取材･撮影/RanRanEntertainment
中村倫也が主演を務めるミュージカル『ルードヴィヒ～Beethoven The Piano～』が、10月29日(土)、東京芸術劇場プレイハウスにて開幕。開幕に先立ち10月28日に中村倫也、木下晴香、福士誠治、上演台本・演出の河原雅彦が登壇、初日に向けての意気込みなどを語った。
本作は、2018年末～2019年にかけて韓国で初演され、世界中誰もが知る天才音楽家であり、聴力を失ってなお音楽への情熱を注ぎ込んだ悲運の人・ベートーベンの生涯を、彼を取り巻く人物たちとの愛と影、喪失そして運命を、彼が綴った音楽とオリジナル楽曲で描くミュージカル作品。
主演・青年期のルードヴィヒを中村倫也が務め、もう一人のルードヴィヒや青年役を福士誠治、そしてマリー役を木下晴香が演じる。
初日を翌日に控え、中村「まだ現実感ないですね」、木下「目の前のことで必死に走っていたから、緊張もしていないです」、そして福士「実感がないというか、確かにあっという間の稽古期間。まずは初日を明けて皆さんにどう受け取っていただくか、一生懸命やっていきたいなと思っております」と皆リラックスした雰囲気。
中村と福士は初共演だが、中村は「人見知り度合いが似ている。ほとんど人見知りがないみたいで、遠慮することもないし、気を配り過ぎることもない。いい意味で、気を使わない」、そして福士は「たまにボソッとボケる、僕もだけど、ボソッとすぐにツッコんでくれる。それも僕は好きです」と、お互い気が合う同士であることを明かした。
中村とは7年ぶりのタッグとなる河原は「長い付き合いになるんですけど、いい意味で変わらない。とてもリラックスした感じで毎日稽古をやってきましたけれども、圧倒的にすごいものを作る意気込みでやっている」と評価したうえで、「ルードヴィヒ自体、自動的に一皮二皮剥けないととても千穐楽までいけないたくらい熱量が熱く、大変な演目ですが、俳優さんたちを信頼していますし、とても素敵なものになっていると思います」と充分な手応えを得ている様子だった。
それぞれの役割について、中村は「（ルードヴィヒは）音楽が大好きで、夢を追って夢に敗れかけ、また夢を追うという、波乱に満ちた魂を注いできた人なんだなと感じながら演じています。そこに向かう情熱は普段僕がリアルに道を歩いている状態ではとても表現できないレベル。自分を奮い立たせながら、誰もが知っているベートーベンが残した想いを、説得力をもって表現できるよう、頑張ろうと思います」と役への思いを語った。
福士は「音楽に魂を注いできた人の片鱗を少しでも表現できれば。そのエネルギーがお客さまに届けばいいなと思っています。劇中でもベートーベンの曲を改めて聴かせてもらって、その音楽の強さを感じているので、それを役作りに反映したいし、倫也のように魂で、この役を最後まで演じきりたいです」とコメント。
河原は「オリジナルの韓国版とは配役などけっこう変えています」と言う。実際、ルードヴィヒはオリジナルの二世代とは異なり青年、中年、壮年（おじいちゃん）の三世代を演じ、また、劇場のスケールもオリジナルとは異なり、拡がりや仕掛けも工夫されている。「オリジナルの日本版も楽しんでいただきたい。また、韓国版を知らない方はこちらがオリジナル版！」とアピール。さらに「ハイライトしかないおかしなお芝居なので、その分カロリーの高いお芝居。ぜひ楽しんで」と付け加えた。
福士は「多少の覚悟を持って観に来てください。舞台上で走っているエネルギーがお客さまにも多少の疲労を、また頭を使ったりでエネルギーを使うと思います。ぜひエンターテインメントを、ミュージカルを観に行くぞという気分で観に来てくださったら嬉しいです」、そして木下は「こんなにエネルギーを大きくする感覚を覚えたのは初めて。お客さまにもそんな感覚を味わっていただきたい」とコメント。
最後に、中村は「今回のミュージカルでは音楽が15曲。ベートーベンのフレーズが入っていたり、アレンジした素晴らしい音楽が含まれています。そしていい意味でも悪い意味でもあるんですが、ちょっと異常な人しか出てこないんです。なので、単純にそれを観て面白かったと言っていただいてもいいですし、いい部分は刺激を受けていただいて、悪い部分は“そういうことってあるかもね、人間って”と、ちょっとだけ寄り添って見ていただければ。観るぞと思って貴重な時間を費やして、少しでも何かを浴びていただければと思います」と中村倫也らしい纏め方で本作をアピールした。
ミュージカル『ルードヴィヒ～Beethoven The Piano～』
東京公演： 10月29日(土)～11月13日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
大阪公演： 11月16日(水)～11月21日(月) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
金沢公演： 11月25日(金)・26日(土) 北國新聞赤羽ホール
仙台公演： 11月29日(火)・30日(水) 電力ホール
