是枝裕和監督が新進・佐藤快磨監督に嫉妬!映画『泣く子はいねぇが』サン・セバスティアン国際映画祭出品

2020/9/22 23:32

映画『泣く子はいねぇが』ワールドプレミア直前公式記者会見

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左から、佐藤快磨監督、仲野太賀、是枝裕和監督

 

是枝裕和が惚れ込んだ新たな才能、佐藤快磨(さとう たくま)監督の劇場デビュー作となる映画『泣く子はいねぇが』が、カンヌ、ベネチア、ベルリンの三大映画祭に次ぐ、国際映画祭、サン・セバスティアン国際映画祭(スペイン)のオフィシャルコンペティション部門に出品が決定し、鮮烈のワールドデビューを飾った。

本作のワールドプレミア直前公式記者会見が 9 月 22 日に行われ、主演の仲野太賀、佐藤快磨(たくま)監督、そして企画に名を連ねた是枝裕和が出席した。

スペインで開催中の当映画祭でのワールドプレミア上映 (9月22 日16時現地時間)に合わせて、映画祭公式のリモートプレスカンファレンスを実施。新型コロナウイルス感染拡大の影響で現地に直接出向くことは叶わなかったが、主演の仲野太賀、佐藤快磨監督、そして企画に名を連ねた是枝裕和の3人が日本からリモート形式で現地プレス向けの質疑応答を行った。

サン・セバスティアン国際映画祭ディレクターのホセ=ルイス・レボルディノス氏は「とても堅実で情景のある映画であることはもちろんのこと、何よりも観た人を感動させる素晴らしい力を持っている作品」と評価して、オフィシャルコンペティショ ン部門での上映を決めたという。

 

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リモートプレスカンファレンスを終えた仲野は「手汗が止まらなかった!」と同映画祭初参加を振り返り、「海外の記者や批評家の方が作品を多角的に観てくれて質問してくれて嬉しい。作品が海を越えて違う国の人に観てもらえることの素晴らしさを体感できました。いい経験ができて良かったです」と笑顔。

同じく初参加の佐藤監督は是枝から「凄く緊張していたね」と言葉を向けられると、「情けない…」と苦笑いしつつも「この映画が海外に届いた、そのことがジワジワと嬉しい。これからどんどん羽ばたいていくと思うと身が引き締まる思い」と感慨ひとしおの様子。出品決定の報を聞いた際には「メインコンペということでなおのこと驚いたし、撮影に協力してくれた男鹿の人たちが喜んでくれると思うと嬉しかった」と撮影地の人々に思いを馳せていた。

2013 年に『海街 diary』で観客賞を受賞するなど同映画祭とはゆかりの深い是枝は「出品が本コンペと聞いたときは驚きました。僕は2本目での出品だったのに、1本目から本コンペなのか!?と嫉妬も含めて」と笑わせつつ、「サン・セバスティアン国際映画祭ディレクターのホセさんからも社交辞令抜きの熱いメールをいただいた。これはデビュー作としては異例」と新たな才能の快挙に喜んでいた。

 

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劇中には仲野が秋田の極寒の海辺で全裸になるシーンもある。仲野は「死を覚悟するくらいの寒さ。あの一瞬の寒さは過去一だった」と過酷さを明かすも「海外の映画祭でどう捉えられるか、喜んでもらえればいいなと思う。この映画が良くなれば!という一心で演じました」と熱演を報告。幼少期から付き合いのある柳葉敏郎との共演には「よくお年玉をもらいに行って泣かされていた関係性だったのに、まさか現場で、しかも秋田を舞台にした主演映画で共演できるとは…。感慨深かった」と話した。

 

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佐藤監督について是枝は「一見頼りないんだけれど、実は頑固。その見た目ゆえに周りの人が彼を信じてついて行こうと思える。そこがずるい。でもそれは監督として必要な資質。チームが結束している姿は羨ましかった」と佐藤監督の愛される人柄を紹介。佐藤監督による脚本に惚れ込んで企画に名を連ねたが「脚本で感じた感動はまったく失われておらず、最後のセリフを超えた芝居を見たときに、力のある監督と感じた」と演出手腕を絶賛していた。

 

★泣く子はいねぇが_メイン

<ストーリー> 秋田県・男鹿半島で暮らす、たすく(仲野太賀)は、娘が生まれ喜びの中にいた。一方、妻・ことね(吉岡里帆)は、子供じみていて父になる覚悟が見えないたすくに苛立っていた。大晦日の夜、たすくはことねに「酒を飲まずに早く帰る」と約束を交わし、地元の伝統行事「ナマハゲ」に例年通り参加する。しかし結果、酒を断ることができずに泥酔したたすくは、溜め込んだ鬱憤を晴らすように「ナマハゲ」の面をつけたまま全裸で男鹿の街へ走り出す。そしてその姿がテレビで全国放送されてしまうのだった。ことねには愛想をつかされ、地元にも到底いられず、逃げるように上京したものの、そこにも居場所は見つからず、くすぶった生活を送っていた。そんな矢先、親友の志波(寛 一 郎)からことねの近況を聞く。ことねと娘への強い想いを再認識したたすくは、ようやく自らの愚行と向き合い、地元に戻る決意をする。だが、現実はそう容易いものではなかった…。果たしてたすくは、自分の“生きる道”、“居場所”を見つけることができるのか?

映画『泣く子はいねぇが』(配給:バンダイナムコアーツ/スターサンズ)
11月20日(金)より、新宿ピカデリー他全国ロードショー
©2020「泣く子はいねぇが」製作委員会

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