年を迎える記念年には、ブッフビンダーによる数々の録音計画と世界ツアーに加え、これらのオーケストラによる演奏会が予定されている。

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