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2021年12月4日 17:18

主演・萩原みのり、根に持つのって前を向くために大事なこと! 映画『成れの果て』初日舞台挨拶

主演・萩原みのり  映画『成れの果て』初日舞台挨拶

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映画『成れの果て』の初日舞台挨拶が、12月3日(金)に新宿シネマカリテにて行われ、萩原みのり(小夜役)、秋山ゆずき(絵里役)、宮岡太郎(本作監督)が登壇した。萩原みのりは待望の単独主演となる。

萩原が演じたのは、8 年前のある事件によって心に傷を負い上京した小夜。その事件に関わった男性が自分の姉あすみと婚約したことを知った彼女は、居ても立ってもいられず帰郷。小夜の過激な行動と言動が、周囲の人々を巻き込み、それぞれの隠された人間性を抉り出してゆくという極限の人間ドラマとなっている。

萩原は、「最初に脚本を読んだ時は、小夜の最後の選択が理解できなかったんです。ここまで悩んだ作品は初めてでした。でも脚本の中で、小夜がひとりで叫んでいる感じがしたんです。その時、小夜の横にいきたいという気持ちが不思議と湧いてきました。たぶん小夜のことが好きだったんだと思います」とオファーを受けた当時の戸惑いと決断を告白。それを聞いていた宮岡監督は「小夜を演じる俳優は、彼女の壮絶な過去をフラッシュバックなしで表情やお芝居で表現しないといけない。演じてもらうなら萩原さんしかいないと思いました」と語った。

萩原が演じたのは、常に怒りと悲しみを秘めている役どころ。中でも一番つらかったのは、帰京した小夜が玄関先で姉たちに「ただいま」を言うシーンだったそう。萩原は「帰宅した小夜をみんながすごく嫌そうに眺めていて…(笑)。『ただいま』があんなにも(歓迎されるはずの)『おかえり』にならないのが苦しかったです。クランクイン直後に撮った最初のシーンでしたが、あの場に一人で立てたことで『この空気に負けんぞ』と言う気持ちが芽生えて、スイッチが入りましたね」と吐露。

 

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一方、物語を引っ掻き回す“大福娘”こと絵里を演じた秋山は「監督からは場をかき乱して欲しいと言われたので、その場に訪れた台風ぐらいの気持ちで演じていました。楽しかったですね」とニッコリ。絵里の無神経な一言が空気を一変させるシーンについては「共演者の皆さんのテンションがどんどん下がっていくんです。さすがに不安になりましたし、私も人間なので引っ張られそうになりましたが、監督から『みんなのテンションが下がっているのは“正解”なので、そのままの感じでいきましょう!』と背中を押されました」と明かし、監督も「もともと絵里役は“癇に障る声の持ち主”がいいなと思っていました。秋山さんは、『カメラを止めるな!』や『COMPLY+-ANCE コンプライアンス』で拝見していて、耳に残る声、魅力的な声にほだされてキャスティングしました」とキャスティングの経緯についてコメントした。

本作は、劇作家・映像作家のマキタカズオミ主宰の劇団・elePHANTMoonが2009年に上演した同名戯曲が原案となっている。映画化のきっかけについて聞かれた監督は「舞台版を見た当時、ヘビーなテーマですが、人間ってそんなものだよな、というか、人間の本質を描いたストーリーに惹かれました。僕自身、コロナ禍で創作活動ができなくなる中で、それでも自主映画を撮りたいと思った時に、予算や時間の制約に縛られないのはワンシチュエーションもの、密室劇だと考え、舞台版を思い出したんです」と述懐。

 

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最後に、萩原は「この作品を通して、根に持つことはつらいことではないと知りました。根にもちまくればいいじゃんって思います。忘れたくても忘れられないことは、きっと忘れられない。無理に忘れようとするんじゃなくて、大事に自分の中にとどめて、一緒に生きていくという選択もある。根に持つって、前を向くために大事なことでもあると思います。誰か1人でもいいから、この作品がその人にとっての心強いお守りになって欲しいし、小夜がそういう存在になってくれたら嬉しいです」と締めくくった。

映画『成れの果て』は、12月3日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開
© 2021 M×2 films
公式サイト: https://narenohate2021.com

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