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2021年4月28日 09:30

尾野真千子、自分にとって最高の作品です!映画『茜色に焼かれる』完成報告会

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

映画『茜色に焼かれる』の完成報告会が4月27日(火)、都内で行われ、主演の尾野真千子、共演の和田庵、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏、そして石井裕也監督が登壇した。本来は完成披露試写会として、お客さまを入れてのイベントが予定されていたが、無観客のイベントとなった。5月21日(金)より全国公開される。

 

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弱者ほど生きにくいこの現代に翻弄されながらも、正面から立ち向かう一組の母子がいた。もがきながらも懸命に生きる親子、不器用ながらも己の信念に従って生きる主人公・田中良子の姿が、観る者の胸に深く突き刺さる。傷つきながらも、自身の信念の中で真っ直ぐに生きる母親を尾野真千子が驚くべき存在感で体現している。

冒頭、石井監督は「こういう大変な状況ですが、明らかに置き去りにされているのは人間個人の感情とか心情だったので、そこをどうしても描かなければいけないなと思いました。ほとんどの方がマスクで隠されていますけど、内面からズタボロになっているんじゃないかなと思います。このように、この世の中の凄まじい理不尽な状況への強い怒りもあると思いますし、そうしたリアルな状況を前提にして、今の時代にしか描けない愛や希望を映画にしたいと思いました。登壇いただいた皆さんと一緒に、良い映画を作れたという自負だけはあります。特別な映画になりました」と本作への自信と心情を語った。

 

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良子を演じた尾野は「(出演の決め手となったのは)台本を読んで、自分が伝えなきゃと思うことがたくさん詰まっていたから。(現場では)精神的に辛いこともありましたが、自分の気持ちが変化していったのが楽しい現場だったなと思いました」と振り返った。

事故死した夫役のオダギリは「この撮影は去年の8月頃、緊急事態宣言が明けて初めて参加した作品。現場ってどうなっているんだろう?ご飯を一人で食べてください。喋らないでください。今までのシステムが全てひっくり返ったようだった。今、TVや映画を観ても、できるだけマスクのない世界を描こうとしていて、現実の辛さは作品を観るときくらい忘れさせてよという思いがある。一方で、現実的にはコロナ禍の中、理不尽な社会があるわけで一生懸命もがきながら生きている人たちの姿を作品にしようという、本当に凄い、尊い作品になったと思います」としみじみと語った。

 

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永瀬から「鬼気迫る演技」と絶賛された尾野は「こんなときだから、あれこれに気をつけましょうではなく、距離が遠くてもニコニコ楽しくやっていればきっと良いものが撮れると思うし、もどかしい気持ちが入らないようにと、ただ田中良子を伝えたいと思って演じました。(良子という人は)ほんと、大変な人!の一言。でも、ちょっとずつ撮り進めていくたびに、良子の大変さが納得できてくる。台本を見るとどうして?と思うかもしれないけど、母ってそうなんです。母親になったことはないけど、母の気持ちが理解できました」と胸の内を明かした。

良子の息子・純平役を演じた和田はこの役をオーディションで勝ち取った。石井監督は「挨拶の一言で決めました。独特で、文字に起こしても伝わらないであろう誠実さ」と話す。その和田は「(尾野は)怖い人だというイメージ。初めは、緊張していたんですけど、優しくて明るく、面白い人だと思いました。土手沿いを自転車で二人乗りするシーンでは、カットのたびに戻るときも二人乗りしたままで戻って来て、本当の親子のように接してくださった。お陰で楽しく自然に演技できました」と尾野に感謝の言葉を贈った。

 

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また、オダギリは「今回は(尾野との)一緒のシーンが少なかったですけれど、10年前から共演していたので、同期みたいな気がします。今回の尾野真千子さんは大変素晴らしかった。尾野さんの作品は全部観ていませんが、この作品が一番です。自分の母親の青春とか恋愛とかを聞いたことがなかったけれど、母親は人生を謳歌したのかなと感じさせてくれたのは尾野さんのお陰だと思います」と絶賛。さらに「最後に悪いことも言わせていただくと、尾野さんは眉間にしわが寄る、眉毛が低めに流れるクセがある。マスクをすると余計に目立っちゃうんですけど、ただ、それが闘う表情に見えるので、この作品においては悪いところがないです」と会場を笑わせた。尾野は「褒めてくれる人がほとんどなので、こうやって言ってくれると嬉しい」と微笑んだ。

 

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最後に、尾野は「監督には『この映画を命懸けで頑張ります』と言いました。コロナ禍で仕事ができないんじゃないかと思い、今止まったらあかんよと背中を押してくれた作品です。自分にとって、大切な出演者の気持ちを皆さんに届けたいと強く思った作品。ジタバタしながら撮りました。自分にとって最高の作品ですので、是非映画館で観れるようになって欲しいです」と締めくくった。

映画『茜色に焼かれる』(配給:フィルムランド 朝日新聞社 スターサンズ)は、5月21日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開される。

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