河瀨直美監督の自信作!映画『朝が来る』
左から:浅田美代子、蒔田彩珠、河瀨直美監督、永作博美、佐藤令旺、井浦新
映画『朝が来る』の完成報告会見が10月6日(土)に都内で行われ、河瀨直美監督、永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子、佐藤令旺が登壇した。
本作は、直木賞・本屋大賞受賞作家:辻村深月の感動ヒューマンミステリーを映画化したもので、カンヌ国際映画祭公式作品【CANNES 2020】に正式に選出された。
「特別養子縁組」によって、新たに芽生える家族の美しい絆と胸を揺さぶる葛藤を描が描かれる。実の子を持つことが叶わなかった夫婦、栗原佐都子役に永作博美、栗原清和役に井浦新。望まぬ妊娠をし、実の子を育てることができなかった少女・片倉ひかり役に蒔田彩珠。そして栗原夫婦と片倉ひかりを引き合わせる人物・浅見静恵役を浅田美代子が演じ、実力派俳優が、人間の真実に踏み込む演技で圧倒する。
河瀨直美監督は「感動しない小説は映画化しません。とても感動しました。その行間から溢れる新しい命の讃歌。その光に到達できるような映画にしたいと思って、辻村深月さんのもとに向かいました」と回顧。さらに「最後の最後まで、決して見飽きることがない映画だと思います」と自信を覗かせた。
自身も養女でありながらも、原作を読むまでは特別養子縁組という制度を知らなかったという河瀨は「戸籍上、実子として迎えられること。真実告知をすることを明らかにしているので、素晴らしい制度だと思うし、その制度によって、救われる命があるとも思った」と語る。
永作は、「佐都子が初めての人生の岐路に出くわして、どう乗り越えていこうと考えるか?というのをよく考えた」と語る。井浦は「河瀨監督のもとでは、クランクインの数か月前から、特別養子縁組や無精子症についてなどを、しっかりと学んでいく“役積み”の時間をいただける。そして、河瀬組は完全なる順取りで、1シーンを積み重ねながら、目の前で起きていることに素直に心を動かしていくという事を大切にしていった」と河瀨組の“役積み”の経緯を大切にしたと明かす。
役積みについて、蒔田は「劇中の家族と3週間ぐらい、実際に一緒に住んだ。一緒に洗濯したり、先にお風呂に入って怒られたり、そんな生活が映画の中で生きた」と振り返った。さらに、永作は「二人で温泉に行くシーンがあって、前のシーンが押して温泉につくのが遅くなった。ご飯やお風呂に入っている間、スタッフはどこにもいないし、撮影もしていない。これは泊まらせるための罠か?と、疑心暗鬼になるぐらい、どのシーンにも役積みがあった」と語った。
そして、特別養子縁組によって迎え入れられる男の子・朝斗役を演じた佐藤令旺くんが花かごを持って登壇。『朝が来る』の英語タイトル『True Mothers』にちなみ、母の日にプレゼントするカーネーションを渡していく。そして、令旺くんから「「朝が来る、世界25ヵ国公開決定!」とフランス、スペイン、北欧、ブラジル、中国、韓国など、すでに25の国と地域での公開が決定していることが発表された。
映画『朝が来る』が10月23日(金)より全国公開される。