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2022年8月10日 19:08

木村達成「たくましく、自分にしかないオーラを持って臨みたい」、須賀健太「単にかわいそうな男にならないようチャレンジ!」 舞台『血の婚礼』取材会

取材・撮影/RanRanEntertainment

9月15日(木)からBunkamuraシアターコクーンにて上演される舞台『血の婚礼』の取材会が8月10日(水)、都内で行われ、木村達成、須賀健太、早見あかり、安蘭けい、そして演出の杉原邦生が登壇した。

 

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左から:杉原邦生、早見あかり、木村達成、須賀健太、安蘭けい

 

本作は、実際に起きた事件をもとに、1932年にスペインの伝説的劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロイカが執筆し、ロイカ自身で初演されたロイカ三代悲劇の一作。

演出の杉原は「海外の翻訳戯曲を演出するのは3年ぶりなのでドキドキしています。今回、田尻陽一先生に新訳の台本を一緒に作っていただきましたので、皆さんに届きやすい言葉で、ロイカの『血の婚礼』をお届けできると思います。このとおり美しい皆さんがドロドロの悲劇を演じてくれるので、美しい人たちの穢れぶりに注目していただければと思っております」と本作をアピールした。

 

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続いて、レオナルド役の木村は「レオナルドは、この作品のなかで、唯一名前は与えられている役(その他の役は花婿、花嫁、母親・・・)。翻訳の田尻さんとお話した際に、レオというのはライオン、百獣の王、男のなかの男をロイカが思い描いた理想の男性という役柄ですので、たくましく、そして自分にしかないオーラを持ってこの作品に務めていきたいと思います」と意気込んだ。

 

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花婿役の須賀は「花婿という役柄が一番、親近感が涌いていただける役と思っております。お客さまが物語に入っていくなかで、入り口になるような役柄。ストレートに言ってしまうと、奥さん(早見)を取られてしまう役どころ。それがかわいそうに見えるだけではなく、色々な側面から人間の孤独を表現して、単純にかわいそうな男だけにならないよう、僕自身がんばっていきたい、そういうチャレンジをしていきたいと思っています」と胸の内を語り、「皆さん揃いの『血の婚礼』 Tシャツを着ているんですけれども、僕だけ上着を羽織ってきまして、ちょっと浮いているなと不安なんですけど、1ヶ月の稽古でそこも合わせていけるよう頑張っていきたいと思います」と笑わせた。

 

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花嫁役の早見は「この作品は、どのキャラクターもエネルギーがすごく、愛に対しての熱量がすごい。私自身、稽古が始まったばかりの本読みの段階なんですけど、稽古終わりにはどっと疲れてしまうぐらいエネルギーを削がれています。それぐらいパワーが必要な作品だと思っています。私たちが持っている熱量を生で感じていただくことができるのが舞台でやる意味だと思っているので、その熱量をお客さまに伝えられるように、稽古でどんどんブラッシュアップしていきたいと思っています。とにかく体力勝負、この夏とこの作品に負けないよう、よく寝てよく食べて一生懸命、稽古をしたいと思います」と気合いを入れていた。

 

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母親役の安蘭は「私も本読みをした段階で、なんと台詞が多い、覚えられるのかな?という不安を持ちながら、本読みでは気持ちが入ってくれば覚えられるのではと、明るい兆しが見えて、ほっとしているんですけれども、20代の3人のパワーをいただきながら、それ以上のパワーで母親役に挑みたいと思っております。とても愛憎溢れる激しい舞台でありますが、でもそのなかにも音楽があったり、生演奏があったり、とてもエンターテインメント的にも楽しめる作品なのではないかなと思っていて、演出の杉原さんにとても期待しているところです」と本作をアピールした。

ここからは、記者からの質問。スペインの情熱的な人間のドロドロな話なんでしょうか?という質問に、杉原は「そうです。花嫁役の早見さんと花婿役の須賀君は婚約しているんですけど、実は花嫁の元カレがレオナルドで、まだ元カレのことが好きで、逢い引きしているんです、こいつらは(笑)。それを知らずに純朴な花婿は花嫁を好き、好き!になっているのですけど、結婚式当日に駆け落ちしたんです。そのぐらいドロドロです(笑)」と笑いながら回答。さらに「愛の欲望に突っ走っていく若者たちの姿っていうのはドロドロの話でありますけど、結構すがすがしく、かっこよくも、美しくもあると思うので、そういうところを一緒に見せられたらいいなと思っております」とドロドロだけでないことも解説。

木村は「僕も、薄いよりはドロドロの方が好きなので、ドロドロでやっていきたいんですけども・・・。台詞回しでは、昨日も稽古で韻文と散文の言い回しをどうするか、皆さんと話しをさせていただいて、“口ずさんでしまいたくなるような、それでいて魂が籠もって、台詞を歌いにいく。それでいてラップバトルのように”っていう話が出ていたので、そこにも注目して観ていただけたら面白いと思います。その言い回しを聴きに来るのもいいと思います」とクールに話した。

 

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劇中歌について、杉原は「(角銅真実による)出来上がった音楽がまだまだ数曲。昨日の歌稽古を延々とやったのですけど、リズムが4/5拍子という摩訶不思議な拍子に、結構難しいメロディーが乗っかっていて、みんな苦戦しながらやっているんです。これがきちんと俳優さんの体に入って、舞台上に持っていったらすごくかっこよく、いいものになるという予感がしたので、このまま練習してもらおうかと心に誓いました」と見どころ、聴きどころを披露。

早見は「初めて聴いたときは、何もかもが分からないという状態だったんですけど、段々練習すると、耳に染み込んでいくと、すごく癖になるし、分かりやすく感じてくるんです。メロディーが随所にいろんなところに出てきて、お客さまも口ずさんで帰るかなと思っちゃうぐらい、あるフレーズがすごく分かりやすくてくせになる。もっと染み込んでいったら素敵なものになるじゃないかな、楽しみだなって思っています」と同調。

木村も「スペインを語るうえで、音楽は切っても切り離さない情熱の国。昨日練習した曲はそれぐらい魔力がたくさん詰まっていますし、僕がやらせていただいているミュージカルでも4/5拍子は今まで味わったことない拍子だったので、これからやっていくなかで、この歌が変化をこの作品に与えてくれるのかと思うとワクワクしております」と手応えを感じていた。

そのなかで、須賀は「皆さん譜面を見て、結構言われてましたけど、個人的なひとつも分かっていない。譜面がまず読めないので、早く追いつきたい」と苦戦していることを吐露。「生演奏の舞台は今までも経験していることが、役者からすると感情に寄り添って一緒に作っていく感覚がすごく楽しみな部分です」とアピールした。

今回愛がテーマ。最近愛を感じたことがあれば、という質問に、杉原は「2月に感染し、そのときに友達から食べきれないほどいろんなものが贈られてきて、すごい愛を感じました」、早見は「娘がいいことも悪いことも何でも真似をするんです。台本を読んでいたりとか、ほっておいてほしいなって思うときも、『ママ!ママ!』ってずっと言っている。そのときに『ママで~す!』とやったら、ついに娘が真似をするようになって。可愛いな、愛してやまない。私にとって愛が娘です」、木村は「最近愛を感じることがなくて、身近な方、僕に愛をください」、須賀は「この流れで・・・(と躊躇しつつ)よく行く寿司屋さんでウニが2種、いくらか1種の丼が出るんですけど、ウニが3種乗ってきました。愛です」、そして安蘭は「自分を愛せなくては、人に愛を与えられないと思ったので、もっと自分を愛さなきゃいけないって思った」とそれぞれが咄嗟に回答した。

舞台『血の婚礼』
東京公演: 2022年9月15日(木)~10月2日(日) Bunkamuraシアターコクーン
大阪公演: 10月15日(土) 12:30/17:30、16日(日)12:30 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

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