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2021年10月18日 23:25

首藤凜監督×北條誠人(ユーロスペース) 綿谷りさ原作映画『ひらいて』公開直前対談

首藤凜監督×北條誠人(ユーロスペース)綿谷りさ原作映画『ひらいて』公開直前対談

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ミニシアター、映画好きのためのオンライン・コミュニティ「ミニシアタークラブ」では毎回様々なゲストを迎えての対談が行われる。10月15日には、綿谷りさ原作映画『ひらいて』(10月22日(金)全国公開)の首藤凛監督と北條誠人(ユーロスペース)の対談が実現した。対談動画フル尺は、ミニシアタークラブに入会後、閲覧可能。 https://basic.motion-gallery.net/community/minitheater/

 

―綿矢りささん原作小説「ひらいて」に出会ったのは高校生の時で、その時からずっと映画化に向けてライフワークのように取り組んでこられたそうなのですが、そこまでこの原作にこだわった理由はなんでしょう?

首藤「最初に胸を打たれた小説で、生きていく糧になるような。自分の人生で色々なことが起きる前に独特ないびつな関係性の中で人が人に受け入れられていく様が衝撃でした。これから自分にもいろんなことが起きてきそうな予感とあいまって。本当にこの原作に救われてきたので。その後就職をして仕事をしながらずっと脚本を書いてました。他に原作権を取られたらどうしようと正式に固まるまで不安でしたちょいちょい対抗馬がいる、といったことも耳にして気が気じゃありませんでした(笑)」

―初の商業長編映画ですがプレッシャーはありましたか?

首藤「スタッフの皆さんが本当に優しくてありがたかったです。ただ、当たり前なんですが監督としての判断をきちんとしていかなければいけないのでそのあたりは孤独だなと思いました」

―俳優との役作りで苦労された点はありますか?

首藤「特に主人公の愛についてですかね。山田杏奈さん演じる愛というキャラクターは私がずっと共鳴してきたキャラクターなんですが、演じる場合には愛自身も自分のことが良くわかってないので、演じる時に山田さんも悩まれたようなんですが、私は、その分からなさもそのまま演じて欲しいと思っていたので試行錯誤しました。私が言語化して伝えてその通りに演じてもらってもあまり面白くならないような気がしていて。山田さんも愛と同世代なのでその渦中の中にいる人の特有の分からなさがいいと思いました。役者さんとこんなにも対話することも初めてでした。作間龍斗さんは演技もほぼ初めての様子で背の高さ、スタイルの良さも含めて持て余している感じでした。撮影の自分の出番が終わっても気配を消して他のシーンの撮影を見ていたり、私がこのシーンは見られたくないな、と思ったときは何も言わなくても帰っていかれたり。芋生悠さんは人あたりも良くて優しい方なんですが演じること以外は全く興味のない感じだなあと思いました」

北條「見ていて、初めは作間さん演じるたとえというキャラクターが勉強ができてかっこいいから愛がひかれていくのかなと思っていたら、実は家庭環境も酷くてそこから脱出するために勉強を一生懸命していて、中学の時から付き合っている秘密の彼女だけは連れ出そうとしているんだなと、その辺りのキャラクターが寡黙ゆえに面白かったですね。あとはバス停でのシーンや山田杏奈さん演じる愛と芋生悠さん演じる美雪がカラオケに行くシーンが印象的でした」

首藤「カラオケのシーンは私も気にいってるので嬉しいです!」

北條「主人公の愛の体当たりの衝動的な行動を周囲がどう受け止め続けいつ切り返して来るか興味深く見ていました。あまりネタばれできないですが、冒頭のゴミ箱バーーン!!のシーンとかいいですよね(笑)」

―公開に向けてのメッセージをお願いします

首藤「観るといろいろ言いたいことが出てきたり、もやもやと複雑な気持ちになったりするかもしれませんがぜひ、いろんな感情になってもらえたら一番嬉しいなと思います」

 

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