柿澤勇人、南沢奈央ら出演、鴻上尚史の作・演出『ハルシオン・デイズ2020』稽古場リポートが到着!

2020/10/27 10:06

『ハルシオン・デイズ2020』稽古場リポート

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掲載写真は全て撮影:田中亜紀

 

10 月 31 日(土)より紀伊國屋ホールにて、鴻上尚史の作・演出『ハルシオン・デイズ2020』が上演される。さまざまな人たちと出会い、公演するために作った鴻上尚史プロデュース・ユニット KOKAMI@network の第18弾のテーマは、絶望と救済、そして希望。初日をまもなくに控える中、稽古場レポートが到着した。

出演はミュージカル「フランケンシュタイン」や現在放送中の連続テレビ小説「エール」で注目を集め、舞台だけでなくテレビドラマなど幅広く活躍している柿澤勇人に加え、南沢奈央、須藤蓮、石井一孝といった実力派キャストが集結。

 

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物語は、偶然出会った4人の男女が妄想・幻影・虚構と向き合いながら、明るい未来に向かって紡いでいく様が描かれる。鴻上作品の中で最も多く上演されている衝撃作『トランス』のテーマを引き継ぎ、2004年に初めて上演された本作は、2011年のロンドン公演を経て、「今だから」届けたい作品として2020 年版を上演する。

稽古はまず、ウォーミングアップを兼ねてダンスシーンから始まった。ミュージカルで活躍する柿澤と石井が出演するとあり、ダンスと歌のシーンは見せ場の一つだろう。鴻上作品といえば、川崎悦子振付のダンスシーンが欠かせないが、今回も役者が身体で語るように踊るダンスに注目して欲しい。歌稽古では、柿澤と石井の美しいハーモニーを聞くことができ、本番での歌唱シーンが非常に楽しみだ。

 

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続いて、和美(南沢奈央)と明生(須藤蓮)の回想シーンの稽古が始まった。なぜ和美が明生の幻を見るようになったのかが明らかになる、物語のキーポイントとも言えるシーンだ。スクールカウンセラーとして明生と向き合う和美を、南沢は安定感のある落ち着いた芝居で見せる。自殺を思いとどまらせたい、という真っ直ぐな気持ちを持ちながらも、何か秘めたようなクールさも持ち合わせており、この後の展開を予感させる深みがある。回想シーンを演じる須藤からは、孤独を抱える多感な高校生の今にも爆発しそうな苛立ちが伝わってきたが、回想シーン以外の明生、つまり和美の見ている幻の明生を演じる須藤からは、抱えていた負の感情や肉体の重みから解放されたような軽やかさが感じられ、何とも言えない切ない気持ちになった。

 

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次に、雅之(柿澤勇人)が突如として「自粛警察」と戦うと言い出すシーンの稽古が行われた。雅之がテンション高く自分の決意や計画を語る場面なのだが、柿澤はテンション一辺倒にならず、見事な緩急でこのシーンの面白さを膨らませている。雅之の繊細さや力強さ、様々な顔が見え隠れして、人間は決して一面では語れないということを思わせる。雅之の変貌ぶりに困惑する哲造(石井一孝)を、石井は大らかで伸びやかな演技で表現する。素直に戸惑ったり、雅之を心配したりする姿からは、 自殺しようと考えている人間とは思えない明るさや優しさがにじみ出ている。自殺願望のある人間全員が、暗くふさぎ込み退廃的な気持ちに支配されているわけではない、表面ではわからないことが誰にだってあるのだ、ということに気づかされたて、はっとした。

 

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コロナ禍の中で悲しいニュースが続く今、「死んじゃダメだ」「生きよう」という励ましの言葉は空虚に響くばかりに感じられる。それでも鴻上は、きっとこの芝居を上演することで、少なくともこの作品を見てくれる人に声をかけたい、手を差し伸べたい、と思っているのではないだろうか。

終盤、自殺を止めようとする和美は「死ななくても、戦う方法はあります」と叫ぶ。芝居という“言語”を使って観客に語かけることを止めない、それが鴻上の戦い方なのだ。間もなく本番を迎える 2020年版の『ハルシオン・デイズ』という芝居が観客に何を語りかけてくるのか、ぜひ劇場で耳を傾けて欲しい。(オフィシャルリポートより抜粋)

 

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KOKAMI@network vol.18 「ハルシオン・デイズ2020」
【東京公演】2020年10月31日(土)~11月23日(月・祝)
【大阪公演】2020年12月5日(土)~12月6日(日)
作・演出:鴻上尚史
出演:柿澤勇人、南沢奈央、須藤蓮、石井一孝
公式サイト: http://www.thirdstage.com/knet/halcyondays2020/

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