トップ > PICK UP > 加藤シゲアキ、41歳フリーター役「ふざけすぎて本番どうなるか分からない」 PARCO PRODUCE『粛々と運針』 公開ゲネプロ&取材会

2022年3月8日 21:58

加藤シゲアキ、41歳フリーター役「ふざけすぎて本番どうなるか分からない」 PARCO PRODUCE『粛々と運針』 公開ゲネプロ&取材会

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

PARCO PRODUCE『粛々と運針』公開ゲネプロ&取材会が3月8日(火)に、PARCO劇場で行われ、加藤シゲアキ、須賀健太、ウォーリー木下が出席した。

 

0D2A5010s

 

本作は、劇作家・横山拓也とウォーリー木下が初めてタッグを組んだ「小さなドラマに隠れた大きな命の物語」。加藤を主演に迎え、母親のガン告知で揺れる築野家(兄:加藤、弟:須賀)と子どもをもたないと決めた田熊家(徳永えり、前野朋哉)という2つの家の葛藤を、周到な会話で縫い合わせるように描き出す。

 

0D2A5031s

 

築野家の兄・一を演じる加藤は「(ゲネプロ当日は)あいにくの天気ですが、舞台自体は春らしい舞台なので季節感を楽しんでもらえたらと思います。このひと月、舞台関係者みんなが公演を無事にできるのかという緊張感を抱えながら過ごし、マスクをしたまま通し稽古までやって、気を遣ってきたので、今日を迎えられたことにホッとしています」と挨拶した。

弟の紘役の須賀は「今日を迎えられること自体が一つの奇跡のようなことだと思っています。最後まで全員で何事もなく走り抜けられることが目標なので、今日からも頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。

 

0D2A5022s

演出のウォーリーは「横山くんの本自体が、物語性が強いけれども詩的な部分もあって、観る人がいろいろな解釈ができるような作品です。お客さん自身が考える余白もあるので、たくさん考えていただければと思います。今日的なコロナや戦争、僕たちの周りで起こっている分断、暴力などとリンクすることもできるし、もっと個人的な細やかな人生の中で起こる悲劇や喜劇もあるので、うつし鏡のような作品になっていると思います」と説明。そして、「今回、役者6名(加藤、須賀、徳永、前野に加え、河村花、多岐川裕美)と音楽2名(GOMA & 粛々リズム隊)の計8名で最初から最後まで(舞台を)作っていますが、演劇って人間力だとつくづく思いました。素晴らしい8人が舞台上を駆け巡っています」とアピールした。

今回、加藤はウォーリーの演出を受けるのは初めて。加藤は稽古を「すごい楽しかったです」と振り返り、「台本を読んだとき、話自体はとても面白いですが、動きがない静かな台本だったので、動き的には楽かなと思って臨んだのですが、思っていたのと全然違いました。ウォーリーさんがすごく動かすんです。こんなことになるのかと驚きました。すごく視覚的です」と語った。さらに、「こんなはずじゃなかった。ウォーリーさんも最初は、そんなに動かなくていいって(言っていたのに)。全然言っていることが違う」と愚痴ると、ウォーリーは「動かなくていいと最初は思っていましたが…」と歯切れの悪い返事。

ウォーリーとは付き合いが長い須賀も「大体、最初は言いますよね。『今回は動かない』って、僕は何回聞いたか(分からない)。脚本的にも、今回こそ、それを信じられると思ったんですが、まさか今回までもこんなに動くとは」と嘆いて笑わせた。

 

0D2A5153s

加藤は、「41歳のフリーターで、だらしなくて家族に甘えて、すねをかじっている兄」という役どころ。加藤のイメージとはかけ離れた役柄になるが、加藤は「最初は、僕にこのお話が来たときに、こっちの(須賀が演じる)役じゃなくていいんですかって思いました。いつもしっかりしている真面目な役ばかりだったので、ふざけられるってこんなに楽しいんだって。ふざけすぎて本番どうなるか自分でも分からないですが、すごく楽しいです」と笑顔を見せた。

会見の最後に、加藤は「スタッフ役者全員がそろって、同じチームで初日を迎えられてホッとしておりますし、引き続き最後まで行きたいなと思っています」と改めて意気込みを語り、「昨年、PARCO PRODUCEの作品をやらせてもらったときに、大阪公演が中止になってしまって、今回また、PARCOさんとやることになって、『今年は大阪公演までやりましょう』という熱い想いを受け取ってこの場に臨んでいるので、最後まで走り切りたいという思いがすごく強いです」と言葉に力を込めた。

 

0D2A5389s0D2A5224s

0D2A5443s 0D2A5463s

〔あらすじ〕築野家。一(はじめ:加藤シゲアキ)は弟・紘(つなぐ:須賀健太)と二人で母を見舞う。病室で母から紹介されたのは、「金沢さん」という初対面の初老の紳士。父が死んだあと親しい仲らしい。肝臓ガンを告知された母は、金沢さんと相談の結果、穏やかな最期を迎えることを選んだという。
田熊家。平均寿命まで支払いを続けたら自分のものになる一軒家を昨年購入した沙都子(徳永えり)と應介(前野朋哉)。その家のどこかで猫の鳴き声がする。早く助けてあげたいけれど、交通事故で頸椎を痛めた應介は探してくれない。そしてお腹のなかに新しい命を宿しているかもしれない沙都子は話の切り出し方が分からない・・・。ふたつの家の葛藤を、周到な会話で縫い合わせる・・・。

PARCO PRODUCE『粛々と運針』は、3月8日(火)〜27日にPARCO劇場、4月8日(金)・9日(土)に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演。

トップ > PICK UP > 加藤シゲアキ、41歳フリーター役「ふざけすぎて本番どうなるか分からない」 PARCO PRODUCE『粛々と運針』 公開ゲネプロ&取材会

Pick Up(特集)

error: コンテンツのコピーは禁止されています